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イタリアの3種のスプマンテ【プロセッコ、アスティ、ランブルスコ】がコスパで世界を席巻中!

2021.1.21

家飲みでもシュワシュワっとしたスパークリングワインを楽しむ人が増えてきました。パーティーやお祝いといった特別な場ではシャンパン!となるかもしれませんが、普段の家飲みならリーズナブルなものを選びたい…という需要を捉えて、スーパーやコンビニでも売られているスペインの「カバ」が一般的になりました。

でも、ちょっと待って。お手頃なスパークリングはカバだけじゃありません。ワイン好きなら他の選択肢も知っておいてほしいということで、今回はイタリアの3種のスプマンテに注目

プロセッコ、アスティ・スプマンテ、ランブルスコという3種それぞれの“基本のキ”を学びつつ、製法の特徴や他のスパークリングワインとの違いもレクチャーします。

これまでに紹介してきたスパークリングワインのことを知りたい方は、以下の記事も併せてお楽しみください。

■何が違うの!?~シャンパン、クレマン、カバ、フランチャコルタ

■「カバ」?「カヴァ」?コスパ最高&家飲みの味方、スペインのスパークリング「cava」を極める

世界売上No.1のスパークリングが【プロセッコ】だって知ってた?

シャンパンと同じ製法で造られる「フランチャコルタ」をはじめ、イタリアにはいろいろなスパークリングワインがありますが、イタリアで、いや世界で一番楽しまれているのがプロセッコ(Prosecco)。すでにシャンパンやカバを超え、世界No.1の売上を誇るスパークリングワインとなっています。(2021年:プロセッコDOC保護協会報告)

1本1,000~2,000円で買えるものが多く、生産量では、日本ですでにメジャーとなっているカバの約2倍というのですから、コストパフォーマンスの点からも、カバに匹敵するスパークリングワインとして、これからもっと日本で広まる可能性大です。

11度ほどというアルコール度数で、リンゴや白桃、白い花などを思わせる香りがあり、味わいはほのかな甘みも感じられますが、酸が効いたフレッシュな辛口。微発泡のもの(フリッツァンテ)もありますが、泡はしっかりめのスプマンテが多く、シュワシュワ感とともに、後味に感じるかすかな苦味がアクセントとなって、「もう一口、もう一口」と飲み進むうえ、どんな食事とも相性抜群です。

生まれ故郷は、水の都“ヴェネツィア”があるヴェネト州からフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州にかけてのエリア。かつて「プロセッコ」という名前で呼ばれていたグレーラ種というブドウが主要品種(85%以上使用)で、計3種の原産地呼称があります。

ヴィーニャ・ドガリーナ / プロセッコ ミレジマート 2019
産地
イタリア / ヴェネト州
品種
グレラ100%
タイプ
スパークリングワイン - 辛口 - ライトボディ

プロセッコはロゼにも注目!

プロセッコの中でも、2020年秋に日本初登場となったのが、ロゼ。

プロセッコDOCロゼは、スプマンテのみ。フリッツァンテ(微発泡)やスティル(無発泡)はありません。品種は、グレーラ(85%以上)とピノ・ネーロ(10〜15%)から造られ、収穫年が同じブドウを85%以上使用する決まりがあるため、常に「ミレジマート(年号入り)」となります。

見た目にも華やかなので、これからきっと人気が高まっていくことでしょう。

(資料提供:イタリア大使館貿易促進部)

甘めが好きな人は【アスティ・スプマンテ】を試してみよう

「甘めのシュワシュワが好き!」という方におすすめなのは、アスティ・スプマンテ(Asti Spumante)アルコール6〜9.5度とあって、あまりワインを飲み慣れていない人にも人気なうえ、食前酒にもデザートワインにもなるというスパークリングワインです。

こちらも1本2,000円程度で買えるものが多く、お手頃感は十分!モスカート・ビアンコ種、つまり日本でもおなじみの「マスカット」を原料としたものが多く、「まさにマスカット!」という香りがしっかり。イタリア北部ピエモンテ州のアスティ周辺で造られていて、原産地呼称も最高格付のDOCGを取得しています。

アスティ・スプマンテの他に、微発泡タイプの「モスカート・ダスティ」、遅摘みブドウから造られる泡無しの「ヴェンデミア・タルディーヴァ」など、姉妹のようなワインもあり、2017年の規定改定によりやや辛口の「アスティ・セッコ」と呼ばれるものも登場しています。

イタリアの美食好きなら絶対にハズせない【ランブルスコ】

パルマの生ハム、イタリアチーズの王様“パルミジャーノ・レッジャーノ”、伝統的なバルサミコ…エミリア・ロマーニャ州は、まさにイタリアの美食の宝庫!そんな土地で造られているのが赤のスパークリングワインランブルスコ(Lambrusco)です。

幅はありますが、こちらも1本1,000〜2,000円のものが多く、アルコール度数も10%前後。伝統的な田舎方式(古代方式)で造られるものは、泡がやさしいフリッツァンテに分類され、現地では昔はワイングラスではなく、お椀のような器で飲まれていました。

ランブルスコには、白やロゼもありますが、基本は“赤スパークリング”。「ランブルスコ・〇〇〇」という名前のブドウ品種がたくさんあり、それらを原料に造られます。

ランブルスコにはDOCやIGTの原産地呼称がありますが、その多くは果実味がしっかりあって、渋みは少なめ。伝統的なランブルスコは辛口でしたが、アメリカで甘口のものが爆発的な人気となったこともあり、やや辛口のセッコ(secco)、やや甘口のアマービレ(amabile)、しっかり甘口のドルチェ(dolce)などのバリエーションがあります。

NV ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェートロ・セッコ
産地
イタリア・エミリア ロマーニャ州
品種
ランブルスコ・グラスパロッサ
タイプ
ライトボディ辛口 スパークリング(赤)
NV ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェートロ・アマービレ
産地
イタリア・エミリア ロマーニャ州
品種
ランブルスコ
タイプ
ライトボディやや甘口 スパークリング(赤)

カジュアルでおいしい泡を!イイトコどりの製法【シャルマ方式】

プロセッコ、アスティ・スプマンテ、ランブルスコ。カジュアルでお財布にもやさしいスプマンテに共通する製法が、シャルマ方式です。

“シャルマ”は発案者の名前から来ていますが、他にも「キューブ・クローズ製法」「密閉タンク方式」「マルティノッティ方式」などとも呼ばれる製法です。

一次発酵を終えたワインを大きなタンクに密閉し、その中で糖分と酵母を加えて二次発酵させて造るのが、このシャルマ方式。タンク内での二次発酵ということで密閉率が高いこともあり、モスカートなどのブドウのアロマをしっかりと残すことができるという特徴があります。

そして、出来あがったものを瓶詰めして出荷するので、シャンパンなどの瓶内二次発酵の製法(伝統方式)と比べると、手間暇も時間もコストも大幅に削減。コスパ抜群のスパークリングワインには持ってこい!というわけです。

※瓶内二次発酵の製法(伝統方式)について知りたい方は、以下の記事も併せてお楽しみください。

■何が違うの!?~シャンパン、クレマン、カバ、フランチャコルタ

とは言え、泡のきめ細やかさや瓶内二次発酵ならではの風味、高級感あるイメージなどを求めて造られるプロセッコやアスティもあります。そんなスプマンテたちは、シャンパンと同じ瓶内二次発酵の製法で造られ、Metodo Classico(メトド・クラシコ)Metodo Tradizionale(メトド・トラディツィオナーレ)rifermentazione in bottiglia(リフェルメンタツィオーネ・イン・ボッティーリア)といった表示がラベルに記載されていることがあります。

余談になりますが、ドイツのスパークリングワイン「Sekt(ゼクト)」も同様。モスカートと同じく、アロマティックな品種であるリースリングを原料とするものが多いため、シャルマ方式が多く用いられています。

ただし、生産者が自家栽培したブドウを自家醸造もしくは専門業者に委託してゼクトに仕立てた「Winzersekt(ヴィンツァーゼクト)」は、瓶内二次発酵の伝統方式(シャンパン製法)と決まっています。

基本は3種!スパークリングワインの製法を整理しよう。

伝統方式(シャンパン製法)シャルマ方式(キューブ・クローズ製法)、そしてランブルスコにも用いられる田舎方式(古代方式)の3種が、スパークリングワインの主な製法になります。

EUの基準では3気圧以上のものを「スパークリングワイン」と定めていますが、ここでは「スパークリングワイン=発泡性のあるワイン」ということで進めていきたいと思います。泡の強さ(ガス圧)や製法、また国によってスパークリングワインは呼び名がたくさん!そこで、主だったものを上記の一覧にまとめてみました。

有名なスパークリングワインは知っておいていて損なし!ぜひ以下の記事も併せてチェックしてみてください。

■何が違うの!?~シャンパン、クレマン、カバ、フランチャコルタ

■「カバ」?「カヴァ」?コスパ最高&家飲みの味方、スペインのスパークリング「cava」を極める

スパークリングワインの製法には、基本の3種以外にも2つの方式がある!

伝統方式(シャンパン製法)、シャルマ方式(キューブ・クローズ製法)田舎方式(古代方式)の3つ以外にも、スパークリングワインの製法はありますので、ここで紹介しておきましょう。

炭酸ガス注入方式

ソフトドリンクの炭酸飲料と同じように、加圧下のタンクに液体(ワイン)を入れ、炭酸ガスを直接吹き込む方式です。シャルマ方式以上に、手間も時間も削減できる手法で、安価なスパークリングワインを造ることができます。荒々しい泡のスパークリングになりますが、昨今の技術の発展により、きめ細かな泡のものも造れるようになってきています。

トランスファー方式

伝統方式と同様に瓶内二次発酵させたワインを、一度、加圧下のタンクに開け、冷却、濾過してから新しいボトルに詰め替えるという方式です。ルミュアージュ(動瓶)とデゴルジュマン(澱抜き)の作業が不要となるため、“伝統方式の簡略版”と言える製法です。

味よし、価格よし、バリエーションよし!三方よしのスプマンテたち

製法もスタイルも多様化しているスパークリングワインですが、今回は、日本でもますます注目を集めるイタリアのスプマンテをテーマにお伝えしました。

コスパ抜群なので家飲みにもピッタリ。おいしい料理があるとスプマンテの魅力は何倍にも膨らみます!ぜひワイン売場では「味よし、価格よし、バリエーションよし!」まさに“三方よし”というイタリア生まれのスプマンテもチェックしてみてください。

 

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WINE@MAGAZINE編集部
すべてのワイン好きのために、東奔西走!ワイン初心者のお悩みを解決したり、ワイン通のためのお役立ち情報を取材したり…と、ワインの世界を日々探究中。plus wine, precious life!
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