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クリスマスに楽しむ!【アルザスワイン】の基本&知っておきたいサステナブルな話

フランス北東部にあるアルザス地方。「どんな文化があるところ?」「どんなワインが造られている?」と訊かれても、サッと答えられない人も多いかと思います。

そこで「アルザスワインは飲んだことあるけれど、詳しくは知らない」という方のために、アルザスの基本や郷土性、クリスマスシーズンにぴったりのホットワインのこと、さらにはアルザスワインにまつわる最新情報もお伝えします。

アルザスって、どんなところ?

教科書にも掲載されていたアルフォンス・ドーデの短編小説『最後の授業』をご存じでしょうか。

私がここで、フランス語の授業をするのは、これが最後です。普仏戦争でフランスが負けたため、アルザスはプロイセン領になり、ドイツ語しか教えてはいけないことになりました。これが、私のフランス語の、最後の授業です。(小説より一部抜粋)

フランス北東部に位置するアルザスは、長い歴史の中で幾度となくドイツ(ゲルマン)の領地となっていた地方。そのためワインのみならず、文化風習全般においてゲルマン文化の影響が色濃く、同じEU圏となった今では「アルザスに住み、ドイツで働く」という人も少なくありません。

アルザス地方の街はクリスマスマーケットでも有名ですが、建物を見ても、大きなクリスマスツリーを見ても、グリム童話のようなドイツのおとぎ話を思わせるものがあります。

ホットワインは和製英語!クリスマスにぴったりの「ヴァン・ショー」

クリスマスマーケットに欠かせない飲み物と言えば、ヴァン・ショー(Vin chaud)。日本では「ホットワイン」と呼ばれている、スパイスの香り豊かな温かいワインです。

ちなみに「ホットワイン」というのは、和製英語。英語では「マルドワイン(mulled wine)」、ドイツ語では「グリューワイン(Glühwein)」と言います。

赤ワインベースのものが主流ですが、白でもロゼでもOK。体を中から温めてくれるので、クリスマスの寒い季節には最適というわけです。

飲み残しのワインの活用にもぴったりですし、安価なワインでも十分。家で簡単に作れるレシピをご紹介します。

家で簡単に作れる!ヴァン・ショーの基本レシピ

材料(2人分)

赤ワイン 300cc
オレンジ 1/2個分(スライス)
レモンの皮 1/2個分(薄く削ったもの)
きび砂糖(グラニュー糖でも可) 40g
シナモンスティック 1/2本
八角(スターアニス) 1個
クローヴ 2個

作り方

1. 鍋にすべての材料を入れ、中火にかけて沸騰し始めたら火を止める。
2. 粗熱が取れたら、茶漉しなどでこす。
3. 飲む前に再び鍋に入れて温める。

味をなじませるために一度冷ますのがおすすめですが、作ってすぐに飲みたい場合は、沸騰したらすぐに弱火にし、3分ほど煮出してください。また、よりスパイシーな風味が好きな方は、粒の黒胡椒を2〜3粒プラスしてもOKです。

アルザスワインの基本、まる分かり!

アルザスはヴァン・ショー(ホットワイン)だけでなく、高品質なワインの生産地でもあります。

フランス北東部には南北に走るヴォージュ山脈と呼ばれる高地があり、その東側斜面を背に、アルザスのブドウ畑は広がっています。ヴォージュ山脈によって大西洋気圧変動から守られているため降水量は少なく、乾燥した半大陸性気候に分類されます。

ブドウ畑の標高は平均すると200〜400m。ブドウの木は高めに仕立てられ、畑は南もしくは南東に向いているところが多く、日照量を確保しながら、秋には温暖な日中と涼しい夜に恵まれるため、ゆっくりと時間をかけた成熟が促進されます。

土壌の多様性もあり、自然の恩恵を受けるアルザスのブドウからは、複雑なアロマが生まれます。造られるワインの90%以上は白ワインで、発酵や熟成にはステンレスタンクや長年使用された大樽が用いられるというのも大きな特徴です。

アルザスのブドウ品種

エレガントな爽やかさを持つリースリング、力強いアロマを放つゲヴェルツトラミネール、寛大な濃厚さが持ち味のピノ・グリ、華やかで洗練された果実味があるミュスカ。この4種は“四大高貴品種”とも呼ばれています。

純粋で力強い表現力を備えた特別なワインを生み出す51のリュー・ディ(小区画の畑)には、AOC(原産地呼称統制)のアルザス・グラン・クリュの認定がされていて、この四大高貴品種のブドウが使用されています。

アルザスの四大高貴品種については、以下の記事もチェック!

【リースリング】は複雑だから面白い!NYのソムリエも語るその魅力とは?
【ピノ・グリ/ピノ・グリージョ】テロワールでどう違う?主要産地別の品種ワインの特徴

ピノ・ノワールを使った上質な赤ワインやロゼワインも造られますが、アルザスワインと言えばやはり白ワインがメイン。赤みがかった果皮のグリブドウを含む白ブドウたちが活躍しています。

2017 ピノ・ダルザス/マルセル・ダイス
産地
フランス・アルザス地方
品種
ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オーセロワ
タイプ
ミディアムライト辛口 白
2014 ゲヴェルツトラミネール・エステート/ファミーユ・ヒューゲル
産地
フランス・アルザス地方
品種
ゲヴェルツトラミネール
タイプ
ミディアムフル辛口 白

またアルザスでは甘口の白ワインも造られています。遅摘みブドウによる「ヴァンダンジュ・タルディヴ」や、貴腐ブドウから造られる「セレクション・ド・グラン・ノーブル」という極甘口のものまであります。

2012 アルザス・グラン・クリュ・ピノ・グリ・ヘングスト/アルベール・マン
産地
フランス・アルザス地方
品種
ピノ・グリ
タイプ
フルボディ中甘口 白

さらに「クレマン・ダルザス」というスパークリングワインのAOCもあり、キリッとした酸味と香り豊かな味わいが人気です。

NV クレマン・ダルザス・ブリュット・キュヴェ・マネキネコ/クレマン・クリュール
産地
フランス・アルザス地方
品種
ピノ・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング

持続可能な自然派ワインのパイオニア産地

アルザス地方のテロワールは、ヴォージュ山脈による恩恵だけでは語れません。今ではどの銘醸地でも自然を尊重するブドウ栽培が重要視されていますが、アルザス地方では伝統の中にそれが根付いています。

「土地は先祖から受け継ぐのではなく、次世代から借りている」という想いのもと、1970年代からサステナブルなブドウ栽培または農業と言う概念が浸透。減農薬栽培リュット・アンテグレ(農薬使用はできる限り避け、天敵を利用した生物防除や物理的防除)、有機農法ビオディナミなど様々な選択肢の中から、 生産者はそれぞれに最善と考える手法を取り入れています。

ヴァン・ナチュール、自然な造りのワインの基本を知りたい方は、こちらもチェック!

【自然派ワイン】って何?今さら聞けないナチュラルワインの基本
自然派ワイン【ビオディナミ】を徹底解説

2021年6月には、アルザスワイン委員会(CIVA)主催によるオンラインセミナー「Millésimes Alsace Digitasting®」が開催され、世界各国のワインのプロフェッショナルが聴講。3つのポイントに沿って語られた“アルザスワインの今”の情報がありましたので、ここでお伝えしておきましょう。

ポイント1:食のトレンドに適合

世界的なワインの嗜好傾向として、食のライト化に伴ったワイン、フードフレンドリー(食事に合わせやすい)ワインというものを国内外のワインの専門家が挙げています。

肉食を減らし、より新鮮で健康的で自然な食品を選んで食べるようになる人が増える中、フレッシュ&ドライな白ワインやクレマン、酸味が心地よいピノ・ノワールの赤ワインといったアルザスのワインが、以前にも増して世界中の消費者のニーズに適合しているようです。

ポイント2:環境に配慮したワイン造りのパイオニア

先述の通り、アルザスは環境への配慮のパイオニアと言える銘醸地。透明性、健康、持続可能性といったキーワードとともに、オーガニックやビオディナミが新世代を中心に当然となっているとのこと。

ビオディナミでワインを造るアルザスの生産者、マリー・チュスランは「これはトレンドではなく当然のこと。消費者への責任です」と話し、カナダのソムリエ&ジャーナリストであるレミー・シャレストは「“ビオディナミ=高品質”ではありません。ですが、ワイン畑をよく見ることになるので、ワインの質の向上につながることは間違いない」と語りました。

ポイント3:あらゆる種類の土壌があるテロワール

「テロワールはワインのDNA」と言う造り手もいますが、アルザスは特有の微小気候(マイクロクライメット)だけでなく、土壌のバリエーションが豊富なこともポイントです。

「1番目の層に花崗岩、2番目の層は砂岩と花崗岩、3番目の層に石灰岩・・・」といった具合で、大きく分けて5種。細かく分けると13種にも及ぶとのこと。こうした土壌の複雑性が、アルザスワインに奥行きのある風味をもたらしているということでした。

「テロワールとは、歴史などのストーリー、独自性のある土地、そして人間の手。翻訳できない言葉のようなものです」と語ったのは、アルザス出身の醸造学者、ティエリー・フリッツ。ワインは単なる飲み物ではなく、総合芸術のようなものと言えるかもしれません。

おうちクリスマスは、アルザスワインで乾杯!

ちょっと難しい話にも及びましたが、アルザスのワインはサステナブルな要素とともに、食事に合わせやすいワインであるということがポイントです。

寒い冬に食べるとほっこりする野菜や肉の煮込み料理や鍋物、さらにアルザス名物の「シュークルート」には、キリッと冷やした辛口のリースリングが好相性。また、アルザスでは「フォアグラのテリーヌ」も有名ですが、この冷製の一品に甘口ワインを合わせると至極のマリアージュが生まれます。

クリスマスは心も華やぐ季節。

ヴァン・ショーを楽しんだり、温かな料理にアルザスワインを合わせたりして、楽しいワイン時間を過ごしてみましょう。

情報協力
アルザスワイン委員会(CIVA)

【シャンパーニュデイ特集】シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編

photo:Osmani TAVARES BARBOSA – Collection CIVC

修道士、王侯貴族、革命家、アーティスト…長い歴史の中で世界中の著名人との逸話も絶えないシャンパンは、まさに“時空を超えて愛されているワイン”と言えるでしょう。今や「シャンパンが好き!」というワインラバーは世界中にいますが、「年に1回みんなで同じ日に楽しもうよ!」というシャンパーニュデイをご存じでしょうか。

WINE@マガジンではこの「シャンパーニュデイ」を記念して、2回にわたって今さら聞けないシャンパンの基本をご紹介しつつ、WINE@厳選のシャンパンを紹介するという企画をお届けしています。

第1弾では「魅惑のロゼ」をテーマにシャンパンの魅力をご紹介しましたが、第2弾となる今回は、シャンパン好きなら押さえておきたい言葉などを解説しつつ、一度は飲んでおきたい有名シャンパン5本を厳選してご紹介します。

シャンパンのツウになろう!魅惑のロゼ編こちら

【甘辛度】が味わいの一つの決め手!

シャンパンの味わいを大きく左右するのが甘辛度です。瓶内二次発酵を経て、デゴルジュマン(澱抜き)をした後に、ドザージュ(糖分添加)を行い、最後に味わいが調整されます。

ドザージュに使われるのは「門出のリキュール」と呼ばれる液体。多くの場合、サトウキビ糖をワインに溶かしたもので、造り手がワイン本来の特性を極力活かしたければ、リキュールはできる限りプレーンなものを使用します。

逆に、造り手が自分のワインのスタイルを補うためやアロマを加えるために、ドザージュを最後の手段として利用することもあります。

その場合には、長期間樽やマグナムボトルに貯蔵しておいた上質のリザーブワインを用いてリキュールを準備しておきます。様々なアロマをあらかじめ準備しておき、シャンパンに最後に加えるタッチを選べるようにしておくのです。

仕上げの“お化粧”を施したシャンパンの甘辛度は、その残糖度別に規定の表示があり、ラベルにも明記されています。最も甘味があるものから順に紹介すると、以下のようになります。

ドゥー(Doux):50g /リットル 以上
ドゥミ・セック(Demi-Sec):32~50g/ リットル
セック(Sec):17〜32g/リットル
エクストラ・ドライ(Extra Dry):12〜17g/リットル
プリュット(Brut):12g/リットル 未満 
エクストラ・ブリュット(Extra Brut):0〜6g/リットル

ブリュット・ナチュール(Brut Nature)/パ・ドゼ (Pas Dose)/ドザージュ・ゼロ(Dosage Zero)
残糖3g/リットル以下またはまったく糖分添加をしていないものには、上記の表示も認められている。

昨今はブリュット(Brut)が付くもの、また糖分添加をしないドザージュ・ゼロ(Dosage Zero)など、辛口のキリッとした味わいのものが人気で、日本でも多く販売されています。

Brutは、もともとは「荒々しい、粗野な」という意味があり、転じて「極辛口の」という意味になります。Secは「乾燥した、ドライな」という意味なのですが、シャンパンとしては甘味のあるものになりますので、ご注意ください。

シャンパンの用語を覚えると、グッと便利に!

甘辛度の表示名のほかにも、シャンパン好きなら押さえておきたい言葉があります。自分好みのシャンパンをちゃんと選ぶためには、こうした用語を知っておくと便利です。

ノンヴィンテージ/ノンミレジメ

厳しい気候のシャンパーニュ地方では、毎年一定の品質のブドウを収穫し、安定した味わいのシャンパンを造ることは難しいものです。そこで「リザーヴワイン/ヴァン・ド・レゼルヴ」と呼ばれる過去に醸造したワインを、その年のワインとブレンドして品質の安定化を計ります。

シャンパンメゾンの主力アイテムは、この“ノンヴィン”。複数の収穫年のワインをブレンドするため「NV」などと書かれ、収穫年は表記されません。

NVの規定としては、二次発酵のための瓶詰めから最低15カ月間は出荷できず、また瓶詰めからでゴルジュマン(澱抜き)まで最低12カ月間の瓶内熟成期間が義務付けられています。

一方、優良なブドウの収穫年や特徴的な年には、単一収穫年のものだけで造られるシャンパンがあります。それらはヴィンテージ/ミレジメと呼ばれ、ラベルには収穫年も明記。規定では、二次発酵のための瓶詰めから最低36カ月間の熟成を経て出荷されます。

photo:GUILLARD Michel – Collection CIVC

ブレステージキュヴェ/キュヴェ・プレスティージュ 

各メゾンのフラッグシップ(看板)となるシャンパンになります。その多くはヴィンテージで、特に秀逸な収穫年が選ばれます。

グラン・クリュやプルミエ・クリュなど、高品質のベースワインを厳選してブレンド、あるいは特定の小さな区画のブドウのみを用いて造られます。特に法的な規定はありませんが、熟成期間は通常のヴィンテージよりも長く、10年以上の熟成を経たものも少なくありません。

grappe de raisins cepage Petit Meslier dans la Marne / photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

NM、RM・・・

ノンヴィンテージを「NV」と表記することがあるとお伝えしましたが、シャンパンの略号には、生産者の登録業態を意味するものがいくつかあり、それがラベルに記載されていることもあります。いずれも、CIVC(シャンパーニュ委員会)に登録されていますが、特に重要な2つをご紹介しておきましょう。

NM(ネゴシアン・マニピュラン)
原料となるブドウを他から購入し、シャンパンを醸造する生産者。いわゆる「メゾン」のこと。メゾンもブドウ畑を所有するが、それでは賄いきれず、他から購入するのが通例。 

RM(レコルタン・マニピュラン)
自社畑で収穫されたブドウのみを用い、自らシャンパンの醸造も行う栽培農家。一部のブドウをメゾンや、協同組合に売ることもある。 

上記のほかに、加盟する栽培農家が持ち込んだブドウを原料として、醸造から販売まで行う生産者協同組合のCM(コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン)や、完成したシャンパンを購入し、自社ブランドのラベルを貼って販売する流通業者のND(ネゴシアン・ディストリビュトゥル)などがありますが、まずはNMRMの2つの違いをしっかり覚えておきましょう。

(出典:2021ソムリエ協会 教本)

WINE@編集部が厳選!一度は飲んでおきたい有名シャンパン5本

grappe de raisins cepage Arbane a Avize dans la Marne / photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

甘辛度やヴィンテージ、ミレジメなどの用語を理解できれば準備OK。シャンパン愛好家でなくとも一度は聞いたことがあるという、有名なシャンパンの真価を心ゆくまで味わうことができるはずです。そこで、WINE@編集部が厳選した垂涎のシャンパン5本をご紹介しましょう。

創始者への敬意を表したシャンパーニュ

アンリ・ジローの創始者であるフランソワ・エマール氏への敬意(オマージュ)が、このシャンパーニュの名前の由来です。

焼きリンゴやグレープフルーツなど柑橘のニュアンス、酵母の香り、ビスケットなど、香りに厚みがあるスタイルで、瓶内熟成に由来するクリーミーな泡やジンジャーブレッドのニュアンスは、料理との相性も抜群。

フレンチやイタリアンはもちろん、煮魚などの和食まで幅広く合います。(WINE@ソムリエ:太田賢一

アンリ・ジロー NV オマージュ 
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール、シャルドネ
タイプ
フルボディ辛口 スパークリング(白)

『007』で最多出場率を誇る“ザ・男シャンパン”

主人公・ボンド役の俳優は変われど、24作も続く人気映画シリーズ『007』。その中で長きにわたって登場するシャンパンが、ボランジェです。

1829年創業の老舗メゾンですが、今回おすすめするのは、優良年にのみ造られるヴィンテージ・キュヴェ。グラン・クリュのピノ・ノワールを主体にシャルドネをブレンドし、9年間もの長期にわたる熟成期間を経てリリースされたシャンパンです。

凝縮感のある果実味と程よい酸が、力強い骨格を生み出す…まさに“デキる男”を想像させるシャンパンと言えるでしょう。(WINE@マガジン編集部)

ボランジェ 2007 ラ・グラン・ダネ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール、シャルドネ
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング(白)

挑み続ける生産者の潔さにハッとする!アヴァンギャルドな1本

アヴァンギャルドな手法で、唯一無二の味わいを実現する造り手「エグリ・ウーリエ」。醸造においては異色の「新樽発酵」を取り入れており、スパイシーさ、ビターさ、さらに豊かなミネラル感がワインから感じられます。

味わいのスケール感は「素晴らしい」の一言!単に異端なだけでなく、絶大な支持を得ているという点に惚れ惚れしてしまいます。

個性と信念が前面に現れた1本に、心奪われること間違いなしです!(WINE@ソムリエ:太田賢一

エグリ・ウーリエ 2007 グラン・クリュ・ミレジム
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール、シャルドネ
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング(白)

ブラン・ド・ブラン好きにはたまらない!プレステージ・キュヴェ

「コント・ド・シャンパーニュ」とは「シャンパーニュ伯爵」を意味し、シャルドネの祖となる苗木を持ち帰ったとされるティボー4世に敬意を表して名付けられました。

テタンジェ社の象徴とも言えるヴィンテージ・シャンパンで、天候に恵まれた特別な収穫年にしか生産されず、約10年もの年月をかけて造られるシャンパンです。

シャルドネのみを使用し、さらに一番搾りの果汁だけで醸されるがゆえに非常に生産量が限られている希少なもの。ブラン・ド・ブランならではの豊かなミネラル感、伸びやかな酸味と果実味には極上のエレガンスを感じます。(WINE@マガジン編集部)

テタンジェ 2006 コント・ド・シャンパーニュ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
シャルドネ
タイプ
フルボディ辛口 スパークリング(白)

年々価格が高騰!超長期熟成型の名門シャンパン

名門ルイ・ロデレールがロシア皇帝に献上するために造った最高キュヴェが、この「クリスタル」。

ポテンシャルが桁違いの超長期熟成型シャンパンで、この2006年ヴィンテージは、収穫年から15年経ってもまだフレッシュ感が残っています。今飲むにはちょっと早いくらいの印象かもしれませんが、今後のさらなる価格高騰を考えると入手しておく方が賢明かもしれません。

ブドウは、ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%。2006年は特にピノ・ノワールが成功した年と言われますが、シャルドネのエレガンスが効いた名門シャンパンです。(WINE@マガジン編集部)

ルイ・ロデレール 2006 クリスタル
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール、シャルドネ
タイプ
フルボディ辛口 スパークリング(白)

「グラス交わせばもっとおいしいシャンパーニュ! 」

「シャンパーニュデイ特集」ということで、第2弾はシャンパン好きなら押さえておきたい言葉などをご説明しつつ、一度は飲んでおきたい有名シャンパン5本を厳選してご紹介しました。

「シャンパーニュデイ #ChampagneDay」は毎年10月の第4金曜日。2021年は10月22日がその日に当たります。

第1弾でもご説明しましたが、シャンパーニュデイは、アメリカ・カリフォルニア在住のブロガーでワインセミナー講師をしているクリス・オゲンフュスの発案によるものです。世界中で年々参加者が増加し、シャンパーニュデイはシャンパン愛好者のための世界共通イベントとなりました。

ぜひあなたも自分好みのシャンパンを用意して、気の置けない仲間や家族と乾杯!といきましょう。

シャンパンのツウになろう!魅惑のロゼ編こちら

 

CHAMPAGNE DAY 2021公式Webサイト
シャンパーニュ産スパークリングワインだけがシャンパーニュ

毎日の生活のちょっとしたイベントを祝うきっかけにもなるシャンパーニュデイ。10月22日の当日はシャンパンを楽しんで、SNSでその写真やビデオをシェアするだけで、あなたも「シャンパーニュデイ」に参加できます。投稿にはハッシュタグ #ChampagneDay をお忘れなく!

■詳しくは こちら

【シャンパーニュデイ特集】シャンパンのツウになろう!魅惑のロゼ編

photo:Fabrice LESEIGNEUR – Collection CIVC

ワインの中でも一際華やかな雰囲気を持つシャンパン。お祝いの席にもふさわしいその特別感は、他のスパークリングワインとは一線を画すものがあります。世界中にシャンパンを愛してやまないワイン愛好家がいますが「年に1回みんなで同じ日に楽しもうよ!」というシャンパーニュデイをご存じでしょうか。

WINE@マガジンでは「シャンパーニュデイ」を記念して、2回にわたって今さら聞けないシャンパンの基本をご紹介しつつ、WINE@厳選のシャンパンも紹介するという企画をお届けします。

第1弾となる今回は、シャンパーニュデイとは何かをまずご説明しつつ、シャンパンの基本やブドウ品種の話、そして「魅惑のロゼ」をテーマにシャンパンの魅力をご紹介します。

シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編 はこちら

【シャンパーニュデイ】とは?

「#シャンパーニュデイ #ChampagneDay」は、アメリカ・カリフォルニア在住のブロガーでワインセミナー講師をしているクリス・オゲンフュスの発案によるものです。世界中で年々参加者が増加し、シャンパーニュデイはシャンパン愛好者のための世界共通イベントとなりました。

シャンパーニュデイは毎年10月の第4金曜日。2021年は10月22日がその日に当たります。

【シャンパン基本のキ】気候風土や歴史が育む唯一無二の価値

photo:Fulvio ROITER – Collection CIVC

シャンパンとは、ブドウの収穫から生産、醸造まで、すべてをフランス・シャンパーニュ地方の特定地域で行ったもののことです。シャンパーニュ地方は、パリから140kmほど東に向かった場所にあり、フランスのワイン産地としては北限に位置しています。


photo:Benoit FRANCE – Collection CIVC

海洋性気候の特徴も混じり合っているものの、大陸性気候のエリアで、冷涼で厳しい気候条件がブドウにキレのある酸をもたらし、地下の冷たく湿った石灰質のカーヴが長期熟成を可能にしています。昨今は地球温暖化の影響なども出始めていますが、これらのテロワールの一つひとつがシャンパンに独自性を与えていると言えるでしょう。

参考:【ロシア産がシャンパン!?】シャンパーニュ委員会、ロシアの新法律に対し厳重抗議

歴史を少し振り返ると、古代ローマ人によりシャンパーニュ地方にブドウ栽培がもたらされたのは4世紀頃。その後、中世に修道士によってブドウ畑が広げられ、ワインも造られますが、当時のワインは泡のないスティルワインでした。

諸説ありますが、発泡性のあるシャンパンは意外にもイギリスで偶発的に誕生したと考えられています。寒さのために酵母が途中で活動を止め、発酵が中断した状態のワインが樽詰めされてイギリスに渡り、瓶詰め。春が来て暖かくなると酵母が活動を再開し、再発酵によって生じた炭酸ガスがそのまま中に封じ込められたというのが定説です。

要するに、現在メトード・リュラル(田舎方式)やメトード・アンセストラル(古代方式)と呼ばれる製法に近いものがその始まり。ただし、品質と味わいを安定させるのは難しいものがあり、瓶内二次発酵を行うメトード・トラディッショネル(伝統方式)が確立され、発泡性のシャンパンが商業化されるのは、1729年に最初のメゾン「ルイナール」がランスに創設されて以降のことと言われています。

瓶内二次発酵を行うメトード・トラディッショネル(伝統方式)について詳しく知りたい方は、何が違うの!?~シャンパン、クレマン、カバ、フランチャコルタ を参照してください。

メトード・リュラル(田舎方式)やメトード・アンセストラル(古代方式)について、詳しく知りたい方は、自然派の微発泡【ペットナット】他のスパークリングワインとどう違う? を参照してください。

【シャンパンのブドウ品種】は決まっている?

photo:Alain CORNU – Collection CIVC

シャンパンの醸造に用いられるブドウ品種には規定があり、この地方の独特の地形、土壌と気候の影響を受け、他にはない個性的な味わいが生まれます。  

主な品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3種です。

シャルドネ

photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

世界で最も有名な白ブドウと言えるシャルドネですが、主要3品種の中では栽培面積が一番小さく、シャンパーニュ地方全体の28%程度。シャンパンに繊細さと新鮮味を与え、長期熟成を可能にするとされ、白ブドウのみで造られるシャンパン“ブラン・ド・ブラン”では主役を張る、重要な品種です。

ピノ・ノワール

主要3品種の中では栽培面積が最も大きく、シャンパーニュ地方全体の約39%を占めます。果皮が薄い品種ですが、シャンパンの味わいにボディと骨格をもたらす、まさにシャンパンのブドウの代表選手です。

ムニエ

photo:Jean-Charles GUTNER – Collection CIVC

栽培面積の占有率は33%程度。シャンパンにフルーティさとしなやかさを与えるとされています。以前は「ピノ・ムニエ」とされていましたが、DNA鑑定が行われてピノ系のブドウではないことが判明。現在も別名として「ピノ・ムニエ」という呼び名は残っています。

他には、アルバンヌ(Arbanne)、プティ・メリエ(Petit Meslier)、ピノ・ブラン、ピノ・グリといった白ブドウも認められていますが、その栽培面積はすべて合わせても全体の1%未満となっています。

【シャンパンのロゼ色】はどこから来る?

シャンパンのイメージをさらに華やかにしてくれるのが、魅惑的なロゼ。その色調や濃淡には幅がありますが、世界各地のロゼと比べると、淡いピンク色が多いのも特徴と言えるでしょう。

この上品で魅惑的なロゼの色は、黒ブドウの果皮に由来するものですが、製法としては3つのものがあります。

1. 黒ブドウを直接圧搾する方法

2. 黒ブドウの果皮を一定時間果汁に漬け込む(マセラシオン)、または発酵・醸しの途中で一部の液体を抜き取り、別のタンクで再度発酵させる(セニエ)方法

3. 白ワインに適量の赤ワインを混ぜる方法(アッサンブラージュ/ブレンド)

ここで、ワイン初心者のために追加のレクチャーを。

黒ブドウから造られた白のシャンパーニュもありますが、黒ブドウだけを使っているのに、ロゼではなく、白のシャンパンが出来あがるのはなぜでしょうか。

プラン・ド・ノワール(黒から生まれた白)」と呼ばれるものなのですが、ピノ・ノワールやムニエの色素は果皮にあるため、初めに丁寧に圧搾して果皮と果汁を分離すれば、赤く色づくことはなく、白いシャンパンができるというわけです。


photo:Alain CORNU – Collection CIVC

プラン・ド・ノワールには、ムニエ100%のものやムニエとピノ・ノワールのダブル使いのものもありますが、ピノ・ノワール100%のものが多く造られています。

ちなみに「プラン・ド・ブラン(白から生まれた白)」と呼ばれるシャンパンは、シャルドネ100%のものがほとんど。アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリが使われたものはごく稀です。

WINE@のプロが厳選!おすすめのロゼ・シャンパン3本

生産量で言えば、シャンパン全体の10%程度と言われるロゼのシャンパン。手間暇がかかるシャンパンの中でも希少性が高いこともあり、価格も高めになってしまいますが、その価格に十分見合う、真の意味で“カリテ・プリ”な3本を、WINE@のワインのプロが厳選してご紹介します。

日曜午後4時のロゼ・シャンパン!

まず目を引くのは、素敵なエッチングボトル!プレゼントにもらったり、記念日に開けてもらえたら「胸キュン」(死語?)です。色合いも美しく、サクランボを思わせるような風味を感じる辛口のロゼシャンパンで、これは無敵な勝負の1本としてもおすすめできます。

ちなみに生産者は「このロゼは、日曜日の午後4時くらいにアペリティフとして楽しんでいただけるものを目指しています」と話していて、そんな日曜日にも憧れます。夕方の光を浴びながら、食事前のひと時をこのボトルとともに楽しんでみませんか。(WINE@ソムリエ:林やよい

NV ブリュット・プルミエ・クリュ・ロゼ/マチュー・プランセ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
シャルドネ、ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(ロゼ)

テラコッタ熟成による凛とした個性派ロゼ

テラコッタ(陶器)製の樽を使って熟成させた個性派のロゼ・シャンパン。ラベルのデザインは、先史時代メソポタミアで作られていたテラコッタ製の女神像をイメージしたものなのだとか。

アプリコットなどの果実香に、アーモンドや紅茶のニュアンスが重なって感じられるのは、テラコッタ熟成の為せる業なのかもしれません。ピンクゴールドの色合いも魅力的で、視覚的にも味覚的にも引き込まれていくものがあります。

特級畑のピノ・ノワール主体で、シャルドネもブレンド。ロゼのシャンパンですが、派手さではなく、凛とした女性のイメージがある1本です。(WINE@マガジン編集長:佐野嘉彦)

NV ロゼ・ダム・ジャンヌ/アンリ・ジロー
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング(ロゼ)

英国紳士のダンディズムを身に纏うロゼ

元イギリス首相のチャーチルが愛飲し、2004年には英国王室御用達となったことで名高いメゾンのロゼ。品格と大人の余裕、色気…ブラックタイで正装して味わいたいくらいのダンディズムを感じます。

いつかはこのシャンパーニュの風格にふさわしい自分になりたい。歳を重ねるごとに、近づけているのだろうか、など自問自答しつつ、人生の節目のタイミングに味わうのもよし。

「ロゼ=甘いのでは?」と考えている方には特に試していただきたい。とにかく、カッコイイ!名門のロゼ・シャンパンです。(WINE@ソムリエ:太田賢一

2009 ロゼ・ヴィンテージ/ポル・ロジェ
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(ロゼ)

「グラス交わせばもっとおいしいシャンパーニュ! 」

10月第4金曜の「シャンパーニュデイ」を記念してお届けする【シャンパーニュデイ特集】の第1弾は、シャンパンの基本のキから始まり、ロゼの魅力に迫りました。

次回の【シャンパーニュデイ特集】は「シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編」をお届けします。

「ワイン好きなら飲んでおくべき有名なシャンパンを知りたい」「シャンパン好きの人と盛り上がりたい」…そんな方は特に注目!また、シャンパンに重要な甘辛度やシャンパン用語も解説。厳選した名門シャンパンも紹介しますので、どうぞお楽しみに!

シャンパンのツウになろう!憧れの名門シャンパン編 はこちら

CHAMPAGNE DAY 2021公式Webサイト
シャンパーニュ産スパークリングワインだけがシャンパーニュ

毎日の生活のちょっとしたイベントを祝うきっかけにもなるシャンパーニュデイ。10月22日の当日はシャンパンを楽しんで、SNSでその写真やビデオをシェアするだけで、あなたも「シャンパーニュデイ」に参加できます。投稿にはハッシュタグ #ChampagneDay をお忘れなく!

■詳しくは こちら

【その日の気分・シーン】に合うワインを真剣トーク!編集部メンバーが選んだ12本

「あれ?同じワインなのにこの前飲んだ時と印象が違うなぁ」という経験はありませんか。

同じ銘柄やヴィンテージでも、ワインは熟成や管理の状態によって変化してしまうものですが、それだけでなく、飲み手の気分や体調、どんなシーンで飲むかということによってもその味わいや感じ方は大きく左右されます。

そこで今回は、その日の気分やシーンに合わせてどんなワインを選んだらいいかがテーマ。4タイプの状況を想定して、WINE@マガジンの編集部メンバー3人が、おすすめのワインについてそれぞれの持論でディスカッション。計12本の個性あふれるワインが登場します。

今回のWINE@メンバーはこんな3人

3人ともワインをこよなく愛する編集部メンバーですが、それぞれに嗜好が異なります。あなたの嗜好に近い人がいれば、参考になるかも!?

プランナーH 〜スマート正統派〜
仕事の付き合いでもワインは必須。どちらかと言うと、ワインは単体でじっくり向き合って飲むのが好き。フランスワイン、特にブルゴーニュに目がない。持論は「なんだかんだで、定評=信頼」。

ライターS 〜マイペース自然派〜
感覚と理論の両立を目指す、こだわり女子。キレイな味の自然派ワインや哲学のある造り手が好きで、ハマると生産者のもとへ直行しがち。持論は「人は人、自分は自分」。

エディターY 〜グルメ重視派〜
世界各国の料理を食べ歩いて20年。スペインでワインに目覚め、初めに覚えた品種はアルバリーニョという曲者。ワインは食事に合わせて考えるのが基本。持論は「食べることは、生きること」。

ちょっといいことがあった時に飲みたい【ご褒美ワイン】

エディターY 〜グルメ重視派〜

何か達成した時の“自分へのご褒美”に飲むワイン。色々浮かぶと思うんですが、やはり個人的にちょっと思い入れがあるワインになるのかなぁ。

プランナーH 〜スマート正統派〜

そうですね…僕はやっぱり一番好きなブルゴーニュのピノ・ノワールを選ぶかな。大変なことを乗り越えて何か達成できた特別な時なら、奮発してドメーヌ・ド・ラルロのニュイ・サン・ジョルジュを開けたい。

「知識、技術、情熱、哲学、誰もが認めるブルゴーニュの女王」とWINE SELECTERSの松田龍太さんも言っていて、繊細さとエレガントさを凝縮した素晴らしいピノなんですよ。

2017 ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

エディターY 〜グルメ重視派〜

上質なブルゴーニュは確かに特別感があっていいですよね。

普段飲みにはちょっと高くて手を出しづらいけど、特別な時の自分へのご褒美と言う口実で(笑)買って飲むワインということなら、僕にもこれ!と言う1本があります。

一般的には認知度が低めの品種ですが、スペインの古樹のベルデホから造られる白ワイン、オシアン。ワイン通でも「ベルデホ=軽やかでフルーティ」というイメージがあると思いますが、さにあらず!これは別格のベルデホです。

スペインワインのトップソムリエ、櫻井一都さんも「熟成させても面白い。8,000円近くするけれど、それ以上の満足度を保証します」と言っていました。

2016 オシアン/オシアン・ビデス・イ・ビノス 
産地
スペイン
品種
べルデホ
タイプ
フルボディ辛口 白

ライターS 〜マイペース自然派〜

普段飲みにはちょっと高価だけどという視点で選ぶご褒美ワインなら、私にも大好きな1本があります。

オーストラリアのタスマニア島で、ビオディナミ製法で造られるグリューナー・ヴェルトリーナー。しっかりとした骨格があるワインで、初めは「本当にこれがグリューナー!?」と思うほどでした。

オーストラリアワインにも詳しいソムリエの林やよいさんに「5,000円以上するけど、飲むほどに人を虜にする不思議な魅力のある1本ですよ」とおすすめされたのがきっかけ。和食はもちろん、塩焼きの牛タンとかにも合うんです。

2014 バイオダイナミック・グリューナー・ヴェルトリーナー/ステファノ・ルビアナ
産地
オーストラリア
品種
グリューナー・ヴェルトリーナー
タイプ
ミディアムフル辛口 白

大切な人と二人でゆっくり飲みたい【ロマンティックなワイン】

エディターY 〜グルメ重視派〜

大切な人との甘いひととき!もう、こういう時は濃密なおいしさを推してしまいます(笑)

ロックフォールチーズをつまみに、ボルドーのカルム・ド・リューセックを。しっかりした塩味とピリッとした刺激が魅力のブルーチーズに、トロリとした甘口の貴腐ワインという組み合わせは、もう問答無用のマリアージュ。人間の本能に訴えかける官能的なおいしさですから!

カルム・ド・リューセック 2018
産地
フランス / ボルドー地方 / ソーテルヌ
品種
セミヨン89%、ミュスカデル6%、ソーヴィニヨン・ブラン5%
タイプ
白ワイン - 甘口 - フルボディ

プランナーH 〜スマート正統派〜

Yさん、ロマンティックを超えて、ちょっとエロティック!(笑)でも、はい、わかります。

大切な人と二人でゆっくりというのは、何かの記念日やお祝いかもしれませんよね。ロマンティックな雰囲気を演出してくれるワインということで、僕は定番ですが、やっぱりシャンパンを推したい。

落ち着いた大人の二人におすすめしたいのは、ドゥーツ。フレンチソムリエの太田賢一さん曰く「時代に流されない、名門の誇りを丁寧に味わうシャンパン」です。

NV ドゥーツ ブリュット クラシック
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエ
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング

ライターS 〜マイペース自然派〜

私もロマンティックなシーンでは、シャンパンを飲みたい!でも、ロゼがいいなぁ。ピンクゴールドの液体、立ち上る繊細な泡…。やはりキュンとしますよ。

私のイチオシは、アンリ・ジローのロゼ・ダム・ジャンヌ。テラコッタ(陶器)製の樽を使って熟成させているという造り手のこだわりもあって、個性的。ロゼのシャンパンだけど、派手さではなく、凛とした女性のイメージがある1本なんです。

ラベルのデザインは、先史時代メソポタミアで作られていたテラコッタ製の女神像をイメージしたものなんですって。

NV ロゼ・ダム・ジャンヌ/アンリ・ジロー
産地
フランス・シャンパーニュ地方
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ミディアムフル辛口 スパークリング(ロゼ)

仲間と楽しみながら飲みたい【わいわいワイン】

プランナーH 〜スマート正統派〜

仲のいい友達と気軽に飲むなら、もちろん手頃な価格のワインがいいですよね。

今、品種のことなんかにもちょっと興味を持ち始めている友達がちょうど何人かいて…。そういうワイン初心者ともぜひ一緒に飲みたいのが、エゴン・ミュラーのリースリング。

ドイツワイン最高峰の造り手がスロバキアで造っているという、ちょっとめずらしさもあって、話題も広がるかなと。リースリングの個性を感じられる味わいで、3,000円でお釣りがくる1本だから、家飲みにもぴったりですよ。

2018 シャトー・ベラ・リースリング/エゴン・ミュラー
産地
スロバキア
品種
リースリング
タイプ
ミディアムライト辛口 白

ライターS 〜マイペース自然派〜

価格はリーズナブルで、家ごはんにも合うワインがいいですよね。あと「わいわい楽しむ=イタリア」というイメージもありませんか?

私は色々な家ごはんメニューに合う、クリーンな味わいの自然派ワインを日頃から探究しているんですけど、イタリア北部のトレンティーノ・アルト・アディジェ州で造られるアロイス・ラゲデールのピノ・グリージョは、本当におすすめ!

ビオディナミを実践した造り手で、3,000円しないワイン。カジュアルにみんなで楽しめるこのイタリアの白は、私の家飲みの定番でもあるんですけど(笑)

2017 ピノ・グリージョ/アロイス・ラゲデール
産地
イタリア・トレンティーノ アルト アディジェ州
品種
ピノ・グリ/ピノ・グリ-ジョ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

エディターY 〜グルメ重視派〜

お、意外にもお二人とも白ワインできたので、僕は赤でいきたいと思います。

「仲間とわいわい=BBQや焼肉」というイメージが浮かんだので、シンプルな肉料理に合いつつ、コスパ最高の赤ワインということで…サルトンのフラワーズ・ティントはどうかな?ブラジルの赤。ちょっと珍しいし、話も盛り上がりそうでしょ?

サルトンは、より良い土壌とチャンスを求めて1878年にブラジルに渡ってきたイタリア人が始めたワイナリー。このフラワーズ・ティントは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロのブレンドなんだけど、ちょっとラズベリーやイチゴの香りもあって、渋みもマイルドだから、ワイン初心者も一緒に楽しめると思うんだよね。

NV フラワーズ・ティント/サルトン
産地
ブラジル
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

落ち込んでいる時や疲れている時に飲みたい【癒しのワイン】

ライターS 〜マイペース自然派〜

癒しのワインと言ったら、やっぱりじんわりとしたうま味を感じるオレンジワインじゃないですか?

プリモシッチのリボッラなら、オレンジワイン未体験の人にもおすすめ。「Gambero  Rosso 2018」で最高のトレ・ビッキエーリも受賞している醸しワインで、本当に透き通ったきれいな味わいですから。

初めはちょっと冷やし気味から始めて、温度が上がりながらゆっくり変化する香りや味わいを楽しむ…。はぁ〜、癒されるわぁ(笑)

2015 リボッラ・ディ・オスラヴィア/プリモシッチ
産地
イタリア・フリウリ ヴェネツィア ジュリア州
品種
リボッラ・ジャッラ
タイプ
ミディアムフル辛口 オレンジ(アンバー)

プランナーH 〜スマート正統派〜

僕は大好きなブルゴーニュがやっぱり癒しのワインかな。出汁のようなうま味じんわりのピノもいいけど、ここはあえての白、アンドレ・ボノームのヴィレ・クレッセをプッシュします!

前にWINE SELECTERSの松田さんから「口に含むと、トロリとするほどの密度があり、ジューシーで甘やかな、ボリュームのある豊かな果実味。直後、塩気を伴うミネラル感と、きれいな酸が現れ、味わいを引き締めます」っていうコメントを聞いたんだけど、まさにその通り。おいしいシャルドネは、僕の癒しです。

2017 ヴィレ・クレッセ・レ・フォレティーユ/アンドレ・ボノーム
産地
フランス・ブルゴーニュ地方
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムフル辛口 白

エディターY 〜グルメ重視派〜

上質なオレンジワインとブルゴーニュ白。どちらもいいですね。僕はちょっと視点を変えて提案してみようかな。

最近は「チル(chill)する」って言うらしいんだけど、僕にとって癒しの時間に欠かせないのは、音楽。最近はジャズが好きでよく聴くんだけど、そんな僕の“チルタイム”にぴったりのワインが、ジャズ・ナトゥーレ・レセルバというカバ。

バルセロナ出身のジャズバンドとのコラボで2017年に誕生したカバで、レセルバとグラン・レセルバに特化した造り手が手がけた1本。ピアノの鍵盤がデザインされたボトルで、ヴィジュアルも最高でしょ?

疲れている時は料理はしないで、ハモン・セラーノとチーズを切ってつまみながら、ジャズをかけてこのカバを飲む。癒し、コンプリート!

NV ジャズ・ナトゥーレ・レセルバ/カステル・サント・アントーニ
産地
スペイン
品種
チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング

家飲みでも、BYOでも参考に!

3人ともワイン愛が深く、まだまだ話がつきませんでしたが、今回はこれでお開きに。

【ご褒美ワイン】【ロマンティックなワイン】【わいわいワイン】【癒しのワイン】という4つのテーマで、多種多様な12本のワインが登場しましたが、参考になるものはあるものはありましたでしょうか?

家飲みでのワイン選びの参考になればと思いますが、BYO(持ち込みワイン)を楽しむ時にも活用できるはず。ぜひ、自分の好みだけでなく、その日の気分やシーンに合わせたワイン選びをして、楽しい時間を過ごしてください。

「家飲みをもっとおいしく」のシリーズの特集記事、【家飲み】を楽しむヒント10選!ワインの保存と活用、飲み残しアレンジ、カレーやつまみに合うワイン もぜひご活用ください。

 

【イタリアワイン&チーズの王様】3種の楽しみ方とプロ直伝のパスタレシピ

ワインの最良の友と言えば、チーズ。そのままでつまみにもなれば、料理にも使われ、ワインをよりおいしく楽しむことができます。ワインもチーズもたくさんの種類がありますが、その多様性と日常性を考えるとイタリアは欠かせません。

イタリアは南北に細長く伸びた半島と島の国で、面積は日本の北海道以外の部分とほぼ同じくらい。山海の幸を楽しむ食文化がどことなく日本に通じていることも、私たち日本人を惹きつけるポイントになっているのでしょう。

イタリアチーズの歴史は、約5,000年。種類は実に500とも600とも言われています。そんな中、“イタリアチーズの王様”と呼ばれるのが「パルミジャーノ・レッジャーノ」です。

そこで今回は「イタリアワインとパルミジャーノ・レッジャーノ」がテーマ。「手軽に家飲みのレベルが一段アップする!」という楽しみ方を、チーズプロフェッショナルで、イタリア現地取材の経験も豊富な編集長の佐野がお届けします。

【かち割りでツマむ】ちょい足しでさらにアレンジ

パルミジャーノ・レッジャーノは、長期熟成のハードチーズ。最低12ヶ月の熟成が必要ですが、日本でよく見かけるのは24ヶ月、つまり2年ほど熟成したものになります。

ワインのつまみでシンプルに楽しむなら、なんと言っても「かち割り」がおすすめです。夏の甲子園で有名になった「かち割り氷」に似た形状のカットなので、そう呼んだりしますが、氷ほど硬くないので切り方は簡単!

小さめの包丁の刃先を縦に入れて、少しひねるようにするだけで、ゴロッとしたカットができます。

写真は、パルミジャーノナイフまたはアーモンドナイフと呼ばれる専用ナイフでカットしているものになりますが、家にある小さめの包丁で大丈夫です。

これにバルサミコを垂らすだけで、高級感あるおつまみに変身!

さらに、クルミなどのナッツを添えてもいいですし、生ハムがあれば最高!中でもパルマハム(プロシュット・ディ・パルマ)やクラテッロは、パルミジャーノ・レッジャーノと同郷、エミリア=ロマーニャ州の食材ですから、合わないはずがありません。

生ハムについて詳しく知りたい方は「生ハム」の「生」って何?ワイン好きが知っておくべき【世界のハム】をチェック!

ペアリングワインも、ここは定番を押さえておきましょう。パルミジャーノやパルマハムと同様、エミリア=ロマーニャ州で造られる微発泡の赤、ランブルスコです。

甘口もありますが、パルミジャーノ・レッジャーノをつまみに飲むなら断然ドライなタイプがおすすめ。ブルーベリーや熟したチェリーのような果実味がしっかりとあり、軽い渋みも感じるワインで、舌をくすぐるような軽やかな泡がチーズのうま味を引き立ててくれます。

NV クエルチオーリ・レッジアーノ・ランブルスコ・セッコ/メディチ・エルメーテ
産地
イタリア・エミリア・ロマーニャ州
品種
ランブルスコ・サラミーノ、ランブルスコ・マラーニ
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(赤)

ランブルスコについて詳しく知りたい方は、イタリアの3種のスプマンテ【プロセッコ、アスティ、ランブルスコ】がコスパで世界を席巻中!をチェック!

【スライスでツマむ】熟成によるうま味をシンプルに味わう

日本では24ヶ月(2年)熟成のものをよく見かけるとお伝えしましたが、チーズ専門店などでは、36ヶ月(3年)以上の熟成表示があるものが販売されていることもあります。

パルミジャーノ・レッジャーノなどのハードタイプのチーズは、熟成が進むと生地の中に「白い粒」が斑点状に現れてきます。

「白い粒」の正体は、アミノ酸の結晶。熟成中にタンパク質が分解されて、チロシンというものが結晶化します。24ヶ月熟成でも現れていると思いますが、36ヶ月以上になるとかなり大きな結晶が見られるようになります。

「これ、カビじゃないの!?」と思った方は、試しに、キッチンペーパーなどで表面を拭ってみてください。もし拭い取れるようでしたらカビの可能性がありますが、おそらく拭い取れないと思います。

チーズのおいしさはいろいろな風味のバランスが大事なので、このチロシンの結晶が多ければ多いほどおいしいというわけではないのですが、“うま味たっぷり”というサインにはなります。

また、噛むとジャリっとした独特の食感もあって、とてもおいしく感じるポイントの一つと言えるでしょう。

先ほどご紹介した「かち割り」にして、じっくり噛み締めながら味わうのが定番の食べ方ですが、スライサーかピーラーでちょっと厚めに削ると口溶けがよくなり、少し軽やかな印象になります。

ちょい足しせずに、熟成によるうま味をシンプルに味わうには、スライスにして楽しむのもおすすめ。鼻からフッと抜ける香りも感じやすくなります。

そんな時は、しっかりした果実味があるランブルスコよりも、透明感とキレがあるスパークリングワインを。ただし、パルミジャーノ・レッジャーノと共鳴する熟成感も必須です。

ブラン・ド・ブランのシャンパンもいいですが、イタリアワインならフランチャコルタをぜひ。この「サテン」はフランチャコルタの中でも、やわらかい泡が特徴的なので、まさにぴったりです。

2015 フランチャコルタ・サテン・ヴィンテージ/コンタディ・カスタルディ
産地
イタリア・ロンバルディア州
品種
シャルドネ100%
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(白)

【削ってたっぷりかける】ミートソースのパスタがプロの味に

「パルミジャーノ・レッジャーノ=削ってかけるチーズ」というイメージは、皆さんも持っているかと思います。「市販の粉チーズしか使ったことがない」という方は、一度騙されたと思って体験してほしい!パイナップルやナッツのような香りも広がり、本当に“別物”なのです。

パルミジャーノ・レッジャーノは、ほどよい塩味と豊かなうま味が持ち味なので、日本人になじみ深いかつお節にとてもよく似ています。「何か一味足りないな」という時に、この天然のうま味調味料をひと削り。ちょっとした魔法のように、ワインに合う料理に変身してくれます。

その代表的な料理がミートソースの名でも親しまれている、ボロネーゼ。イタリア語の発音に近い表記をすると「ボロニェーゼ(bolognese)」となりますが、これも同郷エミリア=ロマーニャ州発祥の料理で、ボローニャの街の名がその語源です。

野菜や挽肉のしっかりした味わいがあるパスタに、うま味豊かなパルミジャーノ・レッジャーノ。ペアリングは、ベリーやチェリーの華やかな香りとみずみずしさが見事に引き出されたサンジョヴェーゼ種のワインをチョイス。バランスが取れ、エレガントさもあるこのキャンティ・クラシコ(キアンティ・クラッシコ)なら申し分なしでしょう。

2017 キャンティ・クラシコ/クエルチャベッラ
産地
イタリア・トスカーナ州
品種
サンジョヴェーゼ100%
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

レシピ【ゴロゴロ肉のボロニェーゼ】

レトルトのミートソースでも、パルミジャーノ・レッジャーノを削りかけ、キアンティ・クラッシコを合わせるだけで、家ごはんがかなりグレードアップしますが、「せっかくならボロニェーゼ(ragù alla bolognese)も作ってみたい!」という方のために、レシピをご紹介します。

(レシピ協力:「Antica Braceria Bell’italia」オーナーシェフ 井上裕一)

■材料(1人分)

タマネギ(みじん切り) 1/2個分
ニンジン(みじん切り) 1/3本分
セロリ(みじん切り) 1/4本分
牛挽肉 100g
豚挽肉 100g
鶏レバー  50g
生ハム(粗みじん) 30g
乾燥ポルチーニ 大さじ2杯(*水で戻し、みじん切りにしておく)

オリーブオイル 適量
トマトピューレ 250g
赤ワイン 50cc

お好みのパスタ(乾麺) 80g 

塩胡椒 適量
パルミジャーノ・レッジャーノ 適量

■作り方

[1]オイルを引いたフライパンで、みじん切りの生ハムと野菜を軽く炒め、少し色が変わる程度になったら、牛と豚の挽肉と鶏レバーを加え、さらに炒める。

[2]水分がなくなってきたら、水で戻したポルチーニを加え、全体がなじんだところに赤ワインとトマトピューレを加えて少し煮詰める。

[3] パスタを茹でて[2]に加え、全体を和えるようになじませたら皿に盛り、塩胡椒を軽く振り、仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりと削りおろしたら完成。

【保存方法】常備しやすく、初心者にこそおすすめ

チーズはワイン以上に保存方法に気を配らなければいけない食材ですが、パルミジャーノ・レッジャーノはかなり簡単に保存できるため、初心者にもおすすめのチーズです。

基本は、ワックスペーパー(クッキングシート)で包んで、密閉容器(密閉袋)に入れて冷蔵庫保存。これだけです。短い期間ならラップで包んでもいいのですが、ラップ独特のにおいが移りやすいので、ワックスペーパーがおすすめです。

また、冷蔵庫で長く保存していると、チーズの表面が蒸れたり、濡れたりすることがあります。水滴はカビの原因となりますので、そういう場合はキッチンペーパーなどで拭き取り、新しいワックスペーパーで包み直しましょう。

もし表面にポツポツとカビが生えてしまった場合は、カビとその周囲をまずはナイフや包丁で削り落とせばOK。少しチーズをカットしてみて、もし内部の生地全体にもカビが生えてしまっている場合は、残念ですが食べるのは諦めましょう。

当然ながら、酸化はしていくので、早めに食べきるのが原則ですが、長期熟成のハードチーズであるパルミジャーノ・レッジャーノは、保存のコツやおいしい食べ方を知っておけば、賞味期限に頼らず、常備しやすいチーズなのです。

イタリアワイン好きなら、筒入りのパルメザンは卒業⁉︎

「かち割り」「スライス」「削り」の3つの手法を知っておけば、家でも3倍楽しめるはず!イタリアワインを家でもおいしく味わってもらえるよう、今回は“イタリアチーズの王様”パルミジャーノ・レッジャーノの楽しみ方をたっぷり紹介しました。

スーパーやコンビニなどで市販されている筒に入った「パルメザン」の多くは、パルミジャーノ・レッジャーノを模して作られたチーズを粉状にしたものになりますので、“似て非なるもの”。香りも味わいも異なります。

パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアの原産地名称保護(D.O.P.)のチーズ。「パルメザン(Parmesan)」という言葉は、パルミジャーノの英語表記名でもあり、少なくともEU圏内では模倣・類似チーズにこの名称を使うことは禁止されています。

パルミジャーノ・レッジャーノは保存方法も簡単なので、おいしいワインの友として、ぜひブロックで買って、冷蔵庫に常備していただければと思います。

手軽な食べ方を実践して、お気に入りのイタリアワインを開けて…。古代ローマ時代から脈々と受け継がれてきたワイン&チーズで、家でもグルメ旅行気分に浸ってみましょう!

 

【チーズケーキ&ワイン】6種のタイプ別で学ぶペアリングのコツ

多種多様なチーズケーキ。「甘いものは普段あまり食べない」というワイン好きにも「チーズケーキは別!」という方は多いはず。それは、甘味と酸味だけでなく、塩味とうま味がプラスされたスイーツで、ワインにも合う要素が多いからかもしれません。

そこで今回は、6種のタイプ別のチーズケーキを軸に、ワイン好きのみなさんがよりおいしく楽しめるようなペアリングを、チーズプロフェッショナルでフランスチーズ鑑評騎士(シュヴァリエ)でもある編集長の佐野が考案。

味わいはもちろん、香りや食感も重要なポイントになります。

【チーズテリーヌ】ちょっと凍った食感も魅力のニューフェイス

ここ数年、日本でググッと頭角を現してきたのが、チーズテリーヌ。パウンド型を使って湯せんで焼く、シンプルな四角いチーズケーキです。

クリームチーズのほかに、サワークリームや生クリームを使うものが多く、なめらかでとろける口溶けが最大の特徴。イタリアのプリンを彷彿とさせるシンプルな見た目と食感が魅力で、半分凍ったくらいの状態で食べるのもまたおいしいと話題です。

このニューフェイスには、華やかな香りがあり、凛とした酸味も感じる上品なシロップのようなワインが最高にマッチ。遅摘みや凍結で糖度を上げたブドウから造られるフランス・アルザスやドイツなどのリースリングなら間違いなしです。

ベルンハルト・アイフェル / アウスレーゼ アンナベルク リースリング 500ml 2018
産地
ドイツ / モーゼル地方
品種
リースリング100%
タイプ
白ワイン - 甘口 - ミディアムフル

「甘口ワインはちょっと苦手…」という方は、さわやかな酸味とともにパイナップルのような熟した果実味があり、樽熟成によるバニラのような香りも兼ね備えたシャルドネを合わせてみましょう。

2018 ヤラ・ヴァレー・シャルドネ/ホドルス・クリーク・エステート
産地
オーストラリア
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムフル辛口 白

【バスクチーズケーキ】すっかり定着した香ばしねっとり系

日本でもすっかり定着したバスクチーズケーキ。発祥は、スペイン北東部にあるバスクのサン・セバスチャンの店「ラ・ビーニャ(La Viña)」。世界有数の美食の街にあるこの店の名物「タルタ・デ・ケソ(Tarta de queso)=チーズケーキ」が、郷土の名前“バスク”を伴って、日本にも広まったというわけです。

詳しくは【ブルーチーズ香るバスク風チーズケーキ】簡単だけどワインに合う!プロ直伝のレシピ をチェック!

たっぷりのクリームチーズを使い、小麦粉はほんの少ししか入れないので、中身はクリーミーでトロトロ。冷蔵庫でしっかり冷やせば、ねっとりとした食感になります。

しっかりとついた焦げ目も、バスクチーズケーキの大きな特徴。その香ばしさを受け止めながら、クリーミーで濃厚な味わいを一段引き上げてくれるのは、同郷スペインのテンプラニーリョの赤ワイン。

アメリカンチェリーのような果実の香りとともに、大樽熟成からくるちょっと燻したようなアロマがアクセントになって、ケーキを食べる手が止まらなくなるはずです。

マルケス・デ・カセレス / グラン・レゼルヴァ 2011
産地
スペイン / ラ・リオハ州 / リオハ
品種
テンプラニーリョ85%、ガルナッチャ・ティンタ(グルナッシュ)8%、グラシアーノ7%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【NYチーズケーキ】ベリーのジャムも欠かせない濃密ストロング系

クリームチーズたっぷりで、食感も味わいもバスクチーズケーキ以上に濃密なのが、ニューヨークチーズケーキ。レシピに定義はありませんが、小麦粉ではなくコーンスターチを使うことで、あの濃密な生地が出来あがります。

下地にはグラハムクッキーを使うことが多く、その塩味と香ばしさ、ザクザクした食感もポイント。また、ブルーベリーやイチゴなどのジャム(ソース)が添えられているのも定番です。

こってりしたチーズ生地、クッキーのベース、ベリー系のソースというストロングスタイルなので、複雑で華奢な風味のワインでは釣り合いがとれません。ここは、ジャムのような果実味としっかりしたアルコール感がある赤ワインで、がっぷり四つに構えましょう。おすすめは、凝縮感のあるジンファンデルです。

クライン / オールド・ヴァイン ジンファンデル ロダイ 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / セントラル・ヴァレー / ロダイ
品種
ジンファンデル
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

【スフレチーズケーキ】あなたはふわふわ派?しっとり派?

どっしりしたニューヨークチーズケーキの対極にあるのが、スフレタイプのチーズケーキ。実は、日本が発祥と言われています。

日本人が大好きなふわふわの食感とやさしい甘味。生クリームの代わりに牛乳を使用したり、メレンゲを混ぜたりすることで、この“癒し系”の味わいが生まれます。

スフレチーズケーキは1990年代、大阪を中心に一大ブームに。最近は「台湾カステラ」が日本で人気ですが、もともとカステラの食文化が根付いていたことも、スフレチーズケーキの人気に一役買っていたのかもしれません。

今やヘルシー嗜好の流れもあって海外でも作られていますが、「ジャパニーズ・チーズケーキ」という呼び名もあるのだとか。

ふんわり食感とやさしい口溶けには、スパークリングの赤ワインがおすすめ。やや甘口でベリーの風味がよく合います。

ブヴェ・ラデュべ / ルビー・エクセランス ドゥミ・セック N.V.
産地
フランス / ロワール地方
品種
カベルネ・フラン、ガメイ、グロロー
タイプ
赤スパークリングワイン - 中甘口(セミスイート) - ミディアムフル

また、“ふんわり”というより“しっとり”とした感じのスフレチーズケーキの場合は、アンズと紅茶の香りがあるオレンジワインがぴったり。

伝統的なルカツィテリという品種から造られ、クヴェヴリと呼ばれる素焼きの粘土製の甕容器で発酵熟成させたワインには、ほどよい酸味と渋みもあり、あと一口を誘います。

2018 スリー・クヴェヴリ・テラスズ・ルカツィテリ/パパリ・ヴァレー
産地
ジョージア・カヘティ
品種
ルカツィテリ100%
タイプ
ミディアムフル辛口 オレンジ(アンバー)

【レアチーズケーキ】柑橘の酸味が決め手のさわやか系

しっとり系でもフレッシュな酸味を楽しめるのが、レアチーズケーキ。

クリームチーズや生クリームなどの具材をゼラチンで冷やし固めたり、レモンの酸によってチーズのタンパク質を凝固させたりして、焼かずに作られるため“レア(生)”と呼ばれています。

日本のチーズケーキシーンの中では意外と古参で、1960年代に登場。真っ白なビジュアルとさわやかな味わいで、ロングセラーとなっています。

レモンのフレーバーと乳脂肪のコクに合うのは、フレッシュなマスカットの香りがある、ほんのり甘いスパークリングワイン。イタリア・ピエモンテ州で造られるアスティ・スプマンテが最も有名ですが、南米ブラジルのワインにベストな1本を発見!

マスカットらしい香りはもちろん、バラやジャスミンなどのアロマも特徴的で、酸味と甘味のバランスがよく、さわやかな後味。口当たりもクリーミーです。

NV インテンソ・スパークリング・マスカット/サルトン
産地
ブラジル
品種
モスカート
タイプ
ミディアムライトやや甘口 スパークリング(白)

【ベイクドチーズケーキ】チーズの風味をダイレクトに感じる基本系

ラストにご紹介するのは、基本のベイクドチーズケーキ。

バスクチーズケーキやニューヨークチーズケーキも“焼く”ので、ベイクドチーズケーキの一種ですが、ここでは、クリームチーズと小麦粉が基本材料で、オーブンでこんがり焼き上げたチーズケーキを取り上げたいと思います。

小麦粉が入ることでしっかりとした食感が生まれ、チーズそのものの味わいが楽しめるのが特徴。クリームチーズをベースに、ゴーダやカマンベールなどのチーズをブレンドして、より“チーズ感”を高めたものもあります。

焼き上げによる香ばしい風味と、素材としてのチーズの味わいを素直に高めてくれるのは、リンゴのアロマとほんのりトーストのような香ばしさがあるスパークリングワイン。

シャンパンはもちろんよく合いますが、「高価なワインはちょっと…」という方には、チリやオーストラリアのシャルドネの泡がおすすめです。

NV フォーク&スプーン・スパークリング・ブリュット/ヤランバ
産地
オーストラリア
品種
シャルドネ
タイプ
ミディアムライト辛口 スパークリング(白)

チーズケーキ&ワインで、大人のリラックスタイムを

世界にはもっとたくさんのチーズケーキがあります。イタリアンでおなじみの「ティラミス」もマスカルポーネというフレッシュチーズを使っているので、チーズケーキの一種と言えますし、チョコレート味や抹茶味といったフレーバー展開もあります。

スイーツのペアリングには、コーヒーや紅茶が定番。渋み(タンニン)や苦みを重ねることで甘味を中和し、口の中をさっぱりさせてくれる効果があるからです。

でもチーズケーキの場合は、ほかのスイーツと比べると食感や風味のバリエーションが多いので、同じく多種多様な要素を持つワインもおすすめです。

チーズケーキ&ワインのペアリング。

家でもちょっとしたレストラン気分が味わえるので、6種のタイプ別での今回の考案を参考にしつつ、みなさんもぜひお試しください。

 

【家飲み】を楽しむヒント10選!ワインの保存と活用、飲み残しアレンジ、カレーやつまみに合うワイン

長引く家飲みの日々。友達と気兼ねなくしゃべりながらワインと外食を楽しみたいところですが、まだ難しいのも事実…。

そこで、ワイン好きの方が家飲みを120%楽しんでもらえるよう、このWINE@マガジンの「家飲みをもっとおいしく」のシリーズから、すぐに役立ちそうな10本をご紹介します。

ワイングラスは買わなくても楽しめる!

「たまにはワインでも飲もうかな?」と思っても、ワイングラスを持っていない人も多いのではないでしょうか。

普段足をよく運ぶスーパーやコンビニでも、様々な種類のワインが販売されています。ワインは気軽に買えるのに「グラスがないから飲めない」なんて思っていたらもったいない!

極論、どんな器で飲んだっていいんです。

結論を先に出してしまいましたが、これだけだとこの記事がここで終わってしまうので(笑)、ワイングラスがなぜあの形状なのかを説明しつつ、コップでもタンブラーでもなんでもOK!の理由を示したいと思います。さらに、家庭によくある器の中で、より最適なものをご紹介します。

【初心者お悩み解決】ワインって、ワイングラスで飲むべきもの?こちら

ワイン1本の楽しみ方は、一つじゃない!

「ワインって、開けたら1本飲み切らないといけないんでしょ?」と言われることが度々あります。

確かに、一度開けたワインの保存性はそれほど高くありませんが、「絶対飲み切らないといけない」というわけでもありません。むしろそのせいで、自宅でワインを飲む機会が減っているのだとしたらもったいないことです。

一度に飲み切れなくても大丈夫!ワイン好きが自宅で1本のワインをどのように楽しんでいるのかを具体的にご紹介します。

ボトル1本飲みきれない!残ったワインの保存と活用こちら

おウチでサングリア!サステナブルな楽しみ方(1)

「このワイン、あまり好みじゃなかったなぁ…」とか「一度に飲みきれなくて冷蔵庫に入れっぱなしだなぁ…」なんて経験はありませんか?

1本を飲みきれず、劣化させてしまいがちな飲み残しワインは、“おウチでサングリア”で解決!手軽に作れて、おいしく楽しめるサングリアにアレンジして、癒しの時間を過ごしてみましょう。

ただし家で作るときの大事な注意点もあります。詳しくは記事をチェック!

カンタン&癒される “おウチでサングリア”!飲み残しワインのおいしいアレンジ術こちら

ワイン×炭酸飲料でカクテル!サステナブルな楽しみ方(2)

ワインと炭酸飲料をミックスして、スパークリングワインのようなワインカクテルにして楽しもう!という企画です。

「1:1の割合で割って氷を入れるだけ」で、すぐに冷たいシュワシュワを楽しめる手軽さ。「アロマティックな白×極辛ジンジャーエール」や「渋みもあるパワフル赤×スタンダードなコーラ」など、ワイン通の編集部のメンバーが実際に味わって、選び抜いたおすすめの5種をご紹介します。

ワイン×炭酸飲料で【スパークリングワイン風カクテル】に!編集部で飲んで選んだベスト5こちら

氷を入れてオンザロックもあり!? サステナブルな楽しみ方(3)

「今ひとつ好みじゃなかった」というワインも、温度を変えるとおいしく感じられたりすることがあります。温度帯はとても大事。感じる香りや味わいに大きな差が出てきます。

例えば、溶けて液状になってしまった“フルーツシャーベット”。食感の変化はもちろんのこと、やたらと甘くて食べる(飲む?)のはあきらめた…という経験はありませんか?

そこで、世界各国でも楽しまれているスタイルをベースに、おすすめの変化球的な飲み方を伝授。基本を知ったうえでのアレンジができれば、ワインはもっと自由に楽しめるはずです。

「冷やし赤ワイン」や「オンザロック」もアリ!温度帯の基本とおすすめの変化球的な飲み方こちら

カレー好き必読!ペアリングワインの選び方を伝授

ワインテイスティングの前には、カレーなどの刺激物は摂らないのが基本。でも「カレーを堪能すること」が目的なら話は違ってきます。カレーは辛さだけじゃない!様々なスパイスの香りとうま味豊かな味わいがあり、それらを引き立ててくれるのがワインなのです。

「ワインもカレーも大好き!」という編集部メンバーが気合を入れて、今回は8種のペアリングを選出。

最近は市販のレトルトカレーも多種多様。家ごはんでも色々なカレーを楽しめるようになりましたので、カレーをタイプ別に分けて、おすすめのワインを紹介しています。

香りと味を引き立てる!【カレー×ワイン】編集部おすすめのペアリング8選こちら

缶詰のつまみも簡単アレンジ!カバで気軽に

家飲みで手軽にワインを楽しみたい。そんな日常の強い味方となってくれるワインの一つが、Cava(カバ)でしょう。

カバは、原産地呼称D.O.を持つスペインのスパークリングワインですが、1,000円台から買えて、しかもシュワシュワ感も心地良くて、最高!リーズナブルなのにシャンパンと同じ製法で造られるカバは、コストパフォーマンスの点でも優れています。

「手軽でコスパ最高!」という点では、昨今の“缶詰フード”もそう。種類が豊富で、コンビニやスーパーでの品揃えも充実しています。

そこで「カバと缶詰フードのペアリング」がテーマ。カバと一口に言っても実は様々なものがあるので、特徴があって入手しやすい3タイプごとに、ペアリングのポイントやコツをご紹介します。

【Cavaカバ】3タイプと缶詰フードのペアリング!家で手軽に楽しむコツを伝授こちら

居酒屋的な惣菜やおかずも、ワインで!

「家ではフレンチやイタリアンというよりも、お惣菜系のつまみでビールやチューハイを飲む方がお手軽なんだよな…」なんて思っている方、いませんか?

そんなあなたにぜひ試してほしいのが、“ワインdeおウチ居酒屋”。 

家ごはんでも居酒屋でもおなじみの晩酌メニューに、どんなワインを合わせたらおいしく楽しめるかを、具体的にお教えします。

最後にペアリングの4つの基本ポイントも伝授しますので、それを参考にしながら自分なりのおいしい組み合わせを見つけるもよし!居酒屋的定番つまみを、夜な夜なワインで楽しみましょう。

4つの基本ポイントも伝授!夜な夜な楽しむ「ワインdeおウチ居酒屋」のススメこちら

“海ワイン”とは?家飲みでもバカンス気分を

夏と海。リゾート地に行かなくても、ちょっとウキウキとした夏気分を家で楽しむために、ワインが一役買ってくれることがあります。

海の影響を受けて育まれるブドウから醸されるワインには、多様な魅力あり。

「ワインは好きだけれど、家では時々しか飲まない」「ワインをどう選んで買ったらいいのかわからない」というビギナーの方にも夏気分を感じてもらえるように、“海ワイン”の話をお届けしています。

編集部おすすめ“海ワイン”10選【海洋性気候と地中海性気候】とは?こちら

有名ソムリエが選ぶ!1,000円台のワイン10本

「家飲みで日常的に楽しむワインは、手頃な価格でおいしいものを選びたい」と思っている皆さんのために、1,000円台限定で絶対に外さないワインを10本ご紹介!

ワインの知識に長けている有名ソムリエ(WINE SELECTORS)が厳選した“コスパワイン”のみをご紹介します。

家ごはんのメニューも想定しながら、スパークリング、白、ロゼ、赤のオールジャンルからおすすめの10本をセレクトしています。

【1,000円台限定】でトップソムリエが厳選!珠玉のコスパワイン10選こちら

10選の記事のなかで、参考になるものはあるものはありましたでしょうか?今は、家飲みだからこそできるワインの楽しみ方をぜひ追究してみましょう。

「少しでも皆さんが日々を楽しく過ごしていただければ!」と願いつつ、WINE@マガジン編集部一同、これからもワインにまつわる情報をお届けしていきます。

 

【1,000円台限定】でトップソムリエが厳選!珠玉のコスパワイン10選

ワイワイと外食でワインを楽しむのがまだ難しい日々。「家飲みで日常的に楽しむワインは、手頃な価格でおいしいものを選びたい」と皆さんも思っているのではないでしょうか。

そこで今回は、1,000円台限定で絶対に外さないワインを10本ご紹介!ワインの知識に長けている有名ソムリエ(WINE SELECTORS)が厳選した“コスパワイン”のみをご紹介します。

家ごはんのメニューも想定しながら、スパークリング、白、ロゼ、赤のオールジャンルからおすすめをセレクトしています。

WINE SELECTORSとは

ワインの知識に長けている有名ソムリエやシェフが、季節や様々なシチュエーションに合うおすすめのワインを紹介。ソムリエやシェフの普段は見えないプロフィール(出身、休日の過ごし方、好みの料理など)も分かるので、自分好みのワインを選ぶ強い味方になってくれます。

■詳しくは こちら

【スパークリング】ならこの2本!

シュワシュワっとした口当たりは、1年を通じて人気ですが、特に暑い季節には必須のワイン!高価なシャンパンはちょっと無理ですが、「家飲みには十分!」「2,000円でおつりがくると思うとリピートしたくなる!」という、高品質なスパークリングワインを2本ご紹介します。

これぞ王道のカバ、その魅力を再認識する!

決して奇をてらわず、実直に。そんな生産者の誇り高き精神がひしひしと伝わってきます。パレリャーダ、マカベオ、チャレッロの伝統的な品種構成に、シャルドネのストラクチャーをプラス。

決してメジャーな生産者ではありませんが、いぶし銀の魅力、カバの魅力がしみじみ伝わってくる1本です。

後味に心地よい苦みがあるので、山菜の天ぷら、魚介のフライ、鶏ささみともやしのナムルなどと好相性。「バランスが良い」って、こういうことなんです!(WINE@トップソムリエ 櫻井一都

2016 カバ・ブリュット・レセルバ/スマロッカ
産地
スペイン・カタルーニャ州/ペネデス
品種
パレリャーダ、マカベオ、チャレッロ、シャルドネ
タイプ
ライトボディ辛口 スパークリング(白)

太陽が似合うイタリアの赤い泡

赤い果実のアロマに、シュワシュワした泡の刺激で爽快感のある後口。プラスティックのカップで飲んでもおいしい、お手頃価格な1本!

BBQには、ランブルスコと心得てください。特に、このワインは味わいがドライで重さが残らないので、生ハムやサラミはもちろん、豪快に焼いた肉料理の脂もすっきりさせてくれます。

甘辛い味付けにも合うので、締めはソース焼きそばで。揚げ物にもオススメです!(WINE@トップソムリエ 矢野航

NV クエルチオーリ・レッジアーノ・ランブルスコ・セッコ/メディチ・エルメーテ
産地
イタリア・エミリア・ロマーニャ州
品種
ランブルスコ・サラミーノ、ランブルスコ・マラーニ
タイプ
ライトボディ辛口 スパークリング(赤)

【白ワイン】ならこの3本!

さっぱりした料理との相性が良い白ワイン。暑い季節は樽の香りが効いたコク豊かなタイプよりも、キリッと冷やして、スッキリ爽やかに楽しめるものを!おすすめの3本はこちらです。

日本の夏を鮮やかに彩る、ニュージーランドの白

こちらは、ニュージーランドを代表する造り手。パッションフルーツやレモングラスなどのハーブの香りが心地よく、果実味はジューシーで充実感があります。

酸味も美しく、直線的なインパクトを与えてくれので、親しみやすく、飲み疲れのしないワインです。

ライムやパクチー、ショウガなどを効かせたアジア系料理にぴったりの1本。生春巻き、バインミー、シンガポールチキンライス、魚介のマリネ…テイクアウトやデリバリーのエスニック料理とカジュアルに合わせましょう。(WINE@トップソムリエ 野坂昭彦

2020 プライベート・ビン・ソーヴィニヨン・ブラン/ヴィラ・マリア
産地
ニュージーランド
品種
ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 白

魚介好きなら押さえておきたい、海のニュアンスを持つワイン

レストランのペアリング提案でも、アルバリーニョは頼りになるブドウ品種です。

ポルトガルは青魚などの魚介を食べる食文化があり、日本の食卓への親和性が高いため、ポルトガルワインも和食に合わせやすい。ワインの後味に残るほのかな塩味が、料理にうまく寄り添ってくれます。

このワインは、カジュアルラインの価格ながら、クオリティが抜群。牡蠣のアヒージョ、魚介のマリネ、オイルサーディン、寿司…海の幸が好きな方には、ぜひ知っていただきたいと思ってセレクトした1本です。(WINE@トップソムリエ 田邉公一

2019 アロ/ソアリェイロ
産地
ポルトガル・ミーニョ
品種
アルバリーニョ、ロウレイロ
タイプ
ミディアムライト辛口 白

スペイン生まれ、気分爽快すっきりワイン!

すっきり爽やかなワインは数あれど、このワインのフレッシュ感と親しみやすさは、他の追随を許さない。単に爽快感があるのではなく、しっかりした構成を持っているのが特徴です。

柑橘の皮やハーブの香りに丸みのある酸。気分が浮き立つ春から夏まで、心地よく過ごすのにうってつけの味わい。

グリーン系の香りがあるので、野菜料理とともに。程よいボリューム感は、海老が入ったタイ料理のヤムウンセンや中華の春雨サラダなど、辛さや香りにアクセントがあるものとも好相性です。(WINE@トップソムリエ 櫻井一都

2016 ラ・グランハ・360・ベルデホ・ビウラ
産地
スペイン
品種
ベルデホ、ビウラ
タイプ
ライトボディ辛口 白

【ロゼワイン】ならこの2本!

欧米では近年、ロゼワインが大人気。特に夏は、冷やしたドライなロゼを飲むのが、ワイン好きの証だとか。白ワインと赤ワインの両方の要素を持つので、合わせる食事の幅が広いのも魅力。家飲みでも大活躍すること、間違いなし!の2本をご紹介します。

充実のクオリティ、説得力のあるロゼ

世界に誇る高品質スパークリングワインの造り手として、多くの賛美を浴びてきた南アフリカのグラハム・ベックが手がけるロゼ。造り手の手腕やストーリーに目を向けるのも、ワインの楽しみです。

しっかり冷やして、気を遣わずに飲めるロゼ。ピンクグレープフルーツやフローラルな香り、ほのかにマッシュルームの印象。

カジュアルなのに、単調ではないから、スモークサーモン、フレッシュトマトと生ハムのサラダ、海老のシュウマイといった家ごはんの時でも重宝します。(WINE@トップソムリエ 田邉公一

2017 ゴージャス・ロゼ/グラハム・ベック・ワインズ
産地
南アフリカ
品種
ピノ・ノワール
タイプ
ライトボディ辛口 ロゼ

元気いっぱい!グラマラスなロゼ

南イタリアらしい、完熟した果実のエネルギーがたっぷり。ブラックベリーや赤パプリカに、アニスなどのオリエンタルスパイスのニュアンス。

「プーリア州=安酒エリア」のイメージをお持ちの方もまだ多いと思いますが、優れた生産者も続々登場しています。この単調ではない力強さ、肉好きなら味方につけておかないともったいない!

家飲みなら、肉々しいソーセージや豚肉の生姜焼き、焼鳥などに合わせて楽しんでみてください。(WINE@トップソムリエ 矢野航

2018 サトゥルニーノ・ロザート/テヌーテ・ルビーノ
産地
イタリア・プーリア州
品種
ネグロ・アマーロ
タイプ
ミディアムフル辛口 ロゼ

【赤ワイン】ならこの3本!

「夏バテ防止にパワーをつけよう!」「暑くてもガッツリ系の料理が食べたい!」…そんな時、ワイン好きなら赤ワインを飲まないわけにはいきませんね。安いだけじゃない、味わいにも絶対の自信あり!という3本を紹介します。

チリ=コスパではない!超ハイクオリティワイン。

世界的名声を誇る醸造家2人(チリの名醸造家フェリーぺ・トッソ氏とオーストラリアの名醸造家ジョン・デュバル氏)のドリームチームで造られただけあり、完成度は間違いなく世界レベル。

香り豊かで、ブラックベリーやリコリス、ビターチョコレート、樽に由来するヴァニラ香が感じられます。単に力強いのではなく、すべての要素がバランスよくコントロールされ、満足度の高い味わいです。

焼肉、タレの焼鳥、ビーフシチュー、プルコギにピッタリ。コスパだけでなく味わいで勝負できるチリワイン、注目して損はありません!(WINE@トップソムリエ 野坂昭彦

2018 レセルバ・カベルネ・ソーヴィニョン/ヴェンティスケーロ
産地
チリ
品種
カベルネ・ソーヴィニョン
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

スペインのピノ・ノワール!?「メンシア」を知る1本

メンシアというブドウは、いわば“ザ・スペインワイン”とも言うべき品種で、今のスペインを理解しようとする時には外せません。よく「スペインのピノ・ノワール」と称されますが、このワインにはそれ以上のクオリティがあると思います。

赤系果実が香り、味わいは緻密でしなやか、キュートな酸も魅惑的。ビエルソという産地の個性も巧みに表現されていて、軽やかでフレッシュな味わいが存分に楽しめる仕上がりです。

この軽やかさに寄り添わせるには鶏料理がおすすめ。鶏の照り焼は王道のマリアージュです。それ以外ではパテ・ド・カンパーニュも良いでしょうし、あるいは青椒肉絲などを合わせてもユニークなペアリングになります。(WINE@トップソムリエ 櫻井一都

2018 メラヨ・ホーベン・メンシア/ボデガス・イ・ヴィニェードス・メラヨ
産地
スペイン・ビエルソ地区
品種
メンシア
タイプ
ミディアムライト辛口 赤

モンタルチーノのメッケモン!コスパの高い1本

トスカーナ州シエナ県のモンタルチーノは、イタリアでも指折りのワインの名産地。この名産地の、この見事なブレンドで、この熟成感で、このお値段は、まさにお買い得!自信を持って、「モンタルチーノ1番のコストパフォーマンス」とおすすめできます。

実は、現地でこのワインと出会い、衝撃を受けて、住所を調べて伺ったという思い出があります。エッジに褐色を帯びたグラデーションのあるガーネットの色調。ダークチェリーやオリーブの香りに、グローブなどの甘いスパイス香が加わる見事な構成です。

家飲みなら、ローストビーフをお取り寄せして、キノコのソテーなどを添えて合わせてみてはいかがでしょう?(WINE@トップソムリエ 矢野航

2012 ロッソ・ディ・トスカーナ/レッチャイア
産地
イタリア・トスカーナ州
品種
サンジョヴェーゼ・グロッソ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ
タイプ
ミディアムフル辛口 赤

WINE@トップソムリエたちがおすすめする1,000円台限定で絶対に外さないワイン10本、いかがでしたでしょうか。どれも、ソムリエたちの“ワイン愛”がたっぷり詰まったワインセレクトになっています。在庫切れの場合は、ご容赦ください!

シリーズ「家飲みをもっとおいしく」では、他にも、カレー×ワイン缶詰フードとのペアリング残ったワインの保存と活用など、お役立ち情報満載の記事を展開中。ぜひ、そちらも活用いただき、家飲みでワインを存分に楽しんでください。

 

ワイン×炭酸飲料で【スパークリングワイン風カクテル】に!編集部で飲んで選んだベスト5

スパークリングワインは、シュワシュワっとした泡が命。ボトルキーパーで栓をしていても少しずつ炭酸が抜けていってしまうのは致し方ありません。

■ワインの保存や活用法については、ボトル1本飲みきれない!残ったワインの保存と活用 を参照

そこで、今回は“発想の転換”!

お手軽なワインと炭酸飲料をミックスして、スパークリングワインのようなワインカクテルにして楽しもう!という企画です。

「1:1の割合で割って氷を入れるだけ」で、すぐに冷たいシュワシュワを楽しめる手軽さ。ワイン通の編集部のメンバーが実際に味わって、選び抜いたおすすめの5種をご紹介します。

アロマティックな白×極辛ジンジャーエール

白ワイン×ジンジャーエールの組み合わせに少しレモンジュースを足すと、一般的には「オペレーター」と呼ばれるカクテルになります。その名の由来は諸説あるようなのですが、航空機の操縦士(オペレーター)が好んで飲んでいたからという説があります。

この「オペレーター」を、ワイン通が集う編集部で徹底検証。

ヴィオニエ種などのトロピカルな香りと果実味がしっかりある白ワインに、ピリピリと舌を刺激する極辛口のジンジャーエールを組み合わせると、抜群においしい!レモンジュースを足さずに、ちょっと厚めに切ったレモンスライスを仕上げに入れるだけでも良さそうです。

クライン / ヴィオニエ ノース・コースト 2019
産地
アメリカ / カリフォルニア州 / ノース・コースト
品種
ヴィオニエ
タイプ
白ワイン - 辛口 - ミディアムライト

ちなみに、赤ワインを使うと「キティ(子猫)」というカクテルになります。可愛らしい名前ですが、こちらは意外とトンテキやタレの焼鳥などの濃い味の肉料理と相性が良いカクテルです。

コク豊かでボディのある白×甘いソーダ水

白ワインをジンジャーエールではなく、トニックウォーターで割ると「スプリッツァー」ビールで割ると「ビアスプリッツァー」と呼ばれるカクテルになります。オーストリアのザルツブルク発祥のようで、語源は「はじける、飛び散る」という意味があるドイツ語の「シュプリッツェン(Spritzen)」だとか。

編集部では独自性とおいしさを追究し、トニックウォーターを甘味があるソーダ水(サイダー)にチェンジ!コクとボディのある辛口の白ワインを使って、これも1:1の割合で割って氷を入れるだけです。

ベストマッチのワインは、ソーヴィニョン・ブラン主体の少しだけ樽香が効いたボルドーの白。清涼感を求めるなら、同じソーヴィニョン・ブランでもニュージーランドのものがおすすめです。

2014 ガスパール・エ・リサ・ボルドー・ブラン/シャトー・ド・ロランジュレ
産地
フランス・ボルドー地方
品種
ソーヴィニヨン・ブラン
タイプ
ミディアムライト辛口 白

色はちょっと濃いめのドライなロゼ×炭酸オレンジ

お次は、ロゼワインで探究。ワインカクテルには、ピンクグレープフルーツのジュースで割った「ロゼ・パンプルムース」というものがあるそうなので、それにヒントを得て考案してみました。

まずワインは、イタリアやスペインのリーズナブルな辛口ロゼを。セニエ法で造られたロゼは色が濃いめで、フランス・ローヌの「タヴェル・ロゼ」などでももちろんOKですが、“割りもの”はなるべくお手頃なワインで楽しみたいものです。

セニエ法について知りたい方は、ワインの造り方から見る、色合いと味わい~ロゼワイン・オレンジワイン編 を参照

同量で割るのは、柑橘の炭酸飲料。グレープフルーツではなく、手に入りやすい炭酸オレンジで試したところ相性抜群でした。

ちょっと濃いめのロゼ、そしてオレンジも“地中海エリア特産”ということで、仕上げとして、同郷でよく使われるハーブ、ローズマリーをプラス。香りがグッと豊かになり、“大人リゾート”の気分を演出してくれました。

テヌーテ・ルビーノ / サトゥルニーノ ロザート 2018
産地
イタリア / プーリア州 / ブリンディジ
品種
ネグロ・アマーロ100%
タイプ
ロゼワイン - 辛口 - ミディアムフル

渋みもあるパワフル赤×スタンダードなコーラ

日本でもじわじわと人気が高まっているのが「カリモーチョ」赤ワイン×コーラの超簡単ミックスカクテルです。

発祥は諸説あり。スペインの植民地だったメキシコで生まれ、スペイン・バスク地方で人気に火がつき、世界へと広まっていったというのが通説。

名前の由来は、考案した二人のウエイターの名前をミックスしたという説があり、ラム酒をコーラで割って作る「クーバ(キューバ)・リブレ」になぞらえて、“貧乏人のクーバ・リブレ”と呼ばれたりもするのだとか。

「ちょっと余っちゃったな」という赤ワインでOKですが、コーラとの相性からすると、渋みも果実味もしっかりした赤がおすすめ。今回はカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンを使ってみましたが、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンあたりは、コンビニやスーパーでも買えるお手頃ワインなので、ちょうどいいと思います。

最後に、レモンかライムをきゅっと一搾り!フレッシュミントも添えれば完璧です。この“ラテンのシュワシュワ”は、なんだかクセになる味です。

キャッスル・ロック / カベルネ・ソーヴィニヨン コロンビア・ヴァレー 2018
産地
アメリカ / ワシントン州 / コロンビア・ヴァレー
品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムフル

ブドウジュース特有の風味がある赤×乳酸菌ソーダ飲料

「初恋の味」というキャッチフレーズが生まれたのは、なんと100年前。日本ではおなじみの乳酸菌飲料「カルピス」に、その半量くらいの赤ワインを混ぜたロマンチックハーモニーというカクテルがあるというので、編集部では「炭酸入りの“カルピスソーダ”で作ったらどうなるか?」をテーマに、相性の良い赤ワインを探究してみました。

味わいとしてイメージしたのは、オーバー40にはちょっと懐かしい「グレープ カルピス」。巨峰、コンコード、マスカット・ベーリーAなど、食用でもあるブドウ原料の赤ワインが、カルピスソーダにピッタリきました。

こうした食用ブドウは、アメリカ系ブドウ品種(ヴィティス・ラブルスカ系の交配品種)で、フォクシー・フレーバーと呼ばれる、ブドウジュースの甘い独特の風味があるのですが、そのニュアンスが絶妙に“グレープカルピス感”を生み出すようです。

また、もとにした「ロマンチックハーモニー」というカクテルでは、カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインを使うことが多いようなので、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンで試してみるのも良いかもしれません。

都農ワイン / 牧内 プライベート・リザーブ マスカット・ベーリーA 2016
産地
日本 / 宮崎県 / 都農町 / 牧内
品種
マスカット・ベーリーA100%
タイプ
赤ワイン - 辛口 - ミディアムライト

気が抜けたスパークリングも、フルーツや炭酸飲料を使ったサングリアに

最後に、抜栓して泡がなくなってしまったスパークリングワインのアレンジ術の話も。

フルーツやスパイスを足しつつ、炭酸飲料を活用した「サングリア」にして、おいしくワインを飲み切るというのも知っておいていただきたいアレンジ術です。

サングリアのレシピについてはカンタン&癒される“休日サングリア”!飲み残しワインのおいしいアレンジ術 をぜひチェックしてみてください。

今回ご紹介した編集部おすすめの5種も参考にしていただき、無駄なく、おいしく、簡単にシュワシュワしたワインカクテルを家飲みで楽しみましょう!

 

「冷やし赤ワイン」や「オンザロック」もアリ!温度帯の基本とおすすめの変化球的な飲み方

ワインに限らず、おいしく飲んだり食べたりするために、温度帯はとても大事。感じる香りや味わいに大きな差が出てきます。

例えば、溶けて液状になってしまった“フルーツシャーベット”。食感の変化はもちろんのこと、やたらと甘くて食べる(飲む?)のはあきらめた…という経験はありませんか?

ワインをおいしく味わうためには、まず基本の温度帯を知ること。今回はそこから始めますが、実はその先にもおいしい楽しみ方があります。ワインの知識があって普段からよく飲む人は、基本を知っているがゆえに、かえってワインの可能性を狭めてしまっているかも!?

そこで、世界各国でも楽しまれているスタイルをベースに、おすすめの変化球的な飲み方を伝授。基本を知ったうえでのアレンジができれば、ワインはもっと自由に楽しめるはずです。 

ワインをおいしく飲むための【基本の温度帯】

まずは、基本の温度帯を把握しておきましょう。カギとなるのは酸味と渋みと甘味。冷たいと、酸味と渋みは際立ち、反対に甘味は抑えられる傾向にあります。逆も然り。酸味と甘味の点では、冒頭のシャーベットの例が物語っていますね。

ここでは、ワインのタイプ別による一般的な指標をご紹介します。

■白ワイン
・辛口:7~14℃
・甘口:5~8℃

タンニンによる渋みが少ない白ワインは、冷やして飲むのが基本。でも、樽熟成や熟成感のあるものは、少し高めの温度(15〜16℃)の方が香りや複雑味を感じることができるので、おいしく楽しめるものが多いと思います。甘口の白ワインは冷やして。飲む前に3〜4時間くらいは冷蔵庫に入れておきましょう。

■赤ワイン
・ライトボディ:10~12℃
・ミディアムボディ:13~16℃
・フルボディ:16~18℃

赤ワインはタンニンを含んでいますので、渋みがポイント。ボディ(アルコール度や果実の凝縮感など)も影響してきます。白ワインより少し高めの温度帯が基本で、一般的に「室温で」と言われますが、高温多湿の日本の室温のことではありませんので、間違えないように!

■ロゼワイン
・辛口:7~14℃
・中甘口:7~10℃

白ワインと赤ワインの両方の要素を持つロゼですが、温度帯としては白ワインと同様に考えてOKです。数としては少ないですが、凝縮感や熟成感のあるロゼは、少し高めの温度(15〜16℃)でもいいと思います。

■スパークリングワイン
・一般的なスパークリング:5~8℃
・シャンパン:4~10℃

シュワシュワとした泡が重要な要素ですから、冷蔵庫でしっかり冷やすのが基本です。甘口のものは特にしっかりと!ワインクーラーの氷水で冷やす時も、ボトルのネック部分までちゃんと冷やしましょう。一方、熟成感のあるシャンパンなどは、複雑な風味を堪能するために、やや高めの10℃くらいで味わうのがおすすめです。

以上がタイプ別の基本の温度帯ですが、「酸味と渋みと甘味がカギとなる=そのワインごとに楽しめる温度帯が違ってくる」と言えます。そこで、基本の範囲からちょっと幅を広げながら、ワインの変化球的な楽しみを追究してみましょう。

邪道じゃない!【冷やし赤ワイン】におすすめのワイン

赤ワインはタンニンによる渋みとボディがポイントですが、ワインは冷やすとどんな効果があったかをおさらい。酸味と渋みがクリアになり、甘味は抑えられるという傾向アリ、でしたね。

それゆえ、果実の凝縮感や甘味がしっかりとあり、アルコール度数が高めの赤ワインは、白ワインと同様に10℃前後に冷やすと楽しめるものが多くあります。

バーベキューやアウトドアなどにもぴったりの、濃くてしっかりとしたリーズナブルな赤ワインたちは、冷やすと隠れていた酸味もひょっこり顔を出してスッキリ飲みやすくなり、和食にも合わせやすい味わいに変化します。

もちろん造り手にもよりますが、編集部で試飲検証した結果、比較的温暖な地域で栽培されるワインがほとんど。産地と品種で代表的なものを以下に挙げておきます。

■アメリカ・カリフォルニア《ジンファンデル、ピノ・ノワール》
■アルゼンチン《マルベック》
■チリ《カベルネ・ソーヴィニヨン》
■フランス南部《グルナッシュ・シラーなどのブレンド》
■スペイン南部《ガルナッチャ(グルナッシュ)、モナストレル》
■イタリア南部《アリアニコ、ネロ・ダヴォラ、カンノナウ(グルナッシュ)、プリミティーヴォ(ジンファンデル)》

この「冷やし赤ワイン」とは逆に、温めると渋みが抑えられて甘味が引き立ってくるという効果を活用しているのが、フランスのアルザスやドイツで冬場に親しまれているホットワインです。フルーツやシナモンなどのスパイスを足して、複雑味もプラスしているわけですね。

推奨する造り手もいる!シャンパンやカバの【オンザロック】

うだるような夏が毎年のようにやってくるようになってしまった日本。地中海沿岸のヨーロッパの人たちのワインスタイルからも学びを得ましょう。その一つが、ワインのオンザロックです。

冷やすのが絶対おすすめのスパークリングワインなら、氷を入れてキンキンに冷やすというのは、まず理にかなっていますね。

「シュワシュワとした炭酸と味わいが薄まってしまうじゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、実は最近は、オンザロックや割って飲むスタイルを想定して甘めに造られたシャンパンが、伝統と格式がある大手のシャンパン・メゾンから発売されているのです。

「とは言え、シャンパンは高価だから…」という方には、イタリアの甘口泡のアスティ・スプマンテプロセッコ、スペインのカバのセミ・セコ(中甘口)がおすすめ。

最近では“氷を入れて飲むシャンパン”のトレンドを受けてか、カバも同様の商品が売られています。カバはシャンパンと同じ製法で造られるものの、価格がリーズナブルですから、気軽に試せるのではないでしょうか。

■カバについてはコスパ最高&家飲みの味方、スペインのスパークリング「cava」を極めるを参照

また、オンザロックのスパークリングワインを楽しむコツは2つ。それは、大きめのワイングラスとロックアイスを使うこと。冷凍庫で作った氷はすぐに溶けやすいので、ワインが水っぽくなりがちです。また、氷に冷凍庫特有のにおいがついていることが多いので、ワイン本来の香りが感じにくくなってしまうのです。

薄まらないアイスキューブの活用も

「オンザロック用のシャンパンでもなく、ブリュット(辛口)なスパークリングをなるべく早くキンキンに冷やしながら、味が薄まらないようにしたい」という方は、市販のアイスキューブ(氷の代わりになる溶けないキューブ)を使うというのも一つの手です。

最近はポリエチレンや花崗岩でできたものが100円均一のショップでも販売されていますし、高級感のあるステンレス製のものも通販などで見かけます。

見た目の雰囲気が変わってしまうので、ちょっと“ワイン気分”が削がれてしまう気もしますが、「家飲みなら気にならない!」という方にはおすすめの方法でしょう。

開けたら苦手だったというワインも、温度帯を変えて

今回は基本となるワインの温度帯についてまず学びつつ、温度を変えることでさらに違った風味を楽しむためのポイントもご紹介しました。

繰り返しになりますが、カギとなるのは酸味と渋みと甘味で、以下のような傾向を学びました。

・冷たい=甘味は抑えられ、酸味や渋みが際立つ
・温かい=甘味が引き立って、酸味や渋みは穏やかになる

「このワイン、思ったよりも濃くってアルコール感も強く感じるから、ちょっと冷やして飲んでみようかな」なんてすぐに頭に浮かぶようになったら、かなりのワイン通!例外もありますのでいろいろと試しながら、ワインを自分なりに自由に楽しんでみましょう。