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【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】渋み少なめの赤ワインを選ぶには

(Willamette Vallley)

ワインを飲み始めてキャリアが浅い人にとって、「どんな味わいのワインが好きですか?」という質問に答えるのは、意外と難しい。自分の“好み”のハナシなんですが、実はハードルが高いように思います。

なぜなら、「コッチよりアッチが好き」と言えるほど、いろんなワインをまだ飲んでいないから。 “好み”の思考は「AよりB」といった比較からくるものがほとんどだと思います。直感で「ビビッ!」と来るような出会いもあると思いますが、そんなことはワインでも異性でも、そうそうないものです(苦笑)。

「好きなもの」よりも「嫌いなもの」や「苦手なもの」の方が、人は案外すんなりと答えられるもの。「甘いワインが好きなわけじゃないけど、渋いワインは苦手」とか、「どっしり重たいワインは飲み疲れちゃうけど、薄い味わいのものもワインらしくない」とかであれば言えたりしますよね。

そんな“ワイン初心者”さんが、自分でワイン選びをする際に参考になるのが“ブドウ品種”。実は、品種によって、渋みの強いもの、弱いもの、酸味が強いもの、穏やかなものと、味わいの特徴が異なるのです。

そんな、“自分好みのワインを見つけるため”のブドウ品種のハナシを、味わいの特徴別にご紹介します!今回のテーマは、渋みが少ないワインの原料となるブドウ=比較的タンニン含有量が少ないブドウ品種“渋いの苦手”さんは必読です。「渋みが少ないこと以外にも何か特徴があるの?」というハナシから、「どんなエリアで作られているの?」というハナシまで。頭の中に世界地図を広げてご一読ください!

タンニン含有量”低め”品種の代表【ピノ・ノワール】

線の細い、由緒正しい家柄のお嬢様。体も弱く、ちょっと無理をすると病に伏せ、どんな環境でもたくましく生きていける胆力はありません。大事に大事に育てられた「箱入り娘の色白美人」…そんなイメージを抱かせる品種がピノ・ノワールです。

おそらく、誰もが知っている(けど飲んだことはないであろう…)超高級ワイン「ロマネ・コンティ」のブドウ品種でもあります。

果皮そのものと、それに含まれる色素成分が薄いのが特徴のブドウ。タンニン量は少なく透明感あるルビー色の外観のワインになります。ただ地球温暖化の影響や醸造技術の発展により、以前に比べると、色合いの濃い、そこそこ渋みを持つワインも増えてきました。とはいえ、他の品種に比べれば、淡い色合いに穏やかな渋みが特徴と言えるでしょう。

【ピノ・ノワール】香りや味わいの特徴

(Vine grapes in champagne region at montagne de reims, France)

このブドウから造られるワインの、最大にして重要な特長は「まるでお花畑の真ん中にいるような香しさと、すーっとなじむ滋味深い味わいがあり、繊細な酸がきれいに流れ、いつまでもお花畑に佇んでいるかのような上品な余韻の長さ」でしょう。本当にいいピノ・ノワールのワインに出会うと、飲み物であることを忘れて、香水であるかのようにずーっと香りを嗅いでいたくなるものです。

一般的なピノ・ノワールのワインの香りの特徴は、フランボワーズやラズベリー、チェリーのような赤っぽい果実の香りを持ち、モノによっては赤いバラのイメージを抱かせる香りもあります。熟成が進むと、紅茶きのこのような香りをまとってきます。

味わいの特徴は、何といってもです。まさにフランボワーズのような酸。産地や造り手によっては、ミネラル感があるワインもあるので、ボリューム感ある味わいと対比して、シュッとした線の細い、けれども芯のある味わいを持っていると言えるでしょう。

【ピノ・ノワール】代表的な産地

(Diamond Lake and Rocky Mountain walks, Wanaka, Central Otago, New Zealand)

「箱入り娘の色白美人」には、男女問わずみんなが憧れます。

ちょっとした気候の変化で病害に侵されやすく、よって、限られた気候・土壌の環境下でないと栽培が難しい上に手間もかかるピノ・ノワールですが、この上品な芳香と味わいに魅せられて、この品種を作る人が世界中に現れます。

もともと、生まれ故郷のフランス・ブルゴーニュ地方以外で栽培するのは困難と言われていましたが、様々な改良を重ねられ、今ではアメリカやニュージーランドも、ピノ・ノワールの産地として有名になっています。

とはいえ、やはり今でもフランスが、世界の中で最も栽培面積が広く、全体の1/3弱を占めています。ブルゴーニュはもちろん、シャンパンの主要品種でもあるのでシャンパーニュ地方も産地としては有名です。

フランスに次いで栽培面積は広いのがアメリカ。西海岸の北寄りにあるオレゴン州がメイン産地で、「オレピノ(オレゴンのピノ・ノワール)」と呼ばれて一定数のファンが存在します。オレゴン州の真南に隣接するカリフォルニア州の冷涼地域でも栽培され、秀逸なワインを生み出しています。

他にも、ピノ・ノワールを「シュペート・ブルグンダー」と呼ぶドイツも、伝統的な産地。イタリアでは「ピノ・ネロ」と呼ばれ、フランチャコルタ(=瓶内二次発酵のスパークリングワイン)の主要品種となっています。

南半球のニュージーランドオーストラリアでも、南側の冷涼な地域でピノ・ノワールが栽培され、ワインの品質と知名度をメキメキと上げています。特に、世界最南端のワイン産地であるニュージーランドのセントラル・オタゴや、オーストラリアのタスマニアは近年注目されている産地です。

2012 ブルゴーニュ・ルージュ/マルク・ロワ
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤
2010 カレラ・マウント・ハーラン・ミルズ・ピノ・ノワール
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 赤
2012 タリントン・ヴィンヤーズ・ピノ・ノワール/ホッフキルシュ
産地
オーストラリア
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

冷涼地域で栽培される品種はタンニン少なめ?色、淡め?

夏が好きな人もいれば冬が好きな人もいるように、ブドウの品種には、好みの気候条件があります。ピノ・ノワールは、冷涼な気候で育つ方がそのキャラクターの“強み”が存分に発揮されるよう、冷涼地域を中心に栽培されています。

冷涼地域で作られるブドウは、タンニン量が少なくて酸が立ち、淡い色合いのもの、というイメージを抱きがちですが、実は必ずしもそうとは限りません。冷涼地域で作られる、ギシギシしたタンニンを持つ品種については【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】渋みが効いた赤ワインを選ぶには でご紹介していますので、ぜひそちらもお読みください。

そして反対に、温暖な地域で作られるのに、タンニン含有量少なめできれいな酸が効いたワインを造る品種もあるので、ここで2種ご紹介しておきます。

<サンソー> 

フランスの南西部にあるラングドック・ルーション地方が原産と言われ、ラングドックや南東部のローヌなどで、グルナッシュやシラー、カリニャンとブレンドされることが多い品種です。高温と乾燥に強いけれど湿度に弱く、すぐカビ系の病気に侵されるようです(日本での栽培は難しいでしょうね…)。

フランスがメイン産地ですが、一時期、南アフリカでは主要な品種だったとか。今、南アフリカに植わっているサンソーの樹はだいぶ古木になっているので、上手に造るとピノ・ノワールのような上品なワインになります。

(Stellenbosch)

<フラッパート>

イタリアはシチリア島の土着品種で、現在もシチリアのヴィットリアという小さなエリアでしか栽培されていない希少品種。多くは、ネロ・ダヴォラなどのワインとブレンドされますが、フラッパート100%のワインも存在します。南の島・シチリア産とは思えないほど透明感、冷涼感を感じるワインになります。

 

ヨーロッパでは南に位置する産地で育まれる2品種をご紹介しましたが、できるワインの色合いもタンニンの含有量も、そして味や香りも、冷涼地域を好むピノ・ノワールに近しい特徴を持っていると言えます。

同じ品種であれば、温暖な地域で作られたブドウは、比較的色も濃くタンニン含有量も若干多くなるかもしれませんが、ワインの雰囲気を決める特徴はやはり、品種に起因するところが大きいということです。

タンニン含有量”いい感じ”品種の代表【グルナッシュ】

友達が多く、ビーチサンダルやスニーカーでいつも誰かと遊びまわっているけれど、時々、接待でパンプスをはいても様になる。共感力が高く人情味にあふれ、誰からも愛される「カラリとした性格の小麦色の肌をした元気娘」…そんなイメージを抱かせる品種が、グルナッシュです。

ピノ・ノワールほど品種の名前は知られてないけれど、カジュアルワインの代表品種。グルナッシュ100%のワインは少なめですが、ほかの品種とブレンドされたワインは、きっと誰もが一度は飲んだことがあるはずです。

ブドウの樹は、他の品種と比べると発芽が早いので、育成期間(ブドウが成長している期間)が長く、しっかり熟すと糖度が上がりやすい品種。なので、アルコール度数が高めのワインになりがちです。また、途中で発酵を止めた甘口のワインもよく造られます。

【グルナッシュ】香りや味わい、ワインの特徴

“グルナッシュらしさ”の筆頭は、ジューシーで豊かな果実味。オレンジジュースで例えると、果汁10%ではなく100%のジュースの“濃さ”を感じる味わいです。

カシスやプルーンのような、黒っぽい果実の濃厚な香りのワインになり、実は酸味もしっかりとあります。それほど酸っぱく感じないのは、豊かな糖度と果実味のおかげ。タンニン含有量もそれほど多くないので、柔らかく穏やかな渋みは口当たりも良好。“飲みやすい赤ワイン”選手権があったら、常に上位に君臨するワインでしょう。

とても親しみやすい味わい、かつ気候条件さえ整えば放っておいてもポンポンと実をつける品種のため、主要産地であるフランスのラングドック地方では、水のように飲まれるくらいカジュアルなワインが造られます。

一方で、南部ローヌを代表する高貴なワイン「シャトーヌフ・デュ・パプ」の主要品種でもあるグルナッシュ。幅広い対応ができる、よくできた子なんです。

【グルナッシュ】代表的な産地

(impressive medieval Loarre castle, Aragon, Spain)

世界のブドウ栽培面積を見ても、トップ10の栽培量を誇るグルナッシュですが、その9割ほどを占めるのがフランススペインです。フランスは世界のグルナッシュ栽培面積の半分を占め、南部ローヌやラングドック、プロヴァンスと言った南仏がメイン産地です。

スペインは世界のグルナッシュ栽培面積の4割ほどを占める主要産地です。というのもこのグルナッシュ、原産地はスペインの北東部。ピレネー山脈を越えてフランスに伝わったと言われています。

スペインではガルナッチャと呼ばれます。フランスではシラーとのブレンドが相性がいいですが、スペインではテンプラニーリョとブレンドされたワインが造られることが多いです。

生産量としては全栽培面積の5%ほどですが、イタリア・サルデーニャ島の主要品種でもあり、カンノナウと呼ばれています。フランスやスペインでは他品種とのブレンドがメインですが、サルデーニャではカンノナウ(グルナッシュ)100%で造られるワインの方が多いです。

2016 コート・デュ・ローヌ・サン・レジェ・ヴィンテージ/ドメーヌ・マズール
産地
フランス・コート デュ ローヌ地方
品種
グルナッシュ
タイプ
ミディアムライト辛口 赤
2007 シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュ/ドメーヌ・ド・マルクー
産地
フランス・コート デュ ローヌ地方
品種
ムールヴェードル グルナッシュ サンソー シラー
タイプ
フルボディ辛口 赤
クネ / コンティノ ロサード 2017
産地
スペイン / ラ・リオハ州 / リオハ・アラベサ
品種
グラシアーノ60%、ガルナッチャ(グルナッシュ)40%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムフル

品種によってこんなにも違う味わい、香り

赤ワインは、ブドウの種や果皮を漬け込んでアルコール発酵させるので、どうしても渋みを感じる品種の方が多くなりますが、赤ワインの渋みが苦手と言う人は、「ピノ・ノワール」や「グルナッシュ」のワインを選ぶと、ワインを楽しめるかもしれません。

他にも、途中でご紹介した「サンソー」や「フラッパート」、北海道でも栽培されている「ツヴァイゲルト」やボージョレ・ヌーヴォーでお馴染みの「ガメイ」などもタンニンが控えめな品種です。

知らない品種でも、興味を引かれたらぜひ一度飲んでみましょう。今よりもっとワインが楽しくなるはずです!

何が違うの!?甘口ワインと辛口ワイン

ワインという一つのお酒で、様々な“色”があるハナシは以前しましたが(ワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編ロゼワイン・オレンジワイン編)、甘さを全く感じないドライな味わいから、ねっとりとしたリキュールのような濃厚な甘さがあるものまで、味わいのバラエティにも富んでいるのも、ワインの魅力の一つです。

近年は、食事との相性から、世界的にも辛口ワインが主流になっていますが、砂糖が貴重品だった時代は、甘さは富と権力の象徴でした。時代によって、ワインの人気も変わるものなんですね。

そんな「辛口」と「甘口」の味の違いはどこから生じるのか、詳しく説明します。

辛口って何?

お酒においての「辛口」という表現で、まさか、唐辛子の「辛味」を想像する人はいないと思いますが、念のため、辛口の定義を確認しておきましょう。

EUのワイン法では、甘辛度合いを4段階に分類しています。ワインになった時の残糖量が4g/ L以下のものをsec(セック/フランス語)とラベルに表示しますが(スティルワインの場合は義務ではない)、このSecの和訳が「(お酒など)ドライな」となっています。“ドライ”は、“乾いた”という意味がありますが、お酒などでは“辛口”という意味になります。

残糖の“糖”は、基本的には(※)ブドウが本来持っている糖質であるブドウ糖です。このブドウ糖が酵母の働きによってアルコールと二酸化炭素に分解されて、お酒であるワインができあがります。

※ブドウの糖度が足りずに、補糖してアルコール発酵をしているスティルワインもあります。ただし、スティルワインの補糖は、アルコール発酵のために行うもので、甘味を添加するためではありません。

一方シャンパンでは、味の調整のために出荷の前にリキュールなどを添加することがよくあります。スパークリングなので甘味は感じにくいですが、甘味を感じたらそれは、ワインを造ったブドウの糖分ではなく、添加された甘味になります。

つまり、糖分のほとんどが分解されてアルコールになったらsec(辛口)になる、ということです。逆に、アルコールに分解されずに糖として残った量が多くなると、それは甘口のワインになります。

残りの3段階は、以下の表のとおりとなります。

「甘口ワイン」といっても、実はいろんな種類がある

ここで一つ疑問が生じます。先ほど示した一覧表を見ると、ものによって残糖量が4g/L~45g/Lと10倍以上の差がありますが、なぜ同じブドウという果物から造られるお酒で、そんなにも残糖量に差がつくのかと。

いや、実際は10倍どころか、25倍くらい差があるワインもあります。後述しますが、貴腐ワインで有名なソーテルヌは、残糖量が平均して100g/Lほどあります。

「糖が分解されてアルコールになるのであれば、分解されずに糖が残ったワインはアルコール度数が低いのかな?」と、勘のいい方は思いますよね。ある意味、正解です。

同じブドウを使って甘口と辛口のワインを造った場合、甘口の方がアルコール度数は低くなります。ブドウの持つ糖分をすべてアルコールに分解してしまわないように、アルコール発酵を途中で止めてしまうからです。

「もともと糖度の高いブドウを使えば、より甘いワインができるのでは?」これも正解です。「甘味を後から足すこともあるのかな?」…あります。

甘口ワインの造り方は、大きく分けて3つあります。

甘口ワインの造り方① アルコール発酵を途中で止める

酵母による糖の分解を抑え、狙った甘さになるように、途中でアルコール発酵を止めて甘口ワインを造る方法です。

アルコール発酵の止め方には、いくつか方法があります。

酵母を死滅させる

温度を下げることもその一つ。酵母は、一定の温度がないと活動しないので、温度を下げることによって、酵母の活動を抑えてしまうのです。

ただそうすると、ワインの中にはまだ糖分が残っているので、温度が上がったらまた酵母が活動(=糖を分解し、アルコールと二酸化炭素を生成)してしまう!それは困る!ということで、酵母を取り除かなければいけません。

その方法の一つが、SO2を通常よりも多めに添加することです。SO2は二酸化硫黄のこと。亜硫酸塩とか酸化防止剤とも呼ばれています。SO2は酵母の発育を阻止する効果があり、量が多ければ死滅させることもあります。そのため、発酵を途中で止めることができます。

瓶詰めの際にきちんとフィルターにかけて、生き残ってしまった酵母も死滅した酵母も、瓶内には入れないようにすることが大切です。

ほんのりとした自然の甘みを感じる、中甘口とか半甘口とか呼ばれるワインの造り方です。

度数の高いアルコールを添加する

もう一つ、アルコール発酵を止める方法があります。それは、発酵している途中でブランデーなどの度数の強いアルコールを添加することです。なぜこれで発酵が止まるのかというと、ワインの酵母はアルコール耐性がそれほど高くないので、15~16度くらいになると活動できなくなってしまうからです。

甘口のシェリーやポートワイン、フランスのヴァン・ド・ナチュレル(VDN)などがこの方法で造られる甘口ワインです。

ブランデーなどの度数の高いアルコールを添加して発酵を止める場合は、できあがるワインのアルコール分は添加した度数の高いアルコールが担い、原料のブドウの糖分をそのまま“甘味”として使えます。しかし、SO2の添加で発酵を止める場合は、ブドウの糖分はアルコールになる分と甘味の部分と両方を担わなければいけないので、それほどしっかりした甘さの甘口ワインには成りにくい…。

では、極甘口とも言われるような、残糖量が100g/Lもあるような甘口ワインはどのように造られるのでしょうか。

甘口ワインの造り方② 糖度の高いブドウでワインを造る

完熟した普通のブドウから造られる甘口ワインは、せいぜい中甘口(半甘口)のワイン。45g/L以上の甘口のワインを造るには、原料となるブドウにもちょっとしたひと手間が必要になります。

そんなブドウから造られた甘口ワインが、貴腐ワインアイスワイン、またヴィン・サントと呼ばれるワインもこれにあたります。ワインを造るブドウは異なりますが、三者に共通するのは、何らかの方法でブドウの水分を除去し、糖度が凝縮したブドウからワインを造る、ということです。

貴腐ワインって、どんなワイン?

貴腐ワインは、樹に成りながら干しブドウ状態になったブドウを使って造るワインです。ボトリティス・シネレア菌という菌が熟したブドウの果皮につき、その果皮に穴をあけて水分を蒸発させることで“樹上干しブドウ”ができます。

この、“ボトリティス・シネレア菌による樹上干しブドウ”は貴腐ブドウと呼ばれ、特定の条件を満たす気候のもとでないとできないブドウです。

アイスワインって、どんなワイン?

アイスワインは、樹に成りながら氷結したブドウを使って造るワインです。-7℃~-8℃以下の気温化で収穫しなければならず、当然氷点下なのでブドウの水分は凍っています。凍った状態でワイン造りに取り掛かり、凍った水分と果皮、種は取り除かれてアルコール発酵します。

アイスワインもまた、-7℃~-8℃以下の気温化で収穫することができる地域ですので、一部の限定した産地でしか造られません。

ヴィン・サントって、どんなワイン?

ヴィン・サントは、イタリア・トスカーナのものが有名ですが、実はギリシャ生まれのワインです。一部辛口のものもありますが、ギリシャやイタリアで造られる甘口ワインをヴィン・サントと呼ぶことが多く、その製法で造られるワインは、フランスなど他の地域にもあります。

いわゆる、陰干ししたブドウから造られるワインです。貴腐ブドウは“樹上干しブドウ”でしたが、こちらは収穫後に、ブドウを藁やすのこに並べたり、吊るした状態で干しブドウにします。

甘口ワインの造り方③ 甘味を添加する

一口に「ワイン」と言っても、実は次のように大きく4つに分類されます。

・発泡のあるワイン(スパークリングワイン)
・発泡のないワイン(スティルワイン)
・酒精強化したワイン(フォーティファイドワイン)
・ブドウ以外の原料を添加や浸漬させたワイン(フレーヴァードワイン)

先述したシェリーやポートなど、発酵している途中でブランデーなどの度数の強いアルコールを添加したワインが酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)に当たり、後から甘味を添加したワインがフレーヴァードワインに当たります。

フレーヴァードワインでもっとも有名なのは、カクテルなどで飲まれることが多い「チンザノ」ではないでしょうか?イタリアのチンザノ社(1999年カンパリグループにより買収)が造るベルモットで、甘口と辛口があります。

甘口は、白ワインにハーブやスパイスのほか、甘味料やカラメル、バニラなどを加えています。「ブドウ以外の原材料を使っているけどワインなの!?」と思われそうですが、れっきとしたワインの一種です。

未発酵のブドウ果汁を添加する場合もあります。ドイツのズース・レゼルベが有名で、プレスして得た果汁(ブドウジュース)を一部保存しておき、残りの果汁を発酵させ、ワインができ上ったらそこに添加して味の調整をします。

今の50代60代くらいの方は、ドイツワインと聞くと甘口ワインを連想される方が多いようですが、1970年代の頃は、日本ではもっぱらワインといえば甘く、ドイツから輸入されるワインは、このズース・レゼルベが添加された甘口のワインがほとんどだったようです。

「辛口ワインが欲しい」というオーダーでは、100%「どんな?」と聞き返されてしまいます

辛口と甘口の違いは、ワインに含まれる残糖量の違いであり、残糖量の違いはワインの造り方の違い、ということです。4g/L以下のものをSec(辛口)と先述しましたが、これはあくまでEUのワイン法で、日本においては明確なルールや基準はありません。しかし今日、日本で流通しているワインのほとんどが、Sec(辛口)です。

ですので、レストランやワインショップなどで、甘口ワインを求めている時は「甘口ワインが欲しい」というオーダーでもいいのですが、辛口ワインを探している時に「辛口ワインが欲しい」と言ってもダメ。大半のワインが辛口なのですから、それはまるでスニーカーショップで「スニーカーが欲しいんですが…」と言っているようなものなのです。

辛口ワインが欲しい時は、もう少し掘り下げた要望を示す必要があります。例えば、「渋みが少ない辛口の赤ワイン」や「すっきりした飲み口の爽やかな辛口白ワイン」といった感じです。品種で選ぶのもいいでしょう。品種から好みのワインを探したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】渋み少なめの赤ワインを選ぶには

【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】渋みが効いた赤ワインを選ぶには

【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】シャープな酸の白ワインを選ぶには

【自分好みのワインを知るための品種のハナシ】まろやかな酸の白ワインを選ぶには

甘口ワインが比較的高価な理由

甘口と言っても様々な造り方があるので、甘さの度合いも色々あります。酒精強化ではない、途中でアルコール発酵を止める方法は、文字で書くと簡単に見えますが、ワイン造りとなると特別な設備が必要になります。つまり、辛口のワインを造るよりも生産コストがかかるのです。

貴腐ワインやアイスワインは、特有の自然現象で得られる原料から造られるため、リスクが伴うワインです。陰干しブドウから造られるワインも、何ヶ月も“干す”ので時間やコストがかかる上、中には干している途中で腐敗してしまうブドウもあるのです。

そんなわけで、甘口ワインは高価だなと思われる方もいるかもしれませんが、高いなりの理由があるのでご了承ください(笑)。

しかし、甘口ワインは一度にたくさんは飲めない上に、抜栓しても冷蔵庫保管で1ヶ月くらいは飲めてしまうので、コストパフォーマンスは優れたワインとも言えます。一日働いて疲れて帰宅した時など、果物由来のやさしい甘さが癒してくれますよ。

 

超初心者限定!フルーツから探る自分好みのワイン【赤&ロゼワイン編】

「ワインは好きだけれど、好きなワインは何?と訊かれると困ってしまう…」という“ワイン超ビギナー”のみなさん。あなたのフルーツの好みから、好みのワインを探しあててみましょう。

ワインには、実はさまざまな香りがあり、「おいしい!」と感じる味わいとも深く関連しています。そのさまざまな香りの中でも、主なものとして、原料であるブドウ以外のフルーツに例えられる香りがあります。 

第1弾では「白ワイン」をテーマに探ってみました。まだお読みでない方は、こちらをどうぞ。

第2弾のテーマは「赤ワイン&ロゼワイン」。今回もいくつかフルーツを挙げますので、まずは好きなフルーツを選んで、そこからワインを辿ってみてください。 

フレッシュなラズペリーやイチゴが好きな方は…

爽やかな酸味が甘い香りとともに、ジュワッと広がる。ラズベリーやイチゴなどの赤い色をしたベリーは、見た目にも華やかで好きな人も多いフルーツですね。

白ワイン編でもご紹介しましたが、「酸味」の強弱は、原料となるブドウが栽培される土地の気候によって大きく左右されます。高緯度の冷涼な気候、またはで標高が高い産地や寒流の影響で気温が比較的低い地域というのがポイント。また、ブドウの品種の特性や熟成も大きく関わってきます。

おすすめなのは、ピノ・ノワール種のワイン。冷涼なフランス・ブルゴーニュであれば、熟成が若くてお値段もリーズナブルなものでOK。また、日本の山梨や山形で多く造られているマスカット・ベーリーAという品種のものもぜひ一度お試しを。甘酸っぱい赤いベリーの香りと軽やかな味わいが魅力です。

2017 ブルゴーニュ・ピノ・ノワール/ロベール・シリュグ
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

ロゼワインも、ピノ・ノワール種のものはおすすめ。ほんのりした桜色のロゼが各地で造られていますが、甘口のものもあるので、爽やかな酸味が好きな方は、辛口のものをセレクトしましょう。

2019 ブルゴーニュ・ロゼ/ダヴィド・デュバン
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

ジャムやコンポートにしたイチゴが好きな方は…

「イチゴジャムのような濃い甘さが好き!酸味は苦手…」という方に、おすすめのワインもちゃんとあります。

温暖な地域、または急斜面で日照量が多いところで、生育期間が十分に長く、甘さと香りが凝縮したブドウからは、同じように凝縮した「フルーティ感」の強いワインができる傾向にあります。

代表的なもので言えば、カリフォルニアのジンファンデル。また先ほどのピノ・ノワールでも、カリフォルニアなどの温暖な地域では、イチゴジャムのような味わいの赤ワインも多くあります。加熱して甘さを増したベリーの香りと高めのアルコールが特徴的です。

2018 ジンファンデル/ジョエル・ゴット
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
ジンファンデル
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

ロゼワインも、カリフォルニアのほか、スペインや南仏などの地中海沿岸エリアでつくられるものがおすすめ。しっかりした桜色〜サーモンピンクの色みが華やかで、気分も上げてくれます。もし、甘さ自体を求める方は、甘口〜中甘口のロゼを軸に探してもいいと思います。

アメリカンチェリーが好きな方は…

皮ごとパクリと食べるアメリカンチェリーは、酸味も甘みもジューシーさもあり。そこに加えて、ちょっぴり「渋みや苦味」のニュアンスもあるフルーツと言えるでしょう。

アメリカンチェリーが好きな方におすすめしたいのは、イタリア北部ピエモンテのバルベーラやスペインのテンプラニーリョという品種の赤ワインやロゼワイン。酸味もありながら、しっかりとした果実味も感じられるので、生ハムやオリーブオイルを使った料理ともよく合います。

ピオ・チェーザレ / バルベーラ・ダルバ 2015
産地
イタリア / ピエモンテ州 / アルバ
品種
バルベーラ100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムライト
マルケス・デ・カセレス / グラン・レゼルヴァ 2011
産地
スペイン / ラ・リオハ州 / リオハ
品種
テンプラニーリョ85%、ガルナッチャ・ティンタ(グルナッシュ)8%、グラシアーノ7%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

ブルーベリーやカシスが好きな方は…

アメリカンチェリー以上に渋みや苦味のニュアンスがあって、果汁の色も濃いブルーベリーやカシス。赤ワインの原料となるブドウにも、ワインになったときの「渋みや苦味」また「色」を左右する成分がその果皮に含まれています。

ブドウの生産地や環境に加えて、その成分量の抽出の度合い、つまり造り手の考え方や技術によっても変わってくるのですが、代表的な例で言えば、フランス・ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン種が主体のワイン。また南米アルゼンチンのマルベックという品種のワインもコスパ的にオススメです。

ブルーベリーやカシスの濃い色みや濃縮感が好きであれば、ロゼではなく、ぜひ赤ワインをおすすめしたいところです。

シャトー・シトラン 2007
産地
フランス / ボルドー地方 / メドック
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー50%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

しっとりしたドライ・プルーンが好きな方は…

フレッシュなブルーベリーやカシスよりもさらに「色」が濃く、「渋みや苦味」もあって、さらに濃厚な果実味が感じられるセミドライのプルーンが好きな方は、「ボディ」をキーワードにしてワインをチョイスしましょう。

濃さ(凝縮感)や、渋みの強弱、アルコール度数などを総合した味わいの印象を、ワインでは「ボディ」と言い、ワイン全体に重さを感じるワインは「フルボディ」と表現されます。

フルボディの赤ワインはたくさんありますが、チリのカベルネ・ソーヴィニヨン、イタリアのモンテプルチアーノ、オーストラリアのシラーズなどが有名。オーストラリアのシラーズは、チョコレートや黒胡椒などのスパイシーな印象のものも多くあります。

2016 サクラ・シラーズ
産地
オーストラリア
品種
シラーズ
タイプ
フルボディ辛口 赤

赤ワイン選びのポイントは「フルーティ感」と「苦味・渋み」

自分の好みのワインは、好きなフルーツが持つ香りや味わいから探究!赤ワイン選びでは「フルーティ感」と「苦味・渋み」の度合いがポイントになることが分かってきたかと思います。

そこで、より具体的な好みの赤ワインが探せるように、「フルーティ感」と「苦味・渋み」を軸にしたマトリックスをご紹介! 

ロゼワイン選びのポイントは「酸味」と「色」

欧米では近年、ロゼワインが大人気。白ワインと赤ワインの両方の要素を持つので、合わせる食事の幅が広いのも魅力。ご紹介するマトリックスも、白ワインと赤ワインの両方の要素を考慮しつつ、「酸味」と「色」を軸にしてあります。

ワインの香りや味わいは、熟成によっても変化

“フルーツ”に注目して、おすすめのワインを探すポイントを、2回にわたってご紹介しました。ワインから漂う香りは、フルーツ以外にもたくさんあります。スパイスやハーブ、そう、アロマテラピーに詳しい方は、ワインもきっと深く楽しめると思います。

また、長い時間をかけて酸素と触れ合うことによって生まれるニュアンスを「熟成感」と表現しますが、熟成したワインには、さらに複雑な香りや味わいが生まれます。紅茶や動物の皮革などに例えられる香りもありますし、味わいとしても、タンニン(渋み)の鋭さが減り、まろやかなものになっていきます。

深淵なるワインの世界ですが、まずは難しいことは考えずに、“自分好みのフルーツ”から“自分好みのワイン”探しを。その第一歩は、簡単に踏み出せるはずです!

 

超初心者限定!フルーツから探る自分好みのワイン【白ワイン編】

「ワインに興味はあるけれど、どれを選んだらいいのかよくわからない」 「レストランやワインショップでも、よくわからないから適当に頼んでしまう」・・・そういう方って結構多いですよね? 

ワインという飲み物は、紀元前8000年頃からあるとも言われ、ウンチクもたくさん語れてしまう、奥深いお酒。でも、ひとまずそれは置いておいて、まずは“ワイン超ビギナー”のために、おいしく、楽しく、気軽にワインを選ぶヒントやコツをご紹介します。 

初回となる今回は、白ワインに注目。「白ワイン」と一口に言っても、実はさまざまな香りや味わいがあります。いくつかフルーツを挙げますので、まずは好きなフルーツを選んで、そこからワインを辿ってみてください。 

ライム・レモンが好きな方は…

酸味がキリっとした柑橘。口の中をサッパリとさせてくれるライムやレモンは、気分まで爽やかにしてくれるフルーツですね。シャープな酸味と爽やかなシトラスの香りが好きな方は、白ワインでも同じ要素を持つものが好きなはず。

キリッとした酸味がある白ワインは、高緯度の冷涼な気候で育まれたブドウから造られることが多いもの。緯度が低いエリアでも、標高が高い産地や寒流の影響によって温度が比較的低い地域では、酸味の際立つワインが造られます。

代表的な例で言えば、フランスのシャブリ地区でつくられるシャルドネ、ロワール地方のミュスカデ、アルザス地方のリースリングといったブドウ品種のワインがあります。

2018 シャブリ/ドメーヌ・ド・ラ・コルナス
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 白
2018 ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ・シュール・リー・レ・ウー
産地
フランス・ロワール地方
品種
ミュスカデ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

グレープフルーツが好きな方は…

ライムやレモンよりはおだやかな酸味で、ちょっぴりほろ苦いグレープフルーツが好きな方は、同じくらいの緯度でも南半球の白ワインを試してみるといいかもしれません。

代表的なもので言えば、ニュージーランドやチリの白ワイン。なかでもソーヴィニヨン・ブランという品種のワインがおすすめです。ミントやタイムのようなフレッシュハーブのニュアンスも楽しめます。

ヴィラ・マリア / プライベート・ビン ソーヴィニヨン・ブラン 2020
産地
ニュージーランド / マールボロ地方
品種
ソーヴィニヨン・ブラン100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

桃やアプリコットが好きな方は…

酸味がまろやかで、ジュワッと甘い桃やアプリコット。「酸っぱいのは苦手で、フルーティな味が好き」という方は、温暖な地域で造られる白ワインがおすすめ。冷涼な地域でも、急斜面で日照量が多いところでは、酸味が穏やかになることもあります。

また“フルーティ感”は主に、ブドウの“完熟度合い”によって左右されます。フルーティ感が強いワインは、完熟度合いが高いブドウからつくられるというわけです。

特に、桃やアプリコットが好きな方におすすめなのは、ヴィオニエという品種のワイン。フランス南部コート・デュ・ローヌ地方などで有名な品種です。 

2017 レ・コントゥール・ド・ドポンサン・ヴィオニエ・ヴァン・ド・ペイ・デ・コリンヌ・ローダニエンヌ
産地
フランス・コート デュ ローヌ地方
品種
ヴィオニエ
タイプ
ミディアムフル辛口 白

ライチが好きな方は…

フルーティで、さらにバラのような香りもあるライチ。中国南部が原産地で、楊貴妃がこよなく愛した果物としても有名なこともあり、特に女性に人気のフルーツかもしれません。

そんな“ライチ好き”の方に、ぜひ一度試していただきたいのが、ゲヴュルツトラミネールという品種のワイン。フランス・アルザス地方のものが有名ですが、最近はアメリカ・カリフォルニアやチリなど、より温暖な地域でも造られています。

2014 ゲヴェルツトラミネール・エステート
産地
フランス・アルザス地方
品種
ゲヴェルツトラミネール
タイプ
ミディアムフル辛口 白

パイナップルやマンゴーが好きな方は…

トロピカル感あふれるパイナップルやマンゴー。「酸味は苦手で、芳醇な甘みが大好き!」という方には、温暖で陽が燦々と降り注ぐエリアの白ワイン、例えば、アメリカ・カリフォルニアやオーストラリア・マーガレットリバーのシャルドネあたりがおすすめです。

カレラ / セントラル・コースト シャルドネ 2018
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・コースト
品種
シャルドネ100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

また、パイナップル好きであれば、熟度の高いブドウを原料にやや甘口につくられた、フランス南西地方ジュランソンのワインも一度試してほしいワイン。さっぱりめのデザートワインとしても楽しめます。

白ワイン選びのポイントは「酸味」と「フルーティ感」

自分の好みのフルーツが持つ香りや味わいが分かれば、おいしいワインに一歩近づくことができます。そして、白ワイン選びでは「酸味」と「フルーティ感」がポイントになることが分かってきたかと思います。

そこで、最後に「酸味」と「フルーティ感」を軸にしたマトリックスをご紹介!より具体的なワイン探究ができることでしょう。

ワインショップやレストランでもし悩んだら、予算と合わせて、自分好みのフルーツの特徴的な香りや味わいを店員やソムリエの方に伝えてみてください。きっと、おいしいワインにたどり着けるはずです。

 

ワインの造り方から見る、色合いと味わい~番外編・醸造工程を“もうちょっと詳しく”学ぼう!

ワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編で、ワインの造り方をザックリと図解で説明しました。本当に大まかな流れを押さえただけなので、もう少し細かい内容が知りたいという方のために、“ちょっとだけ詳しく”醸造工程を説明します。

それってなんで行うのか、なぜその順番なのかそこを少しでも理解できて「ナルホドね~」と思えると、ワインがより楽しくなり、次飲むワインが今までよりも味わい深く感じられるのではないかと思います。

前回の「ザックリ図解」も登場させながら、工程の詳細を見ていきましょう。

【収穫・除梗・選果・破砕】まだ、果物。甘酸っぱい幼少期

実ったブドウを刈り取ります。北半球でだいたい8~9月の期間。品種や地域により収穫時期は異なり2ヶ月くらいの幅があります。

収穫されたブドウの房を、実(粒)と茎に分けます。茎の部分を「梗(こう)」と言い、この部分は不要なので取り除きます(梗の部分も一緒に発酵する造り方もありますが、基本的には除梗します)。

除梗した丸い粒を検品して不健全な実を取り除き、いいブドウ(粒)を選びます。これが「選果」です。不健全なブドウというのは、葉やほかの実の陰になってちゃんと成熟しなかった粒や、何かしらの病禍に侵された実です。これらが混ざると、ワインに雑味をもたらしたりするのです。

赤ワインの場合は、選果された粒をつぶして皮を破り、タンクなどに入れます。

白ワインの場合は、選果後すぐにプレスするので「破砕」はしません。

【発酵・醸し】変化する思春期

発酵・醸しを行うための容器は色々ありますが、一番多く使われるのはステンレスタンク。最近は、コンクリートタンクの使用も増えています。一部、高級ワインを生産する醸造所ではオーク槽(大きな大きな木桶)を使用したり、樽を使って発酵する生産者もいます。

赤ワインの場合は、破砕したブドウの果汁、果皮、果肉、種が入ったタンクの中に酵母を入れ(ブドウに付着した酵母だけで発酵する場合は入れない)、発酵させます。

白ワインの場合は、後述する「プレス(圧搾)」で得た果汁に酵母を入れて発酵させます。

発酵とは、糖が酵母によって、エチルアルコールと二酸化炭素に分解する化学変化のこと。

つまり、ブドウの果汁に含まれる糖分が、アルコール(と二酸化炭素)に変わるということです。発酵中のタンク内には二酸化炭素が充満し、ポコポコと音を立てて泡立っています。その様子がまるで生き物のようで、「あぁ今まさに、ブドウがワインに生まれ変わろうとしているんだな」ということを感じます。

醸しとは、果汁の中に果皮、果肉、種を漬け込んでおくこと赤ワインを造るときのみ行う工程です。

醸すことによって、液体(果汁)に果皮や種からの成分が抽出されます。主に、果皮から色素やポリフェノール類が、種からタンニンが抽出されます。ティーポットのお茶を想像するとわかりやすいかもしれません。茶葉をお湯に浸して、香りや味や色みを抽出し、お茶を楽しみますよね。

発酵と醸しは、タンク内でほぼ同時並行で行われています。発酵中は二酸化炭素(炭酸ガス)が生成されているので、タンク内の固形分はガスによってタンク上部に持ち上げられます。すると色味や成分が均一にならないので、途中、タンクの上から大きなしゃもじのようなものでかき混ぜたり、下部の液体をポンプでくみ上げて上部から撒き入れたりします。

つまり、赤ワインの色は、果皮の色、ということになります。よくよく考えてみれば、巨峰など食用の皮の黒いブドウでも、中の実は白いですよね。果汁も白っぽい色をしています。

発酵タンクの中に果汁と酵母のみを入れる白ワインには「醸し」の工程はありません。

【圧搾(プレス)〜赤〜】まだ大人でも子供でもない・・・

赤ワインの場合、発酵・醸しが終わると、ブドウ果汁が「ワイン」になります。若々しいワインです。タンクの中には、この若々しいワインに果皮や果肉、種などがぷかぷか浮いています。茶葉とお湯が入ったティーポット、茶こしの中の状態です。

タンクの下部からワイン(液体)だけを抜き取ります。これを「フリーランワイン」と言います。フリーランワインを出し切った後、タンク内にはワインが含まれる果皮などの固形物が残ります。これを掻き出してプレス機に入れ、軽く搾ります。この、搾って出るワインを「プレスワイン」と言います。

お茶ではあまり茶葉を搾ることはしませんが、ティーポットから注がれたお茶と、残った茶葉から搾り出したお茶、明らかに味わいが違いますよね。茶葉を搾り出したお茶は渋みが強いかと思いますが、これはワインでも一緒です。フリーランワインとプレスワインを混ぜ合わせることで、複雑な味わいのワインになります。生産者によっては、プレスはせず、フリーランワインしか使わないワインもあります。

白ワインの場合は、除梗・選果したブドウの粒をプレス機(圧搾機)に入れ、優しく搾ります。搾り出された果汁のみを、空気に触れないまま発酵のタンクに移します。

同じ「プレス」という工程ですが、赤ワイン(黒ブドウ)と白ワイン(白ブドウ)では「プレスするもの」が違います。赤ワインでは醸された果皮や果肉や種で、白ワインではブドウ粒になるのです。

またプレスによって得られるものも異なり、赤ワインの方は既に発酵が済んだ「ワイン」ですが、白ワインの方は「果汁」です。

【マロラクティック発酵(MLF)】とんがってたキャラが円くなる

先述の「発酵」は、糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生成する化学変化で、「主発酵」と呼ばれることもあります。赤ワインは圧搾の後、白ワインはこの主発酵の後に「マロラクティック発酵(略称:MLF)」というのを行う場合があります。

マロラクティック発酵とは、乳酸菌の働きで、ワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変える発酵です。リンゴ酸はやや強めの酸味がありますが、それが乳酸に変わるとまろやかな酸味になります。

酸の性質を変えるだけでなく、微生物の餌になりやすいリンゴ酸から、餌になりにくい乳酸に変えることによって、熟成中のワインの中で良からぬ変化を防ぐため、赤ワインではほとんどMLFを行います。逆に白ワインでは、行わないものも多くあります。

【熟成(育成)・清澄】洗練の時

ワインを、樽に移して熟成(育成)させます。その目的は、ワインの液体中に浮遊している微細な物質(仕事を終えた酵母の残骸や果実の澱など)を沈殿させたり、樽の木目からわずかに入り込む酸素に触れて味わいをまろやかに整えるためです。また、木材に含まれるタンニン分がワインの清澄化を促し、風味も複雑化します。

ブドウの持つピュアな風味を表現したい場合などは、樽の成分をワインに移さないよう、あえてステンレスタンクで熟成(育成)させることもあります。

収穫から圧搾までの所要時間は1~3週間程度ですが、樽熟成は数ヶ月から数年と、ワインによってそれぞれです。

この間、「清澄」という作業を行います。清澄前のワインは、様々な成分や微生物が漂っているので濁っています。これら微細な物質を除去し澄んだ液体にするのですが、そこで使用するアイテムが「卵白」。樽の中に軽く泡立てた卵白を投入します。

卵白に含まれるアルブミンというたんぱく質がタンニンと結びつきやすく、少しずつタンニンと結合し、その他の色素成分や微生物などを巻き込んで、だんだんと重みで沈んでいき樽の底にたまっていきます。

清澄作用のみならず余分なタンニンも除去されるので、卵白を清澄剤に使用するのは主に赤ワイン。ただ、大樽1つにつき3~6個の卵を使用するようで、アルブミンだけを取り出した粉末状の清澄剤を使用する生産者も多いようです。100樽分のワインを造るとなると、300~600個の卵を用意しなければなりませんから…コストが高くなりますからね。

卵白以外にも、ゼラチンやベントナイトなどを使用することもあります。結びつきやすい物質や利点が異なるので、出来上がるワインの求める味わいや、清澄するタイミングでのワインの状態によって、生産者は使い分けています。

ちなみに、清澄をしないワインもあります。

【濾過・瓶詰め】いよいよ旅立ち

熟成(育成)期間が終了すると、濾過しながら瓶詰めを行います。ワインに過度な負担がかからないよう濾過しないで瓶詰めする生産者もいます。

瓶詰めしてからさらに熟成を重ねる場合も多くあり、その場合は、コルクを打ってからセラーに寝かせておきます。

旅立ちの時が来たら、ラベルを貼って、キャップシールを巻き、出荷します。

育成過程(醸造工程)が違えば、個性も違う

当たり前ですが、意味のない工程は一つもありません。そして、大昔から変わらない部分もあれば徐々に進化していった工程もあります。一つひとつの工程をやる・やらないだけでなく微妙な匙加減でも味わいや色調が変わります。

例えば最近流行の「自然派ワイン」。「自然派」の定義があいまいで、何をもって「自然」なのかは様々な解釈がありますが、そのうちの一つに「醸造が自然」というのがあります。「醸造が自然」とは、極力人の手を介さない造り、という意味。具体的には、赤ワインの発酵後のプレスをしない、清澄化しない、濾過しない、などが挙げられます。

「しない」ことが正しいとか「する」ことが間違っているとかそういう議論ではなく、生産者が「どんなワインを造りたいか」、この一点に尽きます。

世界には、大規模なワインメーカーもいくつか存在しますが、圧倒的に多いのは、家族経営などの小さな生産者。それは、「造りたいワインを造る」という思いの人が、各々ワイン造りに携わっているから、なんですね。

ワインを特徴づけるものとして、品種や産地や生産年、熟成期間、さらに生産者(=造り方)がありますが、ワインの種類が多すぎてよくわからない!となる原因は、まさにココにあるわけです(汗)

ですが、基本的な醸造方法を知った上で、特殊な造り方をした「知っているワインとは違うワイン」に出会った時に、また感動もあったりするのです。そんな感動に1回でも多く出会えることを願っています!

 

ワインの造り方から見る、色合いと味わい~ロゼワイン・オレンジワイン編

ワインって実はカラフルなお酒。カクテルには適わないけど、赤に白にピンクにオレンジ、最近はブルーのワインも存在します。

前回は、赤ワインと白ワインの違いを、醸造の観点から掘り下げてみました(ワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編)。今回は、ロゼワインとオレンジワインに迫ってみたいと思います。ピンクやオレンジの色の違いも、醸造方法と密接な関りがありそうです。

カラーバリエーション豊富な「ロゼワイン」の3つの造り方

色みも味わいも、赤ワインと白ワインの中間にあるロゼワイン。造り方も赤ワイン的な造り方と白ワイン的な造り方の両方があり、どちらの造り方を採用するかによって、できるロゼワインの特徴は変わってきます。

ロゼワインは基本、「黒ブドウ」を使って造るワインです。その造り方は、実は3つの方法があります。まずは、簡単な図解でその違いをチェックしてみましょう!

ロゼワインの造り方 その①:赤ワイン的造り方(セニエ法)

赤ワインは、収穫されたブドウの実を破砕して、大きなタンクで発酵・醸しを行いました(詳しくはワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編を参照)。赤ワインよりもこの「醸し」の時間を短くして、発酵・醸しの途中でタンク下から一部の未熟なワインを抜き取り、別のタンクで再度発酵させる造り方が「セニエ法」です。

セニエは「血抜き」という意味。意味を知るとちょっと怖いですね…

赤ワイン的造り方の「セニエ法」では、比較的色味も濃く、味わいもベリー系の香りが濃厚で、赤ワイン寄りの特徴が表れています。

ロゼワインの造り方 その②:白ワイン的造り方(直接圧搾法)

白ワインは収穫されたブドウの実をプレスして果汁を得て、その果汁を発酵させました(詳しくはワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編を参照)。白ブドウではなく黒ブドウをプレスして、その果汁を発酵させる造り方が「直接圧搾法」です。プレスの強弱により、ワインの色合いの濃淡が変わります。

白ワイン的造り方の「直接圧搾法」では、淡いパステルピンクやサーモンピンクといった色みで、香りも繊細、すっきりとした爽やかな味わいのものが多く、より白ワインに近いロゼワインになります。

ロゼワインの造り方 その③:黒白混合の赤ワイン的造り方(混醸法)

黒ブドウと白ブドウを混ぜて発酵させる方法。この造り方のロゼワインはそんなに多くはありませんが、ドイツで造られる「ロートリング」というワインが有名です。

ロートリングは、ドイツのワイン法では「ロゼワイン」のカテゴリーには入らないのに、「混醸法ロゼワイン」の代表的なものとして扱われるフシギ…。

混醸法で造られるロゼワインは、黒ブドウのふくよかさと白ブドウの爽やかさが調和した味わいのワインになります。

ロゼワインの造り方 例外的造り方(ワインのブレンド)

上記3つの造り方には当てはまらない「ロゼワイン」が1つだけあります。それはシャンパンのロゼ。

シャンパンは、ワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編でも触れた通り、「ブラン・ド・ノワール」という、黒ブドウ100%で造る白のシャンパンがありますが、それとは別にロゼのシャンパンもあります。

現状のEUのワイン法では、「赤ワインと白ワインのブレンド」は禁止されていますが、シャンパーニュ地方は、法律が整う以前から「伝統的に」赤ワインと白ワインのブレンドでロゼ(スパークリング)ワインを造ってきているので、例外的に認められています。ですので、ロゼ・シャンパーニュだけは、第四の製法「赤ワインと白ワインのブレンド」となります。

ただし、すべてのロゼ・シャンパーニュがこのブレンド方式で造られるわけではなく、セニエ法で造られるロゼ・シャンパーニュもあります。

エシュ&バニエ / コトー・デクス・アン・プロヴァンス ロゼ 2018
産地
フランス / プロヴァンス地方 / コトー・ド・エクサンプロヴァンス
品種
グルナッシュ60%、サンソー40%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムライト
トイスナー / サルサ ロゼ 2018
産地
オーストラリア / 南オーストラリア州 / バロッサ・ヴァレー
品種
グルナッシュ39%、マタロ(ムールヴェードル)36%、モンテプルチアーノ25%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムフル

新しくて古い!?「オレンジワイン」の造り方

何年か前、初めて「オレンジワイン」というワードを聞いたとき、フルーツのオレンジで造る果実酒かと思った記憶があります。日本にはヨーロッパのような「ワイン法」がないので、ブドウ以外で造る果実酒も「ワイン」と気軽に呼ばれることもあり、その類かなと思っていたら「ブドウで造るオレンジ色をしたワインだった!」と驚きました。

実際にはオレンジ色というよりは琥珀色に近い、くすんだオレンジ色をしています。「オレンジワイン」と呼ぶのは日本ぐらいで、ヨーロッパでは「アンバーワイン」と呼ばれます。

そんな「オレンジワイン」は、白ブドウで赤ワインの造り方をしたワイン。つまり、通常白ワインの醸造では行わない「醸し」を行うのです。(詳しくはワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編を参照)

赤ワインは、醸しを行うことによってワインに色が付き、タンニンが抽出されました。オレンジワインは、白ブドウを使います。白ブドウの果皮には黒ブドウに含まれる赤紫の色素、アントシアニンが含まれないので、果皮を漬け込んでも赤紫色の液体にはなりません。代わりに、黄色系の色素を抽出するので、オレンジ色のワインになるのです。

果皮だけではなく当然「種」も一緒に漬け込みます。種からは渋み成分であるタンニンが抽出されるので、このオレンジワインにも、量の多少はあるにせよタンニンが含まれます。

このオレンジワイン、現在は日本でも「甲州」というブドウから造られていたりしますが、ブームになったきっかけは、イタリア・フリウリ州で造られるようになり、そのワインが評価を受けて世界中で有名になったこと。このイタリアの醸造家は、様々な醸造方法を試している中で、ジョージアで伝統的に造られるオレンジワインに出会ったそうです。

そう。2000年代以降ブームになっている「オレンジワイン」は、なんと8000年前にジョージア(グルジア)で造られていたワインなんです。

マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ 2018
産地
ジョージア / カヘティ地域
品種
ムツヴァネ100%
タイプ
オレンジワイン - 辛口 - ミディアムフル
2015 リボッラ・ディ・オスラヴィア/プリモシッチ
産地
イタリア・フリウリ ヴェネチア ジュリア州
品種
リボッラ・ジャッラ
タイプ
ミディアムフル辛口 オレンジ

おまけ~ブルーワインの青色は、〇〇の色

濃淡の違いはあれど、基本的にワインの色は「赤」「白」「ピンク」「オレンジ」の4種類。しかしもう1種類、「ブルーワイン」というものも世の中には存在します。

2015年、スペインのスタートアップ企業が発売した「gik(ジック)」という名のワイン。造ったのはグラフィック・デザイナーやDJ、マーケティングの専門家などの20代のメンバー。伝統産業であるワイン業界に「革新」を仕掛けるかのように「飲む人に自由な発想を」というコンセプトで青いワインを造り上げました。

発売当時、世界中で話題になり、様々なメディアにも取り上げられ、一気に人気になりました。その後、その反響を見て…かどうかはわかりませんが、スペイン国内にとどまらず、フランスでもアメリカでも、そして日本でも「ブルーワイン」は造られるようになりました。

ブルーは「幸せを呼ぶ」色とされているので、その見た目の意外性も相まって、贈答用に購入されたり、結婚式でふるまわれることが多いそうです。

そんなブルーワイン、噂には聞いていましたが飲んだことがなかったので、この機会に飲んでみました!

今回飲んだのは、フランス・プロヴァンス地方で造られた「ラグーン・ブルー」。ソーヴィニヨン・ブラン100%のスパークリングワインです。夏の地中海を思わせる、鮮やかなブルーが美しいワインですが、この色は着色料で色付けされています。

黒ブドウにも白ブドウにも、ワインを青くする色素成分はないため、「ブルーワイン」の青い色は、別の植物の色素を使って着色しています。インディゴだったりブルーベリーだったり。先述の「gik(ジック)」は、黒ブドウに含まれるアントシアニンとインディゴでブルーの色を出しています。なので、「ラグーン・ブルー」よりももっと濃いブルーで、サファイアのような色合いです。

「ラグーン・ブルー」は、ソーヴィニヨン・ブランという白ブドウから白ワインを造り、そこに「青色1号」で着色して炭酸ガスを注入して造られた「ブルースパークリングワイン」。気になるお味ですが…アプリコットのような香りがフルーティで、酸はほとんどなく、アルコールも低めなので、カクテルのような感覚で飲めるワインかなと思います。ただ、ワイングラスに入れた光景が…ブルーの液体が見慣れないせいかちょっと異様な雰囲気に感じてしまいました(汗)。

五感プラス知的好奇心を満たす「ワイン」

色から見るワイン、いかがでしたでしょうか?ブルーワインは別にして、ワインの「色」は、品種や産地、醸造方法、それらから導き出される風味など、飲む人にいろんな情報を与えてくれます。今回は、醸造方法にスポットを当ててみました。

ワインは飲み物なので、「おいしい」「まずい」「苦手」「好き」といった感情だけで楽しむことも大いに結構です。いや、むしろこれがベースです。でも「なんで赤いんだろう?」「なんでこんな色をしているんだろう」とちょこっと疑問に思うだけで、ワインの世界の面白さに触れることができます。

「おいしい」と「面白い」を併せ持つワイン。尽きることない好奇心が、このお酒の魅力の一つなのは、間違いありません。

ワインの造り方から見る、色合いと味わい~赤ワイン・白ワイン編

突然ですが、クイズです。

赤ワインと白ワインの違いは何でしょう?

―――色でしょ?赤と白。

 

では、その色の違いができるのはなぜ?

―――原料となるブドウの色の違い。巨峰のような皮の黒い(濃い紫色)ブドウから造られるのが赤ワイン、シャインマスカットのようなグリーンっぽい色のブドウから造られるのが白ワイン。

確かにそうなんですが、では、皮の黒い(濃い紫色)ブドウから造られる白ワインはないのでしょうか?

―――・・・。

ワインには様々な「色」があります。その色の違いによって、味わいもそれぞれですよね。「赤ワインは渋い、白ワインは酸っぱい、ロゼワインは赤ワインの薄いバージョン?オレンジワインは…飲んだことないかも。」そんなイメージを持っている方、意外と多いのではないでしょうか。

そこでこの度、「ワインの色」から、そのワインの特徴を2回に分けてお伝えします。今回は「赤」と「白」。次回は「ピンク(ロゼ)」と「オレンジ」。色の違い、風味の違いがどこから来るのか、「ワイン造り」という観点から掘り下げてみたいと思います。

ワインの分類

一般的に「ワイン」と呼ばれるお酒には、大きく分けて4種類あります。発泡性の「スパークリングワイン」、発泡のない「スティルワイン」、酒精強化した「フォーティファイドワイン」、薬草や果実、甘味料などで風味付けした「フレーヴァードワイン」の4つ。これらはそれぞれ、醸造方法が違うので4種類に分類されています。

そのうち「スティルワイン」は、色ごとに「赤ワイン」「白ワイン」と呼ばれています。ピンク色をした「ロゼワイン」や、最近流行している「オレンジワイン」などもありますね。

ワインは、数あるお酒の中で最も単純に造られるお酒ですが、スティルワインは上記4種類の中でも一番ベーシックな造りのワインです。語弊を恐れずに一言で言うと、ブドウを潰して発酵させるだけ。

けれども「潰す」工程、「発酵」させる工程が微妙に違うだけで、「赤ワイン」になったり「白ワイン」になったり、「ロゼワイン」になったり「オレンジワイン」になったりするんです!

ワインの色は、原材料の違い(だけ)ではなかった!

ブドウには果皮の色の違いで「黒ブドウ」と「白ブドウ」があります(※)。基本的には、黒ブドウから赤ワインが、白ブドウから白ワインが造られますが、中には稀に、黒ブドウから白ワインが造られることもあります

スティルの白ワインは、お目にかかる機会が少ないかもしれませんが、でも実は、おそらく多くの人がこの「黒ブドウから造る白ワイン」を飲んだことがあると思います。

それは「シャンパン」です。

シャンパンの中でも「ブラン・ド・ノワール」と呼ばれるものは、黒ブドウから白ワインを造り、それを瓶内二次発酵させてスパークリングワイン(シャンパン)にしたものです。「ブラン」は「白」、「ノワール」は「黒」という意味のフランス語。黒(ブドウ)の白(ワイン)という意味です。

つまり「赤ワイン」と「白ワイン」の違いは、原材料であるブドウの果皮の色の違いだけではない、ということです。

※厳密には、黒でも白でもない「グレー」というブドウも存在します。グレーの意味そのまま「グリ系品種」といい、代表的なものにアルザス地方で造られる「ピノ・グリ」(イタリアではピノ・グリージョ、ドイツではグラウブルグンダー)や日本の「甲州」などがあります。グレーというより藤色の果皮で、白ワインが造られます。

アンリ・ジロー / コード・ノワール ブリュット N.V.
産地
フランス / シャンパーニュ地方 / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ / アイ
品種
プティ・ドレ(ピノ・ノワール)100%
タイプ
シャンパーニュ - 辛口 - ミディアムフル

ワイン造りの違いを「ザックリ」図解!

では、赤ワインと白ワインを分けるものは何かというと、醸造方法の違いになります。それぞれの造り方をざっくりと図解します。

赤ワインの造り方

白ワインの造り方

「醸し」工程の有無の違いが赤ワインと白ワインを分ける

赤ワインと白ワインは、発酵と圧搾(プレス)の順番が違うということがお分かりでしょうか。なぜ順番が違うのか、それは「醸し」の有無があるからです。「醸し」とは、果汁の中に果皮、果肉、種を漬け込んでおくこと。赤ワインではなぜ「醸し」があるのかというと、「赤」ワインにするためです。

黒ブドウでも白ブドウでも、果汁・果肉は「白い」のです。なので、果皮を果汁に漬け込む(醸す)ことによって色が付き、種を漬け込む(醸す)ことによって、ワインに渋みがもたらされます。

つまり、果汁のみを発酵させるのか、果汁と果皮、果肉、種を一緒に発酵させるのかの違いによって、赤ワインになるのか、白ワインになるのかが決まる、ということです。

もしかしたら、黒ブドウから造られる白ワインがあるなら、白ブドウで「醸し」をするワインはないの?という疑問が生まれるかもしれません。

あります。

それが、「オレンジワイン」です。

オレンジワインに関してはワインの造り方から見る、色合いと味わい~ロゼワイン・オレンジワイン編をご覧ください。

造り方の微妙な違いによって、見た目の色も味わいも全く違うワインになる不思議。今回はざっくりとした醸造工程をお話ししましたが、もっと細かい、各工程の「やる、やらない」によって、さらに微妙な味わいの変化が楽しめるのが、ワインの奥深いところではないでしょうか。

そんな奥深さにズブズブとハマりゆく人が、今も絶えず存在するのが、ワインの世界です。

2018 スリー・シーヴズ・カベルネ・ソーヴィニヨン/スリー・シーヴズ
産地
アメリカ・カリフォルニア州
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
タイプ
ミディアムライト辛口 赤
ダッシュウッド / マールボロ ピノ・ノワール 2019
産地
ニュージーランド / マールボロ地方
品種
ピノ・ノワール100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムライト
2018 レセルバ・シャルドネ/ヴェンティスケーロ
産地
チリ
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 白
ヴィラ・マリア / プライベート・ビン ソーヴィニヨン・ブラン 2020
産地
ニュージーランド / マールボロ地方
品種
ソーヴィニヨン・ブラン100%
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!

 

外食…家庭の外で飲食をすること。基本的には入った飲食店で、食事もドリンクも提供していただきますが、最近、飲食店にワインを“持ち込んで”食事を楽しむことが流行っているようです。

「えっ!?どういうこと!?」と思う方のために、“ワインの持ち込み”にまつわるアレコレを、基本的なことから、ふと気になることまで、10の質問に徹底的に答えます! 

Q1.「ワインを持ち込む」って、どういうこと?

文字通り、飲食店に、自分のワインを持参することです。お店の料理と自分のワインを楽しむことが目的です。

“飲食店へのワインの持ち込み“は、オーストラリアで始まった飲食店のサービスと言われています。当時、アルコール販売の免許を持てなかったオーストラリアでは、食事と一緒にアルコールを楽しみたいお客さんのために「好きなお酒を持ってきて、うちの自慢の料理を楽しんでください」というサービスを始めたんですね。現在では、免許の有無を問わず、広くオーストラリア中に広がって一つのワイン文化となっています。

その文化が、日本でも定着しつつあるのです。

Q2.飲食店にワインを持ち込む人って、どんな人?

どんな人でも可能ですが、ワインが好きで、お気に入りのワインがある人が飲食店に持ち込んで料理と一緒に楽しんでいることが多い印象です。思い出深いヴィンテージ(=造られた年)のワインを、ゆかりの人と楽しんだり、とあるテーマに沿ったワインを持ち込んでワイン会をしたりと、様々なシーンで楽しまれています。

まだまだ自分でワインを選ぶことに不安を覚える“初心者さん”には、ハードルが高いように思えるかもしれませんが、以前飲んでおいしかったワインを、ショップやECサイトで探して購入し、飲食店に持ち込んでみましょう。一緒に飲む人からも「おいしい!」と賛同を得られたら、ちょっとうれしくなりますよ。

Q3.「抜栓料」ってなに?

ワインの持ち込みの際、よく聞く言葉が「抜栓料」。言葉の意味としてはワインの栓(コルクなど)を抜く料金ということですが、栓を抜くということは、グラスにワインを注いで飲むということ。

グラスを使用するということは、それを用意する人もいれば、使用後に洗浄する人もいます。店側は、客の不注意でグラスが破損してしまうリスクも抱えています。場合によっては客自身でやることもあるかもしれませんが、抜栓はお店の方がしてくれます。これも一つのサービスです。これら総じて「抜栓料」としてお店側が設定しています。

お店によって「1人〇〇円」としていたり「1本〇〇円」としていたり、コース料理を注文の方に限る、のような条件がついていたりと様々です。

WINE@では、「抜栓料」を「持ち込み料」と表記させていただいています。そしてその料金は、1本あたりの料金に統一させていただいております。

Q4.事前に予約はしている。ワインを持ち込む話はしていないが、予約当日に持ち込んでもいい?

ワインを持ち込む場合は、事前にお店に伝えておきましょう。日本では、ワインを持ち込む人がじわじわ増えてきているとはいえ、まだまだ市民権を得ているほどメジャーではありません。持ち込みをNGにしている飲食店もあります。気心知れた常連店ではない限り、事前に確認してから持ち込むことがマナーです。

Q5.事前にワインをお店に持っていく(もしくは発送しておく)ことは可能?

本数や預かり日数などはお店ごとに異なるので、予約する際などに事前に確認しましょう。お店のセラーや冷蔵庫にもキャパシティがあります。3本ならいいけど10本はダメ、2日前なら可能だけど1週間前は厳しいなど、状況によってできることとできないことがあります。具体的に事前に相談することをおすすめします。

Q6.抜栓はお店の人がしてくれるの?

お店によります。また、抜栓するワインにもよります。

古いヴィンテージの、コルクがもろいようなワインは、ベテランのソムリエが居るようなレストランでは、対応してくれるかと思います。しかし、ワインの扱いに慣れていないスタッフしかいない飲食店では、対応できないこともあります。その場合は、持ち込んだ方自身で抜栓をする場合もあります。

抜栓料は飲食店によって様々ですが、そのようなサービスの差もあって、金額に差があると思ってもらえるといいかもしれません。

Q7.古いヴィンテージのブルゴーニュを持ち込みしたいと思っているが、ワインに見合うグラスはあるのかな?

お店によりますので、事前に、どんなグラスがあるのか確認しておきましょう。

Q8.持ち込みは何本でも構わないの?

当日“手持ち”で持参する場合は、制限を設けているかどうかはお店によりますので、予約時などに予め確認しておくとよいでしょう。ただ、基本は「飲みきれる」本数を持ち込むようにしてください。

“配送”などで、事前にお店で保管してもらう場合は、保管場所のキャパシティがあるので、制限がある場合が多いでしょう。発送する前に確認してから送りましょう。

Q9.空いたボトルは処分してくれるの?持って帰ってもいいの?

空きボトルはお店で処分してくれます。それも「抜栓料」に含まれると思っていいでしょう。逆に、記念に持ち帰りたい場合もあるかと思いますが、それも可能です。

Q10.飲みきれずに余ったワインは持って帰れるの?

持ち帰りは可能です。ただし、持ち帰り用の袋などはお店で用意していないと思いますので、ご自身で準備してください。

抜栓してボトルに残ったワインをお店の人に「おすそ分け」的に飲んでいただくのも失礼ではありません。ワイン好きなスタッフであれば、お店で取り扱っていないワインをテイスティングできることになるので、喜ばれると思いますよ。

まとめ

最近は、ワインの持ち込みを歓迎している飲食店もじわじわ増えてきています。初めてのことは誰でも不安に思ったりドキドキしたりしますが、やってみたら意外と難しくなく、思いのほか楽しめるものです。あなたなりの“ワインの持ち込み”の楽しみ方を、ぜひ見つけてみてくださいね。

手持ちするのが重かったり面倒…と思う人は、WINE@オンラインショップの直送サービスを利用すると便利です。

 

【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ

外食…家庭の外で飲食をすること。基本的には入った飲食店で、食事もドリンクも提供していただきますが、最近、飲食店にワインを“持ち込んで”食事を楽しむことにも注目が集まっているようです。

なぜ、飲食店にあるワインを飲むのではなく、自分で持ち込むのでしょうか。

ワインを持ち込むことの利用者側のメリットや飲食店側のメリット、持ち込む際のマナーや注意点などを、利用したことのある人の声なども交えながら、わかりやすく説明します。

ワインを持ち込む」って、どういうこと?

文字通り、飲食店に自分のワインを持参することです。お店の料理と自分のワインを楽しむことが主な目的です。

“飲食店へのワインの持ち込み“は、オーストラリアで始まった飲食店のサービスと言われています。当時、アルコール販売の免許を持てなかったオーストラリアでは、食事と一緒にアルコールを楽しみたいお客さんのために「好きなお酒を持ってきて、うちの自慢の料理を楽しんでください」というサービスを始めたんですね。英語で言うと”Bring Your Own“。略してBYOとも呼ばれています。

現在では、免許の有無を問わず、広くオーストラリア中に広がって、BYOは一つのワイン文化となっています。その文化が、日本でも定着しつつあるのです。

飲食店へのワインの持ち込みがおすすめなワケ

以前、ワインに関するアンケートを行ったことがあります。従事する職業にかかわらず様々な人に、ワインを購入する主な場所や飲む頻度、飲食店にワインを持ち込んだことがあるかどうかなどをヒアリングしました。

その中で、ワインの持ち込みを「する」側の理由で圧倒的に多かったのは、「自分の好きなワインを飲みたいから」でした。「大切なワインをお店の料理とサービスで飲みたいから」という理由も多くありました。

つまり、ワインを持ち込みする利用者側の一番のメリットは「自分の飲みたいものが飲める」ということ。

では、自分の好みもまだわからないというワイン初心者には無縁なサービスなのかというと、そんなことはありません。自分の好みを探る旅をしている人はきっと、品種の飲み比べなどをしているはず。その飲みたい品種のワインが、行くお店にない可能性もあります。

「自分の飲みたいもの」が意味するのは“品種の飲み比べ”だけではありません。記念日のお祝いに記念年のヴィンテージのワインで乾杯したい人もいれば、自分のお気に入りのワインを友人にも飲んで欲しくてふるまうという場合もあります。またお店のアノ料理に自分の持っているこのワインを合わせてみたい、という探求心旺盛な人もいるでしょう。

記念日のリッチなディナーでも、ワイン好きが集まるワイン会でも、相手の好きなワインをふるまう接待でも、常連店での一人飲みでも、どんなシーンでも利用可能なのが、“飲食店へのワインの持ち込み”なのです。

ワインの持ち込みを歓迎する飲食店、実は意外と多いんです

「利用者側には様々なメリットがあることがわかったけど、受ける飲食店側には迷惑は掛からないのかな?」そう心配する方もいらっしゃいますね。先のアンケートでも、お店に気を遣う、悪いと思うから持ち込みはしない、という意見もちらほらありました。

マナー違反のワインの持ち込みはお店側も困惑してしまいますし、お店でラインナップしたワインを飲んでほしい、という飲食店も確かにあります。

しかし「ワイン持ち込み歓迎!」の飲食店って意外と多いんですよ。なぜなら飲食店の多くが、「料理がメインでお酒はサブ」という意識があるので、「料理を食べに来てほしい」という思いが強くあるのです。

「持ち込みOKにすることによって、多くのお客様に当店を利用し食事を楽しんでいただけるのならうれしい限りです」という飲食店の意見も実際にあります。まだまだワインの持ち込みをする人も多くはないので、持ち込みがきっかけでお客様とのコミュニケーションが増え、お店の利用頻度も増えたという話も。

WINE@は、そんな飲食店をご紹介するサイトです。

まずは、持ち込み可否を確認しよう!

それでは、ワイン持参で突然来店してもいいのか、というとそれは「迷惑な客」になりかねません。友人宅に手土産持参でアポなしで行くようなものです。

もちろん「友人」と違い、飲食店はいつでも門戸を開放していますが、ワインの持ち込みとなると話は違います。先述の通り、持ち込みOKなお店とNGなお店があるので、まずはそのお店が、持ち込みが可能なお店かどうかの確認がまず必要です。

なので持ち込みたいときは、お店を予約する際にその旨を伝えましょう。なんらかの「条件」がある場合は、その時にお店側から提示があるはずです。例えば、抜栓料は「1本あたり〇〇円」とか「コース料理オーダーの方は抜栓料無料」とか、また「グラスは1人1脚まで」という場合もあります。その条件を満たした中で、自分の選んだワインを楽しんでください。

年代物や希少価値の高いレアなワインを持参した場合は、是非そのワインを少し、お店の方にもふるまうようにしましょう。ワインを扱っている飲食店であれば、ワイン好きなスタッフが多いはず。なかなか飲めないワインを一口でも味わえる貴重な機会に感激し、きっと喜んでくれるでしょう。

レアなワインじゃなくても、そのお店にラインナップされていないワインをテイスティングできることは、スタッフの方にとって勉強になります。

また、冷やして飲みたいスパークリングワインや白ワインなどは、自分で冷却しておかない限りお店に着いてすぐに提供してもらうのは難しいですね。なので、利用する前日や数時間前に持ち込んで冷やしておいてもらえるか確認し、可能であれば事前に持ち込みましょう。

WINE@では、「抜栓料」を「持ち込み料」と表記させていただいています。そしてその料金は、1本あたりの料金に統一させていただいております。

ぜひあなたらしい楽しみ方を!

持ち込む飲食店への最低限の気遣いがあれば、気楽に楽しめる“ワインの持ち込み”。ぜひあなたらしい楽しみ方を開拓してみてください。

手持ちするのが重かったり面倒…と思う人は、WINE@オンラインショップの直送サービスを利用すると便利です。