専門店はもとより、居酒屋でも家飲みでも人気の焼鳥。串と一緒に楽しむ酒と言えば、ビール、レモンサワー、ハイボール、日本酒あたりが定番かもしれませんが、ワインもなかなかのもの!中にはソムリエがいる焼鳥店もあって「串1本ごとに1杯のグラスワインを」なんていうサービスも提供されています。
そこで今回は、焼鳥に合うワインを選ぶ基本の法則からスタートして、焼鳥の代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に合うワインを紹介。最後に、BYOまでできてしまうという焼鳥店を厳選してご紹介します。
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。
気軽に“焼鳥ワイン”。パターンをちょっと知っておくだけで、ワインを持ち込みでおいしく楽しむことまでできるはず。では、基本の法則からまず始めましょう。
この記事の目次
【基本の法則】ポイントは5つ!
ペアリングのためにはいくつかの視点やポイントがありますが、それらを5つの基本法則でまとめてみました。
ポイント1:「色」を合わせる
白い焼鳥には白ワイン、赤茶の焼鳥には赤ワインといった単純な原則です。もちろん、それが絶対ではありませんが、ワインの知識がまだあまりないという方は、そこから始めてみましょう!ハツやレバーなどの肉の部位の色のみならず、塩orタレもこの「色合わせの法則」が概ね通用します。
ポイント2:「ボディ」を合わせる
さっぱりした部位なら、ライトボディのワイン。脂がジュワッと広がる部位なら、ミディアムボディのワインを…といった具合です。ボディ、つまり、鶏肉の脂分の度合いとワインの果実味やアルコールの度合いを合わせるのがポイントです。
ポイント3:「香り」を合わせる
炭火直焼の焼鳥であれば、樽熟成したワインがおすすめ。カラメルやトーストのような樽由来のワインの香りが、少し焦げた焼鳥の香ばしさとよくマッチします。
ポイント4:「味の度合い」を合わせる
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。これを基本の五味と言います。その焼鳥串がどんな味わいなのかに注目すると、相性の良いワインが選びやすくなります。後で、代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に具体例を紹介していきます。
ポイント5:「シュワシュワ」で押し通す
ビールやハイボールが好き!という方は「炭酸のシュワシュワがないと物足りない!」ということになりがち。そんな方は、まずはスパークリングワインでのペアリングなら入りやすいかと思います。高級な焼鳥店ならシャンパンでもいいですが、おすすめは辛口ロゼのカバ。コスパ&オールマイティーさ重視でお試しを。
…と、ここまでが基本の法則です。
なんとなく“イメトレ”ができたなら、それでOK!細かいことは後からまた振り返ってみればよいので、今度は焼鳥の代表的な5種のネタ(部位)のタイプ別に合うワインを具体的に探っていくことにしましょう。
【ささみしそ梅】ドライなロゼで梅のニュアンスも
ささみは、やわらかな食感で淡白な味わい。高タンパク低カロリーということもあって、老若男女に人気の串です。添えられる梅肉は酸味がしっかり、シソのさわやかな青い香りもアクセントになっています。
白くて、脂が少ないさっぱり串なので、ライトボディの白ワインも合いますが、おすすめはドライなロゼ。梅のニュアンスを引き立ててくれます。
【ねぎま・つくね】塩サッパリ系に、樽香なしの白
ねぎまは、店によってムネ肉とモモ肉のどちらを使っているか異なり、脂の度合いに差が出たりしますが、ポイントはネギ。青い野菜の風味がアクセントになっています。つくねも、細かく刻んだシソや生姜が練り込まれていることがありますね。
そんな塩サッパリ系で、少し野菜や薬味の風味がある串には、樽香がついていないソーヴィニヨン・ブランや甲州を。ステンレスタンク熟成でピュア&ストレートな味わいの白ワインは値段もリーズナブルなものも多くて、好相性です。
【手羽先・皮】脂ジュワ〜な塩串に、コク豊かな白
噛むとジュワ〜と鶏肉のジューシーな脂が広がる…そんな焼鳥が好きな人も多いはず。さらに炭火で焼き目がついた塩串なら、皮目の香ばしさとちょっとクリスピーな食感もたまりませんね。
脂のボディがしっかりあり、香ばしさも感じる塩串には、果実味も樽熟成の風味もある、ミディアムボディの白ワインがピッタリ。ブルゴーニュならマコン地区のものがいいですが、ここはカリフォルニアのシャルドネで、まずは合わせてみてはいかがでしょう。
【レバー】内臓串は、味つけの度合い次第で
新鮮さが命。焼鳥の内臓串の王者は、やはりレバーでしょう。塩で焼いたものやハツなどのあっさり系の内臓串には、ブルゴーニュのピノ・ノワールがよく合います。
一方、しっかりしたタレの味付けで、レバー特有のトロッとした食感が残る絶妙な焼き加減のものであれば、甘味やうま味もしっかりとした赤ワインを合わせたいところ。意外かもしれませんが、赤いベリーのジャムのような風味があるジンファンデルという選択肢もあり!です。
【ぼんぢり・ちょうちん】濃厚な希少部位のタレ串に、ボディある赤
鶏肉の希少部位の串も最近は人気。尾羽が生えている部分の肉「ぼんぢり」は、弾力ある食感で、脂の旨みがしっかり。また、卵の形になる前の卵黄の部分“きんかん”と付随する“ひも”を串にした「ちょうちん」は、トロリとした食感も味わいも濃厚で、どちらも甘辛いタレがよく合います。
パワーみなぎるタレ串には、渋みはやや控えめながらも果実味と骨格がある赤ワインを。スペインのテンプラニーリョ種やポルトガルの赤ワインがおすすめです。
焼鳥の5種のネタ(部位)のタイプ別でご紹介してきましたが、焼鳥も鶏肉料理の一つ。料理とワインのマリアージュやペアリングの基本を知っている方なら、そう特別に考える必要はありません。
■基本を知りたいという方は、みんなが言う「マリアージュ」って何?ペアリングとどう違う?3原則&定番も一挙紹介!をチェック!
それでは、最後に“焼鳥×ワイン”のペアリングを実際に体験できる焼鳥店をご紹介しましょう。
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。
BYOもできる!おすすめの焼鳥店3軒
「色々と分かってきたから、自分で選んだワインを持ち込んで試してみたい!」という人にも、「とりあえず“焼鳥×ワイン”のペアリングを実際に体験してみたい!」という人にも楽しんでもらえる店を…。編集部ではそんな条件をもとに、3軒の焼鳥店を厳選しました。ぜひご活用ください。
■BYOの基本を知りたいという方は、以下の記事をチェック!
【飲食店へのワインの持ち込み】基本のキ
【飲食店へのワインの持ち込み】10の質問、徹底的に答えます!
手軽で便利!【WINE@】を活用してBYOを楽しむ方法
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置等が発出中は、酒類の提供の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。
とり鉄 三軒茶屋店
この店は、日本ワインが充実。常時40種ほどの銘柄を取りそろえ、グラスワインも日本ワイン。常時赤・白2種ずつ770円で提供。また、持ち込み料1本999円で、WINE@オンラインショップからの直送も可能です。
庄助(門前仲町)
門前仲町の路地裏に佇む焼鳥の老舗。サラリーマンが一人で食べ歩くあの有名グルメドラマにも登場した人気店で、名物は「串焼きつくね」。生ピーマンと一緒に食べるのがここの定番。ただし、ワイングラスの用意はないので、コップワインで気軽に楽しむのがここではツウかもしれません。
文鳥(亀戸)
鳥取から毎朝届く大山どりの丸鶏を捌いているので新鮮そのもの。最高級備長炭で仕上げる焼鳥はワインを楽しむにもぴったりです。お店側でのワインの抜栓やデキャンタの貸出も可能で、ワインごとにグラス変更することも事前に相談できます。