コレがおいしい店に注目」カテゴリーアーカイブ

ワインのお供の定番料理「リエット、レバーパテ、レバームース」って、どう違う? おすすめの店5選

おいしいワインが飲める店に、おいしい料理あり。その店独自の料理のほかに、ビストロやワインバーには「定番料理」があります。

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、今さら聞けない「定番料理」のことを知っておくことは大事!さらに、このシリーズでは、その定番料理とワインがおいしいおすすめ店も併せてご紹介しています。

第1弾の「パテカン」に続き、今回のテーマは、「リエット」や「レバーパテ」「レバームース」などのペースト状の一品たち。似ているけれど、その違いがわかるとワインもより一層楽しめるはずです。

パテと違って、“煮る&練る” のが「リエット」

まずは「リエット(Rillettes)」について。古いフランス語で「豚肉のかたまり」という意味があります。その名の通り、主に豚肉が使われますが、ほかにも鴨やガチョウ、鶏肉などのリエットもあります。さらに最近では、サーモンやサバなどの変わり種のリエットもありますが、まずは基本を押さえましょう。

「リエット」のポイントは、煮る&練るという工程

豚肉に塩を振り、ラード(豚の脂)でやわらかく煮込んで肉の繊維をほぐし、ペースト状に練る。それをココット型やガラスの容器に入れ、冷やすと脂肪分が固まり、保存性が高まります。

ビストロやワインバーでは、スライスしたバゲットと一緒に提供されるのが定番。リエットをたっぷり塗って、果実味豊かな赤ワインと一緒に食べるのがおすすめです。

「レバーパテ」は、パテだけどパテじゃない!?

「レバー独特の食感や味は苦手なんだけど、パテは好き!」という人も多い人気のメニューです。

「レバーパテ」の基本の作り方は、きれいに下処理した鶏や豚などのレバーを、タマネギやニンニクと一緒に炒め、調味料や香辛料などと混ぜて煮て、ペースト状に仕上げるというもの。

シリーズ第1弾の「パテカンでお伝えしたように、 “パテ(Pâté)”というのは本来、パイ生地で包んで焼いたものなのですが、「レバーパテ」は焼きません(ああ、ややこしい!)。今では、パテはペースト状になったもの全般も意味するようになってきていて、「レバーパテ」をレバーペーストと呼ぶこともあります。

「レバームース」のまろやかさは、ミルク由来

「レバームース」のポイントは、牛乳や生クリームなどの乳製品。原材料となるレバーも、鶏レバーが基本です。(レバーパテやレバーペーストを、レバームースと呼ぶ店もありますが…)

いろいろな作り方がありますが、下処理した鶏レバーを牛乳に浸けて臭みをとり、蒸すか焼くかした後に裏ごしし、調味料や生クリームなどを加えてムース状に仕立てたものが一般的です。

口どけもやさしく、まろやかな味わい。レバーNGの人から「本当にこれ、レバーなの!?」と驚かれることも多い一品で、やはりスライスしたバゲットは欠かせません。

ちょっとややこしいけれど、ワインのお供には欠かせない「リエット」や「レバーパテ」に「レバームース」。次に、おいしいワインとともに、絶品の“ペースト状のつまみ”が食べられる5軒を紹介しましょう。

隠れ家的ワインバーで、基本のリエットを味わう【ヴァン・ド・レーヴ】銀座


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レストランでもなく、ビストロでもない、フレンチのワインバー。銀座一丁目駅から徒歩5分。宝町駅からも同じくらいで着く、大人の隠れ家的な店です。

ワインは、フランス産を中心に100種以上。シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ボルドーなど、ワイン好きなら誰も知っている銘醸地のワインがリストにも多数書かれています。

リエットは、秋田県の指定農家の豚肉にこだわって仕込んだもので、メルバトーストが添えられたオーソドックスなスタイル。メルバトーストとは、極薄くスライスしてしっかりとカリカリに焼き上げられたトーストのこと。チーズやパテをのせて食べるものとして、こういう大人のワインバーでは定番です。クラッカーではなく、メルバトースト…ここにもちょっぴりこだわりを感じます。

ヴァン・ド・レーヴ
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座1-20-1 オーキッド銀座ビル1F
  • TEL:03-3563-6040

自然派ワインビストロのパイオニアで食べる、定番リエット&ムース【ル シェーヌ】南青山


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昔からのワイン通なら知っている「ビストロ アンクゥー」の系譜を持つ、南青山のフレンチワインバル。外苑前駅より徒歩約2分のところにあるこの店の名「ル シェーヌ」は、フランス語で「樫の木」を意味し、そのように大きく成長したいというオーナーの想いが込められています。

ナチュラルワインや有機野菜などの食材を使った料理を提供する店が増えましたが、ここは言わば、パイオニア。約50種類のフランス産のヴァン・ナチュールがあり、グラスワインも常時10~15種類ほど用意されています。

リエットは、いも類中心の飼料で育てた旨みとコクが堪らない豚肉「いも豚」で作られたもので、ほかに「白レバーのムース」も人気。カウンターやスタンディングスペースもあるので、一人で気軽に楽しむのもよし、2軒目の利用で立ち寄るのもよしという、素敵な店です。

ル シェーヌ
  • 住所:〒107-0062 東京都港区南青山2-13-15
  • TEL:03-3470-7377

米沢豚のリエットに、クリーミーレバーのパテも気になる!【Chaseco】渋谷・神泉


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「一口目から美味しい」がコンセプトという、気取らず通えるイタリアンダイニングで、神泉駅から徒歩5分という場所に。渋谷駅前の雑踏から抜け出したこのエリアは、こぢんまりした良店が点在しています。

銘柄豚の「米沢豚」を使ったメニューが人気で、グリル、ソテー、煮込みなどのメイン料理はもちろん、リエットも米沢豚で作られた味わい深いもの。「その日の前菜おすすめ盛り合わせ」には、「クリーミーレバーのパテ ピクルス添え」なる一品が入ることもあるので、ワイン好きならやはり定番の前菜はオーダーマストでしょう。

ワインは、店主が厳選する世界各国のワインで、料理との相性はもちろん、値段や味わいもしっかり吟味。黒板に書かれた「本日のワイン」にも注目です。

Chaseco
  • 住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル2F
  • TEL:03-6427-8225

カレー風味のレバーペーストとリエットがおすすめ【Y’s Diner】自由が丘


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東急目黒線の奥沢駅から徒歩30秒!自由が丘駅からも徒歩7分ほどで到着するここは、落ち着いた時間が過ごせる店です。料理はスペインとイタリアがベースとなったミックススタイルで、肉のグリルが特に人気ですが、500円のタパスからいろいろとワインに合う料理が揃っています。

その日の一番おいしいものを5種類盛り合わせてくれる前菜もおすすめですが、単品メニューの「レバーペースト&リエット バゲット添え」があれば、ぜひ注文を。カレー風味のレバーペーストで、リエットと共に、ワインが進むこと請け合いです。

面白いのは、約80種類のワインをセラーから自由に選べるシステム。もちろん、店のスタッフにお願いしてもいいのですが、ワインを少し勉強した人なら、宝探し感覚でワイン選びを。貴重な日本ワインもあったりして、食事前のちょっとしたエンタメになるでしょう。

Y's Diner
  • 住所:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢2-10-7 伊賀ビル1F
  • TEL:03-5726-8175

トリコになる!? 鶏白レバーペーストのスペシャリテ【IL CAMPANELLO】自由が丘


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自由が丘からもう一軒。2020年6月にオープンしたイタリアンで、流行り廃りのない、現地の家庭料理をベースにした手作りの料理を提供しています。大きな窓と高い天井で、開放感も抜群。天気の良い日はテラス席での食事も楽しめます。

手打ちのタリアテッレを使ったボロネーゼなど、いくつかスペシャリテがありますが、「鶏白レバーペースト 白トリュフの香り」もその一つ。なめらかなレバーペーストを、カリッと香ばしいキャラメリゼで仕上げたこのメニューは、香り高い白ワインやちょっと甘口のワインとマリアージュします。

グラスワインは480円からで、種類も赤白ワインは4種類ずつ。ボトルワインは3,300円からとお手頃で用意されています。ソムリエもいますので、気軽に相談できますし、もしかしたら、思わぬ裏メニューが出てくるかもしれません。

IL CAMPANELLO
  • 住所:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢6-20-24 okusawa6+2F
  • TEL:03-6432-2971

 

最強のつまみ!こだわりのチーズとワインを堪能できる店5選

おいしいワインが飲める店に、おいしい料理あり。その店独自の料理のほかに、ビストロやワインバーには「定番メニュー」があります。

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、今さら聞けない定番メニューのことをシリーズでご紹介中。

■「パテカン」って何だ!? おすすめの店5選

■「リエット、レバーパテ、レバームース」って、どう違う? おすすめの店5選

今回のテーマは、チーズの盛り合わせ。「ワインのお供にチーズなんて当たり前でしょ!」なんて声が聞こえてきそうですが、意外と知らないこともあるのでは!? こだわりのチーズ盛り合わせをメニューオンしているおすすめ店も併せて教えます!

チーズはワインに合わせにくい食品のひとつ!?

「チーズを食べるときは赤ワイン」と思いこんでいる人、多いですよね。確かに、昔のフランスでもチーズには赤ワインというのが常識だったようで、世界的なチーズの権威ピエール・アンドゥルーエも「チーズは赤ワインで食べるもの」と書いています。

ところが、20 世紀後半になると、その考えは古い時代のもので「実はチーズは白ワインにこそよく合うのだ」という意見も登場します。また、イギリスのある著名なワインライターは、「チーズはワインに最も合わせにくい食品のひとつである」と言っているくらい、実はワインとチーズのペアリングは奥が深く、一筋縄でいくものではありません。

■チーズとワインのペアリングの基本を知りたい方は こちら

チーズもワインもいろいろな種類と味わいがあり、状態も常に変化していきます。飲みたいワインを注文しつつ、気楽にチーズをつまみに楽しむための一つの解決策が「チーズの盛り合わせ」。バリエーションがあれば、合うものがそこに必ずあります。

そして、こだわりのワインに合うように、チーズのセレクトにも妥協していない5軒のおすすめ店を紹介しましょう。

【ル・プティ・トノー 虎ノ門店】チーズにも感じる!本場のフレンチビストロの雰囲気


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「あれ?ここはパリ?」と思わず錯覚してしまうほどの雰囲気と本場のビストロの味が楽しめる一軒で、虎ノ門のオフィスビルにあるとは思えない佇まい。九段下には、2001年オープンの1号店もあります。

シェフのフィリップ・バットンさんは、その芸術性に富んだ創作フレンチが話題を呼び、伝説の番組「料理の鉄人」をはじめ、数々のメディアに出演。ワインは、南仏を中心にセレクトしたもので、気兼ねなくフレンチのビストロ料理が楽しめるラインナップです。

「グラスワイン、カラフ、ボトルと、お好みのスタイルで楽しんでもらおう」というスタンスとともに、バーメニュー(アラカルト)も充実。当然ながら、チーズ盛り合わせも、フレンチビストロらしく、こだわりのフランス産チーズがたっぷり堪能できます。

ル・プティ・トノー 虎ノ門店
  • 住所:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル1F
  • TEL:03-5545-4640

【SOYA】ワインもチーズもBIOにとことんこだわってみたい方は必訪!

古い建物の雰囲気を上手に改装したこの店は、東銀座からも新富町からも近い場所にありながら、大通りから少し外れていることもあって、とても落ち着いた雰囲気。以前は銀座コリドー街にあったという、ナチュラルイタリアンです。

生産者の顔が見える食材を使い、イタリアの郷土料理をベースにした一品がメニューに上り、ワインは世界中の自然派の生産者のワインが、常時300種ほど。ワインリストはなく、好みを伝えて出してもらうスタイルで、グラスでも10種程度楽しめます。

この店で提供するチーズは、BIOチーズ専門の「VIA THE BIO」が輸入したもの。チーズのもととなるのはミルク。その乳を搾る動物が食べるエサや飲む水までナチュラルなものかどうかを調べたうえで仕入れるという、自然派ラヴァーにはたまらないチーズです。

SOYA
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座1-22-12
  • TEL:03-6263-2335

【トラットリア イルポンテ】イタリアチーズとセミドライフルーツは相性抜群


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東銀座駅から徒歩5分。銀座や新橋からもアクセスが良いこのトラットリアのテーマは、イタリア中部にあるウンブリア州の家庭料理。食材のほとんどがイタリア食材で、郷土の本格的な料理を追求しています。

ワインはもちろんイタリアが中心で、料理に合うワインやその日のオススメのワイン、その時の気分に合うワインなど、お好みに合わせて勧めてくれるうえ、遅い時間には、前菜などを楽しみながらワインを軽く1〜2杯…という使い方もOKだそう。

そんな時のワインのお供には、やはりチーズ!“イタリアチーズの王様”とも呼ばれる定番の「パルミジャーノ・レッジャーノ」や、スイスとの国境近くで作られる山のチーズ「フォンティーナ」などを、相性の良いセミドライフルーツと一緒に提供してくれます。

トラットリア イルポンテ
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座2-14-16 銀座2丁目レジデンスB1F
  • TEL:03-6264-1667

【Bistro Chick Azabu-Juban】チーズ熟成士による4種チーズの盛り合わせ


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カジュアルながらも本格フレンチを堪能できる隠れ家ビストロで、麻布十番駅より徒歩2分というここは、閑静な東麻布の住宅街の中にあります。系列店が都内にも複数あり、それぞれコンセプトが異なりますが、ここは「アンティーク好きのフランス人オーナーがニューヨークに創ったビストロ」というコンセプト。

ニューヨークスタイルということもあり、ドリンクのバリエーションも豊富。ワインは、コストパフォーマンスが高いという南アフリカのワインを中心に揃えられています。

料理はフレンチベースで「フワフワのスフレオムレツ」が人気。サイドメニューにある「チーズ熟成士による4種チーズの盛り合わせ」も、こだわり感があります。熟成のプロが手掛けたチーズは2人分から注文できるので、気のおけない仲間やパートナーとの会食で楽しみましょう。

Bistro Chick Azabu-Juban
  • 住所:〒106-0044 東京都港区東麻布3-7-8 イイダアネックス麻布十番1F
  • TEL:03-6435-5900

【ヴィノシティ】生産者のもとへ訪れて厳選!国産ナチュラルチーズのおいしさを


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「手塩にかけてつくられた食材に生産者の心を乗せて届けたい」という想いを掲げるこの店は、神田・日本橋エリアを中心に5店舗展開する“ワイン居酒屋”。「立ち飲みで軽く1杯!」から「しっかり料理&ワイン!」までできるとあって、ワイン好きのニーズをしっかりと捉えています。

名物は「こぼれスパークリングワイン®︎」ですが、グラスでもボトルでも、世界各国のあらゆるタイプのワインがカジュアルに楽しめるとあって、まさにワイワイと気軽にワインを楽しもうという雰囲気に満ちています。

ビストロ定番の肉メニューや居酒屋的な揚げ物など料理も多彩ですが、国産食材とその生産者への想いも熱く、なんとチーズは、近年グングンとおいしさがアップしている「国産ナチュラルチーズの盛り合わせ」。スタッフがチーズ工房や牧場を直接訪れて、そのチーズのストーリーを理解することを大切にしているのだそう!

ヴィノシティ
  • 住所:〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町2丁目4-1 佐伯ビル1F B1F
  • TEL:03-6206-9922

 

ワインのお供の定番料理「パテカン」って何だ!? おすすめの店5選

おいしいワインが飲める店に、おいしい料理あり。その店独自の料理のほかに、ビストロやワインバーには「定番料理」があります。

メニューボードにずらりと並んだカタカナのオンパレード。「このメニュー、よく見るけど、どんな料理だっけ?知ったかぶりするのも恥ずかしいな…」とちょっと尻込みしてしまったこと、ありませんか?

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、今さら聞けない「定番料理」のことをシリーズでご紹介。さらに、その定番料理がおいしいおすすめ店も併せて教えます!

第1弾のテーマは、ワイン通のみんなが「パテカン」と呼ぶ一品。これを読めば怖いものなし!

フルネームは「パテ・ド・カンパーニュ」

「パテカンがおいしいと、ついワインが進んじゃうよね〜」というセリフ。ワイン好きの“あるある”かもしれません。

通称「パテカン」。正式にはパテ・ド・カンパーニュ(Pâté de campagne)と言います。直訳すると田舎風パテ。フランス生まれの保存食が源流のメニューです。

肉や内臓を細かく刻んで仕込み、パウンドケーキのような形に仕立てたものだけでなく、ペースト状あるいはムース状に練り上げたものを提供している店もありますが、「パテ」の語源は、パイ生地「pâte(パート)」。つまりパテとは、もともとは細かくした肉や内臓などをパイ生地で包み、オーブンで焼いたもの。パイ生地で包まずとも、耐熱皿などを使って焼いたものを冷まし、一切れずつ切り分けるというのが、今でも基本です。

また、パテ・ド・カンパーニュほど多くは見かけませんが、パイ生地で包んで焼き、その外側のパイ皮ごとカットして提供されるパテ・アン・クルート(Pâté en croute)という料理もあります。

この「パイ皮ごと楽しむパテ」は、“パテカン”と兄弟のような料理と言えるかもしれませんね。

時代とともに、違う作り方が許容されたり、バリエーションが増えたりしながらも、国を越え、広く親しまれるようになった「パテ・ド・カンパーニュ」。次に、ワインとともにおいしい“パテカン”が食べられる5軒をご紹介しましょう。

TRATTORIA MARUUMO 赤坂】国産銘柄ポークで作る「田舎風 旨味パテ」


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赤坂見附駅から徒歩3分というこのイタリアンは、40年以上も愛されている店。カプートサッコロス粉100%で作り上げる舌触りの良い生地と、パリッとした耳のコントラストがクセになる自家製ピッツァが、主力メニューです。

イタリアンの店ですが、フレンチビストロ定番のパテカンも捨ておけません。群馬県産のブランド豚である「加藤ポーク」を使用していて、トロッと口の中でとろける脂身は、甘くてなめらか。やわらかい肉は噛みしめるほどにジューシーで、豚肉のうま味を存分に味わえます。

ワインはイタリアを中心に、世界各国から厳選。ピノ・ノワールやシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランといった人気の品種もあり、ボトルワインは全21種類以上、グラスワインは全8種類を常時用意しています。

TRATTORIA MARUUMO 赤坂
  • 住所:〒107-0052 東京都港区赤坂3-8-14 遠山ビル1F
  • TEL:03-3585-5371

【とも新】パテカンを2つのスタイルで提供する練馬のビストロ


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「こんな店が近くにあったら絶対通うなぁ」という言葉がピタリとくるようなこの店は、西武池袋線の桜台駅から徒歩3分、練馬駅からだと徒歩10分ほどという場所にあります。

料理は、自家製ハムやシャルキュトリーに始まり、ワインに合うビストロの定番料理がしっかり。店内には「お料理の量は調整できますよ by シェフ」なんていうメッセージボードもあったりします。前菜の盛り合わせで楽しめるパテカンも、単品メニューなら「パテ・ド・カンパーニュ」と「カリッと焼いたパテ・ド・カンパーニュ」の2スタイルがあり、ワイン好きの心をくすぐります。

ワインは、フランスやニューワールドのアイテムが100種類以上。ボトルは2,900円から、グラスは500円から提供というコストパフォーマンスも光る一軒です。

レストラン とも新
  • 住所:〒176-0011 東京都練馬区豊玉上2-21-18 ジェイコート桜台2F
  • TEL:03-6914-9636

BISTRO CRESTA】麻布十番で、燻製仕立ての黒豚パテカン


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麻布十番〜六本木エリアで計7店舗展開する系列店の一つで、ここは欧州各国料理(スパニッシュ、フレンチ、イタリアン)をボーダレスに融合させたレストラン。麻布十番駅より徒歩1分とアクセスが良いことも、使い勝手の良さにつながっています。

料理は、480円の独創的なタパス料理が豊富。スパニッシュではありませんが、定番のパテ・ド・カンパーニュも独創的で、黒豚を素材として使用し、なんと燻製で仕上げるというアレンジが施されています。

ワインは、ボトルで2,980円から。スペインワインを軸にしながら、南半球のワインなどもオンリストされています。店内は、惑星をモチーフにしたペンダントライトや、アンバーカラーのカウンターなど、異空間にいるようなモダンで上質な空間。ブース席や個室もあるので、様々な使い方が楽しめます。

BISTRO CRESTA
  • 住所:〒106-0045 東京都港区麻布十番2–20-5 ライオンズマンション麻布十番第2 2F
  • TEL:03-6435-3330

ビストロ スマイユ伝統的なパテ・アン・クルートをカジュアルに楽しむ


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店名のスマイユ(semaille)とは、フランス語で「種まき」という意味。2018年オープンのここは、カウンター6席のみの“日本一小さいかもしれないフレンチビストロ”で、京王新線の幡ヶ谷駅から徒歩2分のところにあり、骨太なビストロ料理とワインが味わえます。

それもそのはず。シェフの石谷有吾さんは、名店「サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ」の出身。多彩なシャルキュトリーや豚などの内臓を使用したアバ料理や本物の郷土料理を、ここなら一人でも気軽に楽しむことができます。

通常のパテカンもありますが、クラシックな「パテ・アン・クルート」もこの店では定番メニュー。フランス伝統の技と丁寧な調理でこしらえる一品は、ワインの最高のお供に。ワインはグラスでも白2種、赤2種、スパークリングが用意されています。

ビストロ スマイユ
  • 住所:〒151-0066 東京都渋谷区西原2-28-4 宮嶋ビル1F
  • TEL:070-4466-3968

informel:広尾の上質なフレンチにも、3種のパテあり!


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2019年10月オープンというここの店名は、“アンフォルメル”と読みます。8席のカウンターと完全個室からなるフレンチレストランで、東京メトロ日比谷線の広尾駅から徒歩4分、恵比寿や六本木からもアクセスが便利な一軒です。

カウンターやスツール、カトラリーや食器類、照明に至るまで細部にこだわった店内で提供されるのは、“上質な正統派フランス料理”。「パテ3種の取り合わせ」「フォアグラとトリュフのパテ ブリオッシュ」に加え、ここでもクラシックな「パテ・アン・クルート」がメニューオンしています。

正統派のフレンチには、やはりワインがよく合うもの。フランス産を中心に、料理との相性を考えながら、王道のメゾンから自然派まで様々な種類が取り揃えられています。デートや友人との食事ならカウンターで、接待や記念日ディナーなら完全個室を予約してみましょう。

informel:
  • 住所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-19-2 PIPE 1F
  • TEL:03-6455-7877

 

ワイン好きにも話題の“パン飲み”。自家製パン&ワインが楽しめる店5選

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、今さら聞けない定番メニューのことをシリーズでご紹介中。今回の注目テーマは「パン」です。

パン飲みというフレーズが、ここ数年、メディアでも話題。パン飲みは、言葉の通りちょっとしたつまみと一緒にパンと酒を楽しむということ。パリやニューヨークでは、以前からカフェやビストロでオープンサンドを食べながらグラスワインを楽しむなんていうのは日常の光景でしたが、日本でも最近はこの“パン飲み”を楽しむ人が増加中!パンもワインも根強い人気ですから、当然の流れかもしれません。

一方、自家製も最近話題のキーワード。提供するワインにこだわる飲食店では、手作りによる安心感、料理とのペアリング、オリジナリティも大事に考えています。

そこでまずは、ワインのお供としても定番のパンの基本を学びつつ、5軒の自家製パン&ワインが楽しめるおすすめ店を紹介します!

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

ワイン好きなら知っておくべき3種のパン

いろいろなパンが日本にはありますが、「ワイン好きなら知っておくべき3種のパン」の基本を紹介します。

まずは、王道のバゲット(baguette)から。

たまに「バット」と言ってしまっている人がいますが、正しくは「バット」です。バットは英語で「バケツ(bucket)」を意味してしまいますので、間違えないようにしましょう。

バゲットはフランスパンの一種。フランス語で「杖(つえ)」という意味があり、長さが約70~80cm、重さは300~400gほどのものです。細長い形状からその名が付き、パリパリした表皮で、味は軽い塩味というのが特徴です。

シンプルな味わいのパンなのでどんな料理にも合うことから、フレンチやワインバーでは定番となっています。ワインテイスティングの際の“口内リセット”でもおなじみのパンですね。

次に、パン・ド・カンパーニュ(pain de campagne)。省略して「カンパーニュ」と呼ばれることが多いパンです。

直訳すれば「田舎のパン」。パリ近郊の村の人たちが、果物などから“ルヴァン種”という野生の発酵種を作ってパンを焼き、パリに売りに来ていたことにその名は由来します。だから、カンパーニュと呼ばれるパンは、形も大きさも風味もいろいろ。形で言えば、丸型のものが多いですが、ナマコ型のものや棒状のものまであります。

今では一般的なイースト酵母を使うものも多く、ライ麦粉や全粒粉の比率もさまざまですが、ライ麦や全粒粉の比率が高いものは、味わいとして酸味が強めで、噛めば噛むほどうま味が広がるものが多いもの。

自然派ワインにこだわる店では、このタイプのパンを提供しているところが多く、自家製している店も少なくありません。じんわり、しみじみ、ゆっくり…料理もワインもパンも、そんなモードが合うのでしょう。

最後に、イタリアパンの代表、フォカッチャ(focaccia)を紹介。

名前の由来は「火(fuoco)で焼いたもの」。イタリア北部のジェノヴァが発祥とされるパンで、その歴史は古代ローマ時代にまで遡ると言われています。

表面にオリーブオイルを塗って、焼き上がりが平らになるように指先などでくぼみをつけてから焼くのが一般的で、オリーブやトマト、ローズマリーなどをトッピングしたもの、特に何も手を加えないプレーンなものなど、バリエーションも豊富。ピッツァの原型という説もあり、山海の幸が豊かなイタリア料理には、やはりフォカッチャがよく合います。

3種の基本のパンがわかったところで、自家製パン&ワインが楽しめる5軒のおすすめ店を紹介しましょう。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

フランス家庭料理が活きる、2種の自家製パン【ブラッスリー ラ・ムジカ】目白


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「フランス家庭料理をベースとした料理を気軽に楽しんでもらえるお店を」との想いで、2008年にオープンしたこの店は、JR目白駅から徒歩すぐの場所に。料理のベースはシェフが修業時代を過ごした南仏の郷土料理で、日本各地の食材掘り起こしにも取り組み、シェフの視点で再構築。新たな食の魅力を創出しています。

どこかホッとする料理に添えられるパンは、自家製。全粒粉のパンと、ローズマリーで風味づけられたパンの2種類があります。味わい深い全粒粉パンはもとより、ローズマリーのパンは、香りもごちそう。南仏の料理ではハーブも欠かせない食材で、なかでもローズマリーは必須のものです。

ワインは、フランスだけにこだわらず、世界中から集めたリーズナブルな赤白ワインをシェフとマネージャーが試飲し、ブドウ品種や造り手の特徴を見出して厳選した30種類を用意。その時期、その季節に、旬の食材とのマリアージュまで提案しています。

ブラッスリー ラ・ムジカ
  • 住所:〒171-0031 東京都豊島区目白3-14-21 1F
  • TEL:03-3565-3337

自然派イタリアンの、自家製フォカッチャ【SOYA】銀座

こだわりのチーズとワインを堪能できる店5選でも、登場したナチュラルイタリアンの「SOYA」。イタリアとフランスを中心とした自然派の生産者のワインが揃い、チーズもBIOにこだわっているこの店で提供するフォカッチャが“自家製”というのは、当然至極なのかもしれません。

フォカッチャ以外にも、パーネ・トスカーノ(塩なしで焼かれるパン)やサルデーニャのパーネ・カラザウにも似たパリパリとした食感の素朴なパンがつき出し(コペルト)として、紙袋に入って供されます。

銀座エリアの表通りから少し外れたところにある昭和レトロな建物を改装した店は、カウンター席の1Fから、テーブル席の2〜3Fまであり、とても落ち着いた雰囲気。ワインはグラスでもいろいろなものが楽しめ、生産者の顔が見える食材を使ったイタリアンとともに、パンにも注目です。

SOYA
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座1-22-12
  • TEL:03-6263-2335

天然酵母からの自家製パンを、ヴァン・ナチュールと【pipal】渋谷


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人気の奥渋谷、宇田川町にあるここは「おいしいフレンチとワインで楽しむ、大人の遊び場ビストロ」を謳う店で、料理は家庭的なフレンチをベースに、和の技法も織り交ぜて。安心できる有機野菜を使った手づくりの料理にこだわっています。

ワインは、ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)。ワインを農作物だと捉え、テロワールを大切に考え、体にやさしくおいしいワインを普段使いで気軽に楽しめるようにと、ソムリエが探し続けてセレクト。グラスワインも豊富で、利きワインセットの用意もあるそう。

ソースに使うフォン(ダシ)、ベーコン、ソーセージ、パイ生地にいたるまでが自家製で、自慢のパンは天然酵母から自家製というこだわりよう!手間暇をかけてつくられるワインや料理とともに、この「自家製天然酵母のパン盛り合わせ」はオーダー必須でしょう。

pipal
  • 住所:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-11 1F
  • TEL:03-3464-3857

有名フレンチのコースのスタートを飾るオーガニックパン【白金シェ・トモ ナチュラル キュイジーヌ】白金


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銀座にも支店を持つここは、閑静な白金の住宅街の中にあり、どの駅からもちょっと距離があります。それゆえゆったりと食事ができるという本格自然派フレンチで、料理は、昼夜共にコースで楽しむレストランです。

宝石のように盛り付けられた「山梨県産 無農薬野菜達 28〜30種の盛合せ」は、市川知志シェフのスペシャリテの一つですが、そんな目にもおいしい料理が登場するコースの口火を切るのは、オーガニック100%の自家製パン。オーガニックオリーブオイルとこだわりの塩がセットで添えられています。

ワインやソフトドリンク、食後のアフタードリンクも、有機栽培にこだわったものが多数。ワインリストを見るなら、葉っぱのマークがついたオーガニックワインに注目しつつ、ソムリエの話に耳を傾けて、心ゆくまで楽しみましょう。

白金シェ・トモ ナチュラル キュイジーヌ
  • 住所:〒108-0072 東京都港区白金5-15-5 ダイヤ白金1F
  • TEL:03-5789-7731

個性派フレンチに、オリジナリティー溢れる「縄文パン」【デュ・ヴァン・ハッシシ】横浜山下町


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横浜中華街の雑踏を少し抜けたところにある、個性派フレンチ。天井が高く、広くゆったりした空間にスロージャズやボサノバが流れるなか、真っ白なテーブルクロスがかかったテーブルで提供されるのは、白子、アンキモ、蛍烏賊、生ウニなど、季節の和の食材もふんだんに使われたフレンチ…といった具合です。

ワインはフランスを中心にトラディショナルなものからナチュラル系まであり、グラスワインも10種以上がラインナップ。オリジナルフレンチを彩るワインが揃っています。

毎日お店で焼いているという「自家製縄文パン」も名物。ライ麦、ヒエ、アワ、キビ、アマランサス、エゴマ、ゴマ、そしてドングリ粉が入ってます。縄文時代に青森でドングリの栽培が始まったところから命名されたというオリジナルパンで、ソースが多いこの店の料理には無くてはならないパンです。

Du Vin HACHISCH
  • 住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町210-3 パークアクシス山下町1F
  • TEL:045-319-4844

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

 

みんな大好き【カプレーゼ】が今、進化中!基本の話からおすすめ店情報まで

おいしいワインが飲める店に、おいしい料理あり。その店独自の料理のほかに、ビストロやワインバーには「定番料理」があります。

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、今さら聞けない「定番料理」のことをシリーズでご紹介。さらに、その定番料理がおいしいおすすめ店も併せてお伝えしています。

パテカンって何だ!?
リエット、レバーパテ、レバームースって、どう違う?
ソーセージ、サルシッチャ、ブーダン…腸詰めの違いを徹底解説
ワイン好きが知っておくべき世界のハム

今回のテーマは、家ごはんでも手軽に楽しめる「カプレーゼ」。イタリアンの前菜ですが、ワインバーの一品としても定番。みんなに好まれるおなじみの一皿が今、バリエーション豊かなものになっています。

そもそも「カプレーゼ」とは?

カットしたモッツァレラチーズとトマトを並べて、バジルをのせて、塩胡椒とオリーブオイルをかけるだけ。典型的なカプレーゼは手軽でおいしく、キリッと冷やした白ワインが飲みたくなる一品です。

カプレーゼの正式名称は、インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese)。直訳するとカプリ島のサラダという意味で、イタリア南部、カンパーニア地方に浮かぶカプリ島、「青の洞窟」があることで知られているあの有名な島に由来するとされています。

トマト、モッツァレラ、バジル。赤白緑の3色がイタリア国旗を思わせることもあり、カプレーゼはイタリアを代表する前菜の一つに。今や世界的にも有名な一品となりました。

カプレーゼの始まりの物語には諸説あるのですが、いずれにせよ、マルゲリータのピッツァしかり、手軽なパニーニ(サンドイッチ)しかり、トマト、モッツァレラチーズ、バジルは、イタリアンの三種の神器のような食材と言えるでしょう。

カプレーゼに使うモッツァレラは、牛乳製or水牛乳製?

定番のカプレーゼに欠かせないモッツァレラは、イタリア独特の製法で作られるフレッシュチーズ。もともとは水牛のミルクから作られたチーズで、モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ(Mozzarella di Bufala Campana)とされる水牛乳製のものは、DOP(原産地名称保護)の認証を持つもの。ワインのAOCやDOCGなどと同様の制度が、チーズにもあります。

現地では生ハムとルッコラを添えて食べることも多い水牛乳のモッツァレラは、牛乳製のものより濃厚な味わいで、お値段もちょっとお高め。牛乳製もさっぱりとしたおいしいカプレーゼになりますが、黒板メニューでわざわざ「水牛のモッツァレラのカプレーゼ」と書く店主のこだわりも、ワイン好きなら知っておきたいところです。

そして、水牛のモッツァレラを使う以外にも、こだわり系カプレーゼが今、どんどん増えています。合わせるワインもそれによって多彩になっていきますので、少しその例を紹介しておきましょう。

変化球からフルーツアレンジの進化系、クリーミーな豪華版も

まずは、変化球的なカプレーゼから。定番のトマトとバジルの代わりに、スモークサーモンとディル、オリーブの実をのせたものになります。シーフード感あるこんなカプレーゼなら、ソーヴィニョン・ブランやドライなロゼワインがよく合います。

モッツァレラは、豆腐と同じようにシンプルな味わいの食材なので、お好みの具材を合わせるだけで違った魅力が生まれます。また、モッツァレラの兄弟のようなチーズで、ここ数年でグッと人気が高まってきたチーズにブッラータ(burrata)というものがあります。

細かく割いたフレッシュチーズの生地と生クリームを和えて、モッツァレラの生地で包むという、手のこんだチーズなのですが、これを使った“豪華版カプレーゼ”もイタリアンやワインバーで見かけるようになってきました。定番のトマト&バジルで提供する店もありますが、生クリームの特徴を活かして、季節のフルーツと合わせたフルーツ・カプレーゼなんていう進化系も増えてきました。

旬の果物を使うことで一年を通じてバリエーションが出せるとあって、黒板メニューに載せる一品としてフルーツ・カプレーゼはぴったり。また「イチゴなら少し甘みのあるロゼワインを、メロンや桃ならアロマティックな白を…」など使われているフルーツによって、ペアリングするワインをセレクトするのも楽しみの一つとなります。

続いて、おいしいワインとともにこだわり系カプレーゼがメニューオンする店を紹介しましょう。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【中目黒 グリル】フレッシュなカプレーゼを、ワイングラスにもこだわる店で

photo:店舗写真

中目黒駅から徒歩5分。目黒銀座商店街にあるこの店は、希少な赤身肉と世界のワインが楽しめるビストロで、岩手県田村牧場産の「吊るし熟成短角牛」の炭火焼やローストビーフなどが主力料理ですが、土壌にこだわった自然栽培の農作物を作っているという「ナチュラル・ハーモニー」の有機野菜も大事な食材となっています。

そんな野菜や果物を取り入れた「いろいろトマトとモッツァレラチーズのカラフルサラダ シトラスの薫り」に注目。新鮮な香りや味わい、食感が楽しめるこのカプレーゼは、肉料理メインの食事でこそ活躍するメニューかもしれません。

ワインは、お手頃なグラスワインから銘醸ワインまで、ソムリエが毎月数十種類を試飲し、泡、赤、白合わせて12種類以上をラインナップ。また「ワインをおいしく味わうにはグラスの良し悪しも欠かせない」ということで、この店ではリーデル社製のワイングラスを使用。ボトルワインはもちろん、グラスワインにおいても楽しんでもらえるよう、それぞれの個性に合わせて13種類を揃えています。

中目黒グリル
  • 住所:〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-37-12 コンフォート中目黒101
  • TEL:03-6303-4681

【Itacica Ku】200種のワイン!季節ごとにフルーツが変わるカプレーゼ

photo:店舗写真

渋谷駅西口から徒歩2分。桜丘町にあるフレンチイタリアンで、フルオープンキッチンと壁一面の大ワインセラーが目を引く店内には、ロフト席や小さな個室もあります。

フードとしては、飲み放題付きの肉料理コースがありますが、アラカルトももちろん充実。ブルゴーニュのシャブリで修行したシェフが作るソーセージなどが入った前菜の盛り合わせ「お肉屋さんのシャルキュトリー」が名物ですが、「トマトと旬のフルーツのカプレーゼ」も人気です。写真のカプレーゼではイチゴが使われていますが、季節ごとにフルーツが変わるので、それも楽しみとなるカプレーゼです。

ワインは、200種類ほどあるという幅広い品揃え。注文時に迷ってしまいそうですが、スタッフ全員がソムリエという店なので、お気軽におすすめを聞くこともできます。

Itacica Ku
  • 住所:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町24-3 インエステートビルB1F
  • TEL:03-6886-2496

【IL CAMPANELLO】フレッシュなトマトソース&水牛モッツァレラのカプレーゼ

photo:店舗写真

リエット、レバーパテ、レバームースって、どう違う?」でも登場した自由が丘のイタリアンですが、ここで味わえる一品は「水牛のモッツァレラとフレッシュケッカソースのカプレーゼ仕立て」。水牛のミルクで作られたモッツァレラは、牛乳製のものよりも濃厚な味わいで製造量も少なく、価格もお高めですから、ちょっぴり贅沢なカプレーゼと言えるでしょう。

ちなみに「ケッカソース」とは、火にかけないで作るフレッシュトマトのソースのこと。新鮮なモッツァレラには、やはりフレッシュなトマトの味わいがピタリと合います。

卵黄だけを使ったローマ風の濃厚カルボナーラやパルミジャーノのジェラートなど、他のチーズを使った料理も多彩。ゆえに、パートナーとなるワインも大事となります。グラスワインは480円からで、種類も赤白ワインは4種類ずつ。ボトルワインは3,300円からとお手頃で用意されています。

IL CAMPANELLO
  • 住所:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢6-20-24 okusawa6+2F
  • TEL:03-6432-2971

【自由が丘 cheese亭】チーズ料理のオンパレード!ブッラータは生ハムとトマトで

photo:店舗写真

自由が丘の北口から30秒という立地にある、カウンター12席の小さな店。「チーズリゾット」や「ローマ風カルボナーラ」などの定番チーズ料理はもちろん人気ですが、落ち着いた雰囲気の中、星付きのレストランで修行したシェフが繰り出すのは、多種多様、変幻自在のチーズ料理。「リコッタワンタン出汁トリュフ」や「ドライトマト枝豆フェタ」など、チーズ好きの心をくすぐる創作系の逸品たちもカウンターを彩ります。

カプレーゼは、ブッラータを使ったスタイルで。生ハムとトマトを合わせたイタリアでもおなじみの食べ方ですが、生クリームと繊維状のモッツァレラを包んだブッラータのカプレーゼは、ここでもリッチな前菜の一皿となっています。

ビール、日本酒、焼酎など酒類もバラエティに富んでいますが、当然ワインも充実。定番品種をしっかり押さえた世界各国のワインが楽しめます。

自由が丘 cheese亭
  • 住所:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-12-6 センタービル2F
  • TEL:03-6459-5081

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

 

「生ハム」の「生」って何?ワイン好きが知っておくべき【世界のハム】&おすすめの店5選

ワインバーやビストロで欠かせない、ワインのお供。一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待でも、定番の一品やつまみのことをちゃんと知っておけば、恥をかく心配はありません。

そんな「ワインのお供」のことをシリーズで紹介していますが、今回のテーマは、ハム。イタリアンに欠かせないパルマハムやスペインバルでよく見る原木のハム、また、おなじみのロースハムや燻製ハムなど、ハムにもいろいろあります。

ハムの違いがわかるとワインもより一層おいしく楽しめるはず。もちろん、おいしいハム&ワインが楽しめるおすすめの5店も併せて紹介します。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

そもそもハムって何?生ハムの「生」ってどういうこと?

「そもそも、ハムって何?」ということをまず明らかにしておきましょう。このシリーズで紹介している

パテカンって何だ!?
リエット、レバーパテ、レバームースって、どう違う?
ソーセージ、サルシッチャ、ブーダン…腸詰めの違いを徹底解説

と同様、ハムもシャルキュトリ(食肉加工品)の一つであることは、ご存じの方も多いと思います。

つまり、保存食として生まれたもの。一説によると、ハムは紀元前7000年頃には食べられていたというほど、長い歴史があります。現在は、燻製にした鶏肉や魚の身をハムと呼んでいるものもありますが、そもそもハムとは豚のもも肉を加工した食品のことで、ハム(ham)という言葉は本来、英語で「豚のもも肉」そのものを意味します。

ここでちょっと疑問が湧いてくる方もいるのでは?「あれ?保存食なのに“生ハム”ってどういうこと?」と。

おなじみの「ロースハム」や「ボンレスハム(骨なし=ボーンレスのハム)」などは、ボイル(加熱)という工程を経ているのに対し、生ハムと呼ばれるものは、塩漬けにし、乾燥と熟成を経て完成。つまり「生」と呼ばれているものの、生の肉ではなく、保存や味わいづくりのための加工は施されているわけです。

ちなみに、日本のスーパーなどで「生ハム」として販売されているものの多くは、ラックスハムというもの。ラックス(Lachs)は、ドイツ語で「サーモン」の意味。サーモンのような赤みのある色をしたハムということのようで、低い温度でじっくり時間をかけて熟成させたものです。

「世界三大ハム」と呼ばれるものも!

日本人は“世界三大〇〇”というキャッチフレーズが好きですが、生ハムにもそう呼ばれるものがあり、ワインバーや飲食店でも定番のハムとなっています。

一つめは、イタリアのパルマハム。正式名称はプロシュット・ディ・パルマと言います。

赤の微発泡ワイン「ランブルスコ」やイタリアチーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」と同じ郷土、エミリア=ロマーニャ州のパルマ地区で作られるハムです。パルミジャーノ・レッジャーノの製造工程で排出されるホエー(乳清)が豚の大事な飼料となるうえ、熟成に適した霧が多く立ち込めるエリア。まさにテロワールが味わい深いプロシュットを育むというわけです。

次に、スペインバルのカウンターにドーンと原木が置かれていることも多いハモン・セラーノ

スペイン語で「山のハム」という意味があり、しっかりとした塩味と肉の強い風味が特徴。主に改良種の白豚から作られますが、食材としても有名なイベリコ豚(イベリア半島原産の黒豚)から作られるものは「ハモン・イベリコ」と呼ばれ、区別されています。

三つめは、中国の金華ハム(金華火腿)

浙江省金華地区が原産の高級食材「金華豚」のみが使用されたハムのことで、表面にラードを塗ったあと、長期間の熟成を行います。固い肉質が特徴的で、酒で蒸したり、スープに入れたりして食べるのが通例。「プロシュット・ディ・パルマ」や「ハモン・セラーノ」のようにそのままではあまり食べないというのも特徴です。

ワイン好きなら知っておきたい、ハムの言葉いろいろ

「ham」は本来、英語で「豚のもも肉」を意味する言葉だという話はしましたが、ビストロやワインバー、イタリアンなどのメニューで登場する“ハムの言葉”を知らないと戸惑うことも。ワイン好きのために、ここで主なものを紹介しておきましょう。

フランス語では、ジャンボン(jambon)

フランスでは、生ハムジャンボン・クリュ。「クリュ(cru)」は「生」の意味です。スペイン国境近くに位置するバイヨンヌの街には「ジャンボン・ド・バイヨンヌ」という名産の生ハムがあります。また加熱ハムジャンボン・ブランと呼ばれます。

イタリア語では、プロシュット(prosciutto)

「パルマハム=プロシュット・ディ・パルマ」でお分かりかと思いますが、ほかにも「プロシュット・ディ・〇〇」という名称で、各地の特産ハムがあります。また、生ハムの総称プロシュット・クルード(生のハム)、ボイルハムプロシュット・コット(加熱したハム)と言います。

そのほか、首から背中にかけての肉から作られるコッパや、腿肉の中心部分にある特に柔らかい最上の部位を切り出し熟成させるクラテッロ、イタリア北部で牛や馬、猪などの肉から作られるブレザオラも覚えておきたいイタリアのハムの名前です。

ドイツ語では、シンケン(Schinken)

ソーセージ同様、ハムもドイツでは欠かせない食品で、たくさんの種類がありますが、まずはシンケンという言葉と、燻製した生ハム、ラックスシンケンは覚えておきましょう。

アメリカでブレイクした、パストラミ(pastrami)

牛肉を塩漬け、乾燥、燻製させて作られるパストラミ。燻製させた後にニンニクや胡椒、パプリカなどの香辛料をまぶすのが一般的で、豚肉のものではありませんが、これもハムの一種と言えるでしょう。

ニューヨークのカフェやデリから人気となった「パストラミサンド」ですが、源流は中東にあり。その後、東欧のユダヤ系移民とともにアメリカに渡り、今やベーグルやサンドイッチの具材として定番に。メルロ主体の赤ワインとの相性が抜群です。

日本のオリジナルハム!?

おなじみのロースハムですが、実はこれ、日本で独自に開発されたもの。豚のロース肉を使い、脂肪層を外側にして巻いて作られたもので、食感がしっとりしつつも淡白な味わいという、日本人の味覚に沿ってできたハムなのだとか。

また、赤いフチがあるハムで、最近はあまり見かけなくなってきたプレスハムも、なんと日本のオリジナル。戦後の食材が少ない時代から普及し、豚肉以外の肉も混ぜて作られていた言わば「練りもの」で、ハムというよりソーセージに近い代物です。

世界のハムの基本と、代表的なものを紹介しましたが、言葉の整理が付きましたでしょうか?ここからは、おいしいハム&ワインが楽しめる5つの店をご紹介します。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【apéro wine bar aoyama】自然体のフランスワインと、しゅわしゅわ溶ける生ハム

photo:店舗写真

このワインバーでは、ワイン通やグルメな人たちの間で絶大な人気を誇る「サルメリア69(ロッキュー)」の生ハムをはじめとしたシャルキュトリ盛り合わせがメニューオンしています。

向こう側が透けるくらい薄くスライスされたプロシュット・ディ・パルマは、口に入れるとあっという間にとろけてしまうほど。ファンの間では“しゅわしゅわのハム”と呼ばれるほどです。

「apéro wine bar aoyama」は、外苑前駅から歩いて6分ほど。フランスのアペリティフスタイルをテーマに、多種多様なオーガニックワインが楽しめます。料理は、スタッフが目利きをした国内外の食材を使い、フランスの家庭料理をベースに仕上げたものばかり。随所にセンスが光る一軒です。

apero. wine bar aoyama
  • 住所:〒107-0062 東京都港区南青山3-4-6 Aoyama346 3F
  • TEL:03-6325-3893

【代々木ビストリア】プロシュットをメインに、毎日スライスして提供するワインバル

photo:店舗写真

代々木にあるこのワインバルの冷製メニュー人気No.1を誇るのが「本日のプロシュート盛合せ」。“世界三大生ハム”の一つと言われるパルマハムなど、イタリア産のプロシュットをメインに、毎日お店でスライスして提供。口に入れた瞬間に脂身のうま味が口いっぱいに広がります。

他にも、肉をマリネするところから作るという「自家製ソーセージ」などの肉料理やシェフこだわりのイタリアンがメニューに並び、どれもワインが進みます。ワインは、ソムリエが厳選した世界各国のもので、グラスで600円から、ボトルは3,000円からとリーズナブル。

木目調の温かみのある隠れ家的な店で、ワインカーヴ(蔵)をイメージした地下フロアは、貸切での利用がおすすめとのこと。代々木駅からも徒歩3〜4分ですが、小田急小田原線の南新宿駅が至近で、徒歩1分という場所にあります。

代々木ビストリア
  • 住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-43-2 メトロビル 1F、B1F
  • TEL:03-6276-4311

【Trattoria M’s】“お魚イタリアン”は、肉メニューやワインにも妥協なし!

photo:店舗写真

京急蒲田駅からもJR蒲田駅からも徒歩5分ほどで着くこの一軒は「お魚マイスターアドバイザーがいるお店」を謳うイタリアン。魚介類を賢く購入し、おいしく食べ、その知識を周囲の人に普及していくお魚のプロのための資格なのだそうで、もし「平目の生ハムとモッツァレラチーズのインボルティーニ」という料理がメニューに載っていたら、ぜひ味わってみてください。

もちろん定番の肉メニューもあり。「18か月熟成パルマ産生ハム、コッパ、ミラノサラミ、モルタデッラの盛り合わせ」や「手作りサルシッチャ(30cmの生ソーセージ)」も見逃せません。

ワインは、8種類のグラスワインが楽しめるうえ、「樽詰スパークリング」なるものも。1杯ずつサーバーから注がれるため、冷たくフレッシュでフルーティーな泡が楽しめます。ボトルでも赤・白それぞれ20種以上のイタリアワインがあります。

Trattoria M's
  • 住所:〒144-0052 東京都大田区蒲田5-28-18 京急exインB1F
  • TEL:03-3735-8405

【スペインバル Cabana】一軒家リノベの店で、最高級のハモンイベリコ・ベジョータを

photo:店舗写真

北千住駅から徒歩6分。店名でもある「Cabana(カバーナ)」は、スペイン語で「小屋・コテージ」という意味があり、宿場町商店街の古い一軒家をリノベーションした隠れ家的なスペインバルです。

スペインバルと言えば“ハモン”ですが、ここでは最高級のスペイン産生ハム「ハモンイベリコ・ベジョータ」が食べられます。大自然の中で放牧され、自然のドングリを食べて育てられた最高ランクのイベリコ豚のみが「ベジョータ」の名を冠し「イベリコ豚の頂点」と呼ばれます。スペインの熟練の職人が4年間もの時間をかけ、一つ一つ丁寧に熟成させて仕上げた最高級の生ハムは、全体のわずか10%程度と非常に希少なため、原木1本は十数万円するそうですが、それが1皿900円ほどで食べられるのですから、必食でしょう。

ワインは、40種以上のスペインのものがあり、カバをはじめ、赤・白・シェリー酒まで、取り揃っているので、ハモンやスペイン料理とワインのマリアージュが楽しめます。

スペインバル Cabana
  • 住所:〒120-0034 東京都足立区千住3-68-20
  • TEL:03-6806-2197

【マンジェ・エ・ボワール ナガオ】仔羊の生ハム!? 食材の目利きが確かなプチフレンチで

photo:店舗写真

東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅から徒歩2分のフレンチ。和食出身のシェフと、実家が山梨の「ルミエールワイナリー」というマダムが夫婦で2000年にオープンしたここは、シェフ自らが魚河岸で選ぶ新鮮な魚介類やファーマーズマーケットで買い求める有機野菜、スロベニア産のピランソルトなど、食材の目利きがしっかり。ちなみに「マンジェ エ ボワール」とは、フランス語で「食べて、飲んで」という意味があります。

コース料理が主体ですが、夜10時からはワインバーとしても利用でき、小さな前菜盛り合わせやチーズなども楽しめ、カウンターで一人ワインを傾けることもできます。アラカルトには「ニュージーランド産仔羊の生ハム」や「ハモンセラーノと季節のフルーツ」なども。

ワインは、山梨ルミエールのものだけでなく、フランスやニューワールドなどの厳選ワインが80種類以上あり、1本3,800円のものから8万円の高級ワインまでと多彩。ソムリエの資格を持つシェフとマダムに相談しながら楽しみましょう。

マンジェ・エ・ボワール ナガオ
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-5 中山ビル 2F
  • TEL:03-3535-4066

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

ソーセージ、サルシッチャ、ブーダン…「腸詰め」の違いを徹底解説&おすすめの店5選

おいしいワインが飲める店に、おいしい料理あり。その店独自の料理のほかに、ビストロやワインバーには「定番料理」があります。

一人飲みのときでも、仲間と一緒のときでも、はたまたデートや接待で恥をかかないためにも、そんな「定番料理」のことを知っておくことは大事!さらに、このシリーズでは、その定番料理とワインがおいしいおすすめ店も併せてご紹介しています。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

今回のテーマは腸詰め。ソーセージ、サルシッチャ、ブーダンなどいろいろあってどれも似ているけれど、その違いがわかるとワインもより一層おいしく楽しめるはずです。

腸詰めのキーワードは、十字軍と塩!?

古代四大文明の時代に発祥し、中世のヨーロッパで発展したと言われている腸詰めの食文化。十字軍の遠征がきっかけとなり、肉をいかに保存し、少しでも長く、おいしく食べられるようにするかという創意工夫から製法が定着していったというのが一般的な説です。パテやリエットなど、ほかの回でも紹介してきた食肉加工品(シャルキュトリ)の一つのカテゴリーとも言えますね。

「腸詰め」にはいろいろな種類や名称があって混乱しがち。まずは立ち位置というか、用語を整理しましょう。各国の「腸詰め」という言葉を整理すると、以下のようになります。

英語:ソーセージ(sausage)
フランス語:ソシース(saucisse)、ソシソン(saucissons)
イタリア語:サルシッチャ(salsiccia)
ドイツ語:ヴルスト(Wurst)

ドイツ語以外の言葉には、ある共通点が!製造に欠かせない塩(salt, sel, sale…)を意味する言葉が語源となっています。

製法を簡単に説明すると、まずは挽肉や臓物に、塩やハーブ、香辛料を混ぜます。それをケーシングと呼ばれる羊や豚、牛の腸(今はコラーゲンやセルロースを使った人工のケーシングも使われます)に詰め、長期保存のための加工処理として、湯煮や燻煙などが行われます。生食のものもありますが、多くのものは茹でたり、焼いたりして食卓に上ります。

日本でお馴染みのフランクフルトやウインナー(“ウィーン風”の意味)は、地名と結びついたソーセージの種類の名称というわけですが、各地の地域性や物語が、ここにも見え隠れしてきそうです。次に、ワインバーやビストロなどで登場するフランスとイタリアの腸詰めをみていきましょう。

フランスは、臓物系も多くて種類も豊富

腸詰めという一般総称としては「ソシース(saucisse)」、ちょっと大きめのものは「ソシソン(saucissons)」となりますが、フランスには多種多様なものがあります。なかでも、“臓物系”がフレンチやワインバーでは定番なのです。

地域や作る人によって材料のバリエーションはありますが、臓物の腸詰めがアンドゥイユ(andouilles)。小さめのものはアンドゥイエット(andouillettes)と呼ばれます。

そして、豚の血と脂を主役に、ニンニク、タマネギ、パセリなどが混ぜられたブーダン・ノワール(boudin noir)。黒っぽい色をした腸詰めで、濃醇な赤ワインのお供に欠かせない“ブラッドソーセージ”です。一方、ブーダン・ブラン(boudin blanc)という白いブーダンは臓物系ではなく、鶏や仔牛の挽肉に卵やクリーム、トリュフなどを混ぜた“ハレの日”の腸詰めで、こちらはコク豊かな白ワインの方が合います。

ほかにも、フランスにはたくさんの腸詰めがあるのですが、ワイン好きなら知っておきたいものをさらに挙げると、シポラタ(chipolatas)があります。

粗挽の豚肉を羊腸に詰めた、庶民的な生ソーセージです。粗挽ならではのしっかりとした肉の食感があり、香辛料は控えめ。煮て良し、焼いて良しなので、フランスでは定番の一つです。

反対に、スパイシーさが魅力の個性派は、北アフリカ生まれでほかの地中海沿岸諸国でも人気のメルゲーズ(merguez)

羊(または牛)の挽肉を「ハリッサ(アリッサ)」というアラブの香辛料(またはクミンやチリペッパー)と混ぜ合わせ、羊の腸に詰めたもので、グリルすると香ばしさをまとってエスニックさも倍増!シラーやグルナッシュといった赤ワインが飲みたくなること、間違いなしです。

サルーミとサラーメ、間違え注意!なイタリア

イタリアではシャルキュトリのことを、サルーミ(salumi)と呼びます。これも塩を意味する「サーレ(sale)」が語源。食肉加工に塩は欠かせないわけです。

「サルシッチャ(salsiccia)」は、腸詰めを意味する言葉だということはお伝えしましたが、加熱処理されていないので、現地ではソーセージと区別する場合も多くあります。ハーブや肉の種類、混ぜる比率なども各地で様々。なかには、乾燥熟成すらさせずに生肉のフレッシュさを魅力とした「サルシッチャ・フレスカ」というものもあります。

乾燥熟成させた腸詰めといえば、ソーセージの類とはまた少し異なりますが、サラーメ(salame)、つまり「サラミ」があります。先述の「サルーミ(salumi):食肉加工品全般」と混同しやすいので、イタリアでは要注意です。

豚の赤身肉に、にんにくや赤ワインなどを混ぜ、腸詰めしたものを乾燥熟成。サラミはイタリアのみならず、各国にありますので、ここではあまり深入りしませんが、微生物と時間がおいしさと個性を作り出すという点では、ワインとの共通点もたくさん。余韻が長い味わいのサラミには、やはり熟成感のある同郷の赤ワインをセレクトしたいところです

最後に、定番のイタリアの腸詰めとして忘れてはいけないのが、モルタデッラ(mortadella)

モルタデッラは、エミリア=ロマーニャ州の州都、ボローニャの伝統的なソーセージです。ボローニャソーセージという名前で呼ばれることも多いのですが、日本で「ボローニャソーセージ」として製造されているものは、現地のものとは規定が異なるので、似て非なるものです。

モルタデッラは、イタリアンの前菜やパニーニには欠かせない一品。細かく挽いた豚肉に、さいの目にカットした豚の脂身を加え、さらにピスタチオや黒胡椒などを混ぜ込んで、ほかのソーセージよりも太いケーシングに詰めて作られます。それゆえ、ソーセージというよりは、ハムのような印象かもしれません。

腸詰めの基本と、代表的なものを紹介しましたが、少し言葉の整理が付きましたでしょうか?ここからは、おいしい腸詰めの料理とワインが実際に楽しめる5つの店をご紹介します。

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。

【bistro oeuf oeuf】豚は1頭丸々仕入れ!自家製のソーセージあり

photo:店舗写真

骨太なビストロ料理を提供する隠れ家的な一軒。店名にある「oeuf oeuf(ウフウフ)」とは、フランス語の「玉子(oeuf)」のことで、“二子玉川”の駅から徒歩5分の場所にあることに由来しているのだとか。

「さつきポーク」という銘柄豚を1頭丸々仕入れていることもあり、部位ごとの豪快なロースト料理はもちろん、ハムや田舎風パテなどのシャルキュトリーも自家製。「自家製さつきポークのソーセージ!!」も当然至極、人気メニューの一つです。

ワインは、フランス産を中心に約80種類。ボルドーやブルゴーニュなどの正統派のものから、個性豊かな自然派ワインまで幅広いラインナップがあります。「色々な種類を味わっていただきたい」とのことから、グラスワインは約10種類(600円〜)を日替わりで、また、ボトルも3,300円からリーズナブルに楽しむことができます。

bistro oeuf oeuf
  • 住所:〒158-0094 東京都世田谷区玉川3-13-1 柳小路錦町1F
  • TEL:03-5717-3585

【SAKABA SOU  -Dining・Bar-】ハンガリーの国宝“マンガリッツァ豚”のソーセージでワインを!

photo:店舗写真

東急線自由が丘駅南口より徒歩1分という駅近の隠れ家ダイニングバー。ワインレッドを基調にした落ち着きのあるラグジュアリーな空間で、まさに“大人の雰囲気”が漂うここでは、ビストロ料理とワインやカクテル・ウイスキーなどが楽しめます。

ワインは常時50種以上。フランスやイタリアはもちろん、アルゼンチン、南アフリカ、イスラエルなど世界各国のワインから、料理とのペアリングをしっかり楽しめるよう、ソムリエが厳選したものが並んでいます。

「ポルチーニのポタージュ」や「自家製ラタトゥイユのブルスケッタ」などの多彩なメニューがありますが、「マンガリッツァ豚ソーセージの3種盛合せ」をぜひ。マンガリッツァ豚は、品種改良により1833年に生み出されたハンガリー固有の希少種の豚で、2004年にはハンガリーの国宝に指定された豚肉。そのソーセージは、まさにワインにぴったりの一品です。

SAKABA SOU -Dining・Bar-
  • 住所:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-7-13 クレオビル4F
  • TEL:03-5701-1141

【トラットリア モッコ】サンジョヴェーゼ100%の赤ワインと合う!手作りサルシッチャ

photo:店舗写真

自由が丘からもう一軒。南口から徒歩3分の場所にあるこのトラットリアでは、手作りにこだわりる本格生パスタとピッツァが味わえます。また、プロジェクターとモニター2台が完備という店なので、貸切のパーティーで使いたいという時にも便利な店です。

ワインは、店主のこだわりで集めたというイタリア各地の土着品種のものも含む、多彩なラインナップ。特におすすめのワインは、クランベリーのような若々しい赤い果実味を感じる口当たりも軽く爽やかな酸とフレッシュな果実味が印象的な「フィオーレ・ディ・マッジョ」とのこと。サンジョヴェーゼ種100%の赤ワインです。

そんなおすすめワインのお供として、ぜひおすすめしたいのが「自家製サルシッチャ(ソーセージ)~マッシュポテト添え~」。こちらもシェフのこだわりの逸品で、塩のみで結着させて手作りしているという一皿です。

トラットリア モッコ
  • 住所:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢6-33-8
  • TEL:03-3705-3710

【中目黒グリル SLOW TABLE】ロケ地にもなる素敵な店で、めずらしい鴨のソーセージを発見

photo:店舗写真

日比谷線も乗り入れる東急東横線の中目黒駅から歩いて6分。緑溢れるテラス席もあるここは、ドラマや映画のロケ地にもなるお洒落なロケーションです。「SLOW TABLE」という店名の通り、“ゆったりとした時間”を過ごせるビストロ&カフェで、都会の喧騒を離れてちょっとリラックスできる一軒です。

グリルという文字が店名にあるように、低温でじっくりとローストした後、仕上げに藁で瞬間燻製にするという「骨付き仔羊のココット焼き」や熟成豚を使った「プレミアム餃子」などが人気ですが、そんな中ちょっとめずらしい「鴨のソーセージ」をメニューに発見!鴨肉のじんわりしたうま味は、やはりブルゴーニュの赤がぴったり。ぜひその日のおすすめをソムリエに相談してみましょう。

ちなみに、グラスワインは、スパークリングワインは800円から、スティルは赤白ともに700円から用意されています。

中目黒グリル SLOW TABLE
  • 住所:〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-20-5 1F
  • TEL:03-6303-2906

【ビストロ・ド・ラ・シテ】ブーダン・ノワールを、ワイン通も通う老舗ビストロで味わう

photo:店舗写真

オープンは1973年。六本木にあった「Aux Six Arbles」と2018年に統合し、もうすぐ50年を迎えようとするこの西麻布の名店は、昔のままの内装で、老舗ならではのぬくもりを肌で感じ、楽しむことができます。

“ネオ・ビストロ”と言われる軽やかなテイストも醸しだしながら、パリジャンが街角の行きつけのこじんまりとしたビストロで毎日食べているような、シェーブルチーズのサラダ、特製豚肉のテリーヌ、オニオングラタンスープ、鴨のコンフィといった定番のビストロ料理が並ぶ中、記事でも紹介した「ブーダン・ノワール」も味わうことができます。

豚の血と脂、香辛料などで作られる「ブーダン・ノワール」にぴったりの赤ワインは、ぜひマダムやスタッフに相談してセレクトしてもらいましょう。古き良き時代のパリのビストロへタイムスリップ…レアもののブルゴーニュワインも揃うこの老舗は、広尾駅から徒歩8分の場所にあります。

ビストロ・ド・ラ・シテ
  • 住所:〒106-0031 東京都港区西麻布4-2-10 東城ビル1F
  • TEL:03-3406-5475

緊急事態宣言等が発出中は、酒類の提供中止の他、営業時間やメニュー等の変更もありますので、最新情報は各店舗にてご確認ください。